駆け馬に鞭ということわざの意味を知っていますか?
駆けている馬に、さらに鞭を打って勢いをつけることから、さらに勢いを増すことのたとえです。
そのままでもじゅうぶんなのに、さらに勢いが増すのですから、何でもできる、怖いものはないといった感じですね。
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]さらに勢いを増すことの類義語は多いんじゃぞ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]そんなに勢いを増して、どうするんでしょうね。もっとのんびりいきましょうよ。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]何でもやってやる、できないことはないといったような、前向きな気持ちが現れていると思わんか?[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]たしかに。こちらまで力がみなぎってくる気がしますね。[/chat]
本記事では、「駆け馬に鞭」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。読み終える頃には、マスターになっているでしょう!
読み方 | 駆け馬に鞭(かけうまにむち) |
---|---|
意味 | 勢いがついているものに、さらに勢いをつけ活気づけること。 |
使い方 | ただでさえじゅうぶんなのに、さらに勢いを増すときに使う。 |
英文訳 | Whip on a running horse. A good horse often needs a good spur. |
類義語 | 鬼に金棒/鬼に金もたす/火に油をそそぐ/燃える火に薪を添う/飛脚に三里の灸/竜に翼を得たる如し/虎に翼/弁慶に薙刀/吠える犬にけしかける/帆掛け船に櫓を押す |
駆け馬に鞭とは
勢いがついているものに、さらに勢いをつけ活気づけること。
普通に走っているだけでも、人間が追いつけないほど速い馬に、鞭を打つともっと速く走らせることができるということからきています。
競馬場に行ったり、テレビで実況を見たことがありますか?
最後の直線コースに入ったら、騎手が鞭で乗っている馬の尻を叩きます。すると後ろのほうにいた馬が勢いづいて、前にいた馬の間からするっと飛び出し、優勝することもあるのです。
「意味」勢いがついているものに、さらに勢いをつけ活気づけること。
「駆け馬に鞭」は、すでