漁夫の利(ぎょふのり)の意味とは? ことわざの使い方や英文、類義語を徹底解説!

漁夫の利
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「漁夫の利」ということわざを聞いたことはありますか?

 利という漢字から、なんだか、お得な響きがしてきますね。

誰がお得になったのでしょうか?
お得な人がいるということは、損をした人もいたのでしょうか?

今からおよそ2300年前中国。
戦国時代の逸話いつわがまとめられた本に出てくるお話です。

本記事では、「漁夫の利」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。早速見ていきましょう。

読み方漁夫の利(ぎょふのり)
ローマ字Gyofu no ri
意味二者が争っているうちに、第三者が何の苦労もなく利益をさらうこと。他人の争いごとに乗じて、何の苦もなく利益を得ることのたとえ。
使い方ライバル会社同士で争っている隙に、無名の会社が漁夫の利を得る結果となった。
英文訳Two dogs fight for a bone and the third runs away
with it.
(二匹の犬が一本の骨を得ようと争い、三匹目の犬がその骨を持って逃げる)
類義語鷸蚌いつぼうの争い/犬兎けんとの争い/田父でんぷこう両虎りょうこ相闘いて駑犬どけん其の弊を受く/両虎りょうこ食を争う時はきつね其のきょに乗る
目次

漁夫の利(ぎょふのり)とは

漁夫の利(ぎょふのり)シギ(鳥)

「由来」『戦国策せんごくさく燕策えんさく』にある故事

蛤

中国の逸話いつわをまとめた「戦国策せんごくさく」という本の中の「燕策えんさく」に
書かれているお話です。

今からおよそ2300年前、中国の戦国時代。
趙(ちょう)という国が隣の燕(えん)という国に攻め込もうと計画していました。趙と燕の近くには秦(しん)という大きな国がありました。

燕(えん)の国の蘇代(そだい)という人が、趙(ちょう)の王に、戦争をしないように説得に行くことになりました。

蘇代が言いました。
「今日、わたくしがこちらに参ります時に、川のところを通りかかりました。そこで蛤(はまぐり)が水から出て日に当たっておりましたところ、鷸(しぎ)がやって来て、蛤を見つけて、ついばもうとしました。ところが蛤(はまぐり)は貝を閉ざして鷸(しぎ)のくちばしをはさみました。

鷸(しぎ)は言いました。
『このまま雨が降らなかったらおまえは干からびるぞ』
蛤(はまぐり)は言いました。
『おまえの方が何も食べれなくて死んでしまうぞ』と言い争っておりました。

そこへ漁師が通りかかり、蛤(はまぐり)と鷸(しぎ)の両方を捕まえて帰って行きました。

燕(えん)趙(ちょう)とが戦えば、両国ともたみは弱っていくでしょう。それを見た秦(しん)が燕と趙の両方ともを滅ぼしにやって来るでしょう。

趙(ちょう)の国の王におかれましては、どうか今一度このことをお考えいただけますと有り難き幸せにございます。」

蘇代のこの話を聞き入れて、趙の国は燕を攻めるのを取りやめたということです。

無益むえきな争いをすると共倒れになるという教訓がこめられています。

「意味」二者が争っているうちに、第三者が何の苦労もなく利益をさらうことのたとえ

さて、この中国の逸話のたとえ話に登場するのは、蛤(はまぐり)と鷸(しぎ)、そして漁夫でしたね。蘇代(そだい)は、蛤と鷸を燕(えん)と趙(ちょう)に例え、秦(しん)の国を漁夫に例えたのですね。二者が争っているうちに、第三者が何の苦労もなく利益をさらうことを表しています。

  1.  燕
  2. 漁夫
  • 漁夫(ぎょふ)とは、漁業に従事する人。漁師。

「使い方」浦ちゃんと金ちゃんと桃ちゃんの場合

[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]浦ちゃんと金ちゃんが、きび団子を食べたいと喧嘩しておったぞな。[/chat]

[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]あらあら、大変![/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]そこに桃ちゃんが来おってな。喧嘩しておった二人が横に置いておいたきび団子を、ちゃっかり、全部食べて行ってしもうたがな。[/chat]

[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]あれまあ。漁夫の利ですね。[/chat]

