「蛇に噛まれて朽ち縄に怖じる」ということわざを耳にしたことはありますでしょうか?
”蛇”という文字や熟語、ことわざは、私達の身の回りに意外と多く存在していますよね!
市内で暮らしていると蛇に遭遇することなんてなかなかないですが、
蛇行とか、長蛇の列とか、蛇の目などなど・・・・もともと農耕民族であった私達のご先祖様は、古くから蛇と深い関りを持ちながら生活してきたことが分かります。
本記事では 蛇の特徴をよく捉え、生活に密着したことわざの一つ「蛇に噛まれて朽ち縄に怖じる」をご紹介したいと思います!
このような精神的なストレスを感じてしまったことはないでしょうか?
- 恐怖体験から度を越して用心深くなってしまった。
- 一度大きな失敗をしてしまってから、次も同じ失敗をしそうで怖くなってしまった。
「蛇に噛まれて朽ち縄に怖じる」とは、
あることがきっかけでトラウマになってしまい、似たような状況になった時に必要以上に用心深くなることを示します。
読み方 | へびにかまれてくちなわにおじる |
ローマ字 | hebinikamarete kuchinawaniojiru |
意味 | 一度ひどい目に遭うと、それと関わるものに出会った時に必要以上に怖がる |
使い方 | あることがきっかけで特定の物、出来事に用心深くなってしまった時のことを話す時に使う。 |
類義語 | 羮に懲りて膾を吹く/黒犬に噛まれて灰汁の垂れ滓に怖じる/舟に懲りて輿を忌む/火傷、火に怖じる |
対義語 | ー |
英文 | The man who has been bitten by the snake fears every piece of rope. Scalded cats fear even cold water. Birds once snared fear all bushes. |
「蛇に噛まれて朽ち縄に怖じる」とは?
「由来・意味」一度ひどい目に遭うと、それと関わるものに出会った時に必要以上に怖がる
朽縄(くちなわ)とは、朽ち果てた縄、すなわち使い古してボロボロになった縄のことです。 今では道を歩いていて縄が落ちているということは滅多にないですが、昔は縄は生活になくてはならない物でした。 縄の使い方でパッと思い浮かぶのは、「荷物を縛る」「場所を囲う」ぐらいですが、昔は、靴は縄で編んだ草履、かばんは縄で編んだ、カーペットは縄で編んだラグといったように、身の回りに沢山の縄が使われていました。 よって、その辺に縄が落ちているという風景は日常茶飯事で、珍しい事ではありませんでした。 昔は畑仕事が多かった時代なので、畑の茂みの奥から蛇がそろ~り近寄ってきていきなりガブッと噛まれる!!!といったことが頻繁にあったのでしょう。想像しただけでも恐ろしいですね…。 そんな出来事があった後に、蛇に似た縄がその辺に落ちている……、とんでもない恐怖とストレスに苛まれていたことでしょう。 この様な日常の出来事から「蛇に噛まれて朽ち縄に怖じる」ということわざができました。
ことわざのイメージ
なかなか取り払えないネガティブな感情という感じがします。
「使い方」一度生死に関わる事故にあった後に必要以上に怖がってしまうようになった時
例文1
「蛇に噛まれて朽ち縄に怖じる」というが、あの子は海で溺れてしまってからお風呂に入るのも怖がるようになってしまったようだ。
例文2
昔、交通事故に遭ってから、クラクションの様な音を聞いただけで「蛇に噛まれて朽ち縄に怖じる」ようになってしまった。
なるぞうさんとなるこさんの会話で、もうちょっと詳しく使い方を見てみましょう!
ある出来事がきっかけで、必要以上に苦手になってしまった時・・・・
わしは長い髪の人が苦手じゃ
なんで?
昔、あるロングヘアーの女性にすごく馬鹿にされてから、男性でもロングヘアーの人を見かけただけでビクビクしてしまうんじゃよ
蛇に咬まれて朽ち縄に怖じるというやつね。
「良い例と悪い例」 蛇に咬まれて朽ち縄に怖じる
さっき森で蛇に咬まれて、朽ち縄に怖じてしまったよ。
このことわざを使う場面は、一度ひどい目に遭って、それ以降似た物を見ただけで恐れることをたとえるから、この場合はふさわしくないの~
昔、蛇に噛まれたことがあるんだ。あれから細長い物を見ただけで蛇に咬まれて朽ち縄に怖じるようになってしまったよ。
一度ひどい目に遭ってからは、必要以上に用心深くなることをたとえているから、この場合はばっちりだの!!
「類義語」蛇に咬まれて朽ち縄に怖じる 4つ紹介
羮に懲りて膾を吹く(あつものにこりてなますをふく)
羹(肉や野菜を煮た熱い汁物)を食べた時 とても熱くて懲りたので、冷たい食べ物である膾(生肉の刺身)を食べる時にでも、息を吹きかけて冷ましてから食べようとしてしまうということのたとえ。
黒犬に噛まれて灰汁の垂れ滓に怖じる(くろいぬにかまれてあくのたれかすにおじる)
黒い犬に噛まれた人は、色が似ている灰汁の滓が巻かれてあるのを見ても、黒い犬に思えて怯えてしまうというたとえ。
舟に懲りて輿を忌む(ふねにこりてこしをいむ)
船に乗ってひどい目に遭った者が、乗り物であれば輿でも嫌うということのたとえ。
火傷、火に怖じる(やけど、ひにおじる)
火傷を負っていたい思いをした者は、火を見ただけでも怯えてしまうというたとえ。
「英文」蛇に噛まれて朽ち縄に怖じる 3つ紹介
The man who has been bitten by the snake fears every piece of rope.
「蛇に噛まれた者は縄を怖がる」の英文
Scalded cats fear even cold water.
やけどした猫は水をも恐れる
Birds once snared fear all bushes.
一度罠にかかったことのある鳥は、すべての茂みを怖がる
紹介した二つの英文も、過去の恐怖を感じた体験をベースに作られていますね。
まとめ
再度、意味と使い方や要点をまとめていきます。
- 意味 過去の恐怖体験や大きな失敗によって、その原因となった物や人、体験などに必要以上に臆病になってしまっていること
- 使い方 あることをきっかけに、特定の事に対して臆病になってしまい、その事柄について話すときに使う。
今回解説させて頂いた「蛇に噛まれて朽ち縄に怖じる」は、使う状況がこないほうが良いことわざであることが分かりました。
この記事を読んで頂いた方の中にも、もしかしたら「蛇に噛まれて朽ち縄に怖じる」状況の方がいるかもしれません。
実は私も・・・・車を海に沈めてしまってからは、海もプールも怖くなってしまいました。
過去の怖かった経験や大失敗した経験、それらを記憶から消し去ることって なかな難しいことですよね。
人間は楽しかった記憶より、嫌悪や恐怖といった記憶の方が鮮明に覚えている傾向にあるそうです。
それでも・・・いつまでも過去の事に縛られた人生なんて、楽しくありませんよね?
嫌な経験を思い出せないくらい 楽しい経験を積み重ねていくことで、過去をアップデートしてみてはいかがでしょうか?
そうする事で 過去のネガティブな記憶なんて、どうでもよくなる気がしませんか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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