「例文」AとBが争っているそのすきをついて、Cが漁夫の利を得る

言い争い

「ことわざのイメージ」

「争いをしていると、その状況じょうきょうを見た第三者に利益をもたらすキッカケとなり、争っていた両者は無益となる」

ここまで、読み進めてただいたあなたは、このことわざの由来ゆらいや意味をつかんでいただけたのではないかと思います。

それでは例文を使って、使い方を練習しましょう。

いまAさんBさんが昇進を狙って争っているが、Aさん漁夫の利を得るだろう。

漁夫の利を得るのは、争っている当事者とうじしゃのどちらかではなくて、どちらでもない第三者ですから、この使い方は間違っていますね。

いまAさんBさん昇進しょうしんを狙って争っているが、その隙をついて、Cさん漁夫の利を得たようだね。

AさんBさんが争っているのを見ていたCさんが、上のポストを射止めたのですね。

文学作品の中でも使われている「漁夫の利」を使った表現を見てみましよう。吉川英治 三国志から、2つご紹介します。

「しかし劉表りゅうひょうも、ここは容易にうごくまい。龍虎りゅうこともに傷つけば、かれは兵を用いずして、漁夫の利をうる位置にある」

■吉川英治 三国志 孔明の巻 兄弟再会 二 より抜粋

「両大国が戦って、魏に漁夫の利を占めさせるなどは、実に骨頂こっちょうというものである」
■ 吉川英治 三国志 出師の巻 呉の外交 一 より抜粋

「類義語」漁夫の利 5つ紹介

虎
ここからは「漁夫の利」の類義語を5つ解説していきます。
[chat face=”panda.jpg” name=パンダさん align=”right” border=”gray” bg=”none”] トラも出てきますよ。 [/chat]

 鷸蚌の争い (いつぼうのあらそい)

漁夫の利の、鷸(しぎ)と蛤(はまぐり)の争いのこと。よって意味は「二者が争っているうちに、第三者が何の苦労もなく利益をさらうこと」

 犬兎の争い (けんとのあらそい)

戦国策せんごくさく』の中の『斉策せいさく』に出てくる逸話です。犬がうさぎを追いかけて、お互いが力尽きて倒れたところを通りかかった農夫が犬も兎も手に入れたというお話です。よって意味は「二者が争っているうちに、第三者が何の苦労もなく利益をさらうこと」

 田父の功 (でんぷのこう)

田父でんぷとは農夫のこと。この農夫は、犬兎の争いの場面に通りかかった農夫です。「鷸蚌いつぼうの争い」と「漁夫の利」と同じく、「犬兎の争い」と「田父の功」で同じ内容を表しています。よって意味は「二者が争っているうちに、第三者が何の苦労もなく利益をさらうこと」

 両虎相闘いて駑犬その弊を受く(りょうこ あいたたかいて どけん そのへいをうく)

史記しき』の中の『春申君列伝しゅんしんくんれつでん』に出てくる逸話いつわです。両虎りょうこは二頭の虎。駑犬(どけん)はつまらない犬。二頭の虎が死闘を繰り広げれば、その疲れに乗じて駄犬(だけん)が勢力を伸ばすこと。よって意味は強豪きょうごう同士が戦っているすきに、弱小の者が労せずして利益を得ることのたとえ」駄犬(だけん)は血統のわからない雑種の犬のこと。

 両虎食を争う時は狐其の虚に乗る (りょうこ  しょくをあらそうときは きつね そのきょにのる)

二頭の虎が一つの餌を争っていると、そのすきに狐が其の餌を盗む。「きょじょうず」とは、そなえのないところにつけこむこと、または相手の隙きを突いて攻めること。よって意味は強豪きょうごう同士が戦っているすきに、弱小の者がろうせずして利益を得ることのたとえ」

「英文」漁夫の利 3つ紹介

二匹の犬

[jin-iconbox02]Two dogs fight for a bone, and the third runs away with it.
(一本の骨のために2匹の犬が争っていたら、3匹目の犬が現れて持ち去ってしまった。)

[jin_icon_pencil color=”#e9546b” size=”18px”]The third : 3番目の〇〇 ⇨ 3番めの犬
[jin_icon_pencil color=”#e9546b” size=”18px”]with it : it (a bone) と共に[/jin-iconbox02]

[jin-iconbox02]
Profiting while others fight
(他者が争っている間に利益を得る。)

[jin_icon_pencil color=”#e9546b” size=”18px”]Profiting : 利益を得ること
[jin_icon_pencil color=”#e9546b” size=”18px”]others fight : 他の人達の争い  [/jin-iconbox02]

[jin-iconbox02]If we should quarrel, he would be the one to profit from it.
(僕たちがけんかをすれば、あいつがそこから利を占める。)

[jin_icon_pencil color=”#e9546b” size=”18px”]If we should 〜 : もし僕たちが〜すれば
[jin_icon_pencil color=”#e9546b” size=”18px”]quarrel : けんか
[jin_icon_pencil color=”#e9546b” size=”18px”]he would be the one to〜 : 彼が〜するその人になるだろう
[jin_icon_pencil color=”#e9546b” size=”18px”]profit from it : it (quarrel) から利を得る[/jin-iconbox02]

まとめ

それでは、ポイントをまとめましょう。

  • 「漁夫の利」とは、二者が争っているうちに、第三者が何の苦労もなく利益をさらうこと。
  • 他人の争いごとに乗じて、何の苦もなく利益を得ることのたとえ。
  • 争いをしていると、その状況を見た第三者に利益をもたらすキッカケとなり、争っていた両者は無益となる。

いかがでしたか?

いろいろな不都合をなんとかしないといけない時、
争って自分の利益を得ようとするより、

難しいかもしれませんが、

お互いウィンウィンな関係が築けるように
考えてみるのがいいのかもしれません。

そんな時に「漁夫の利」ということわざを思い出してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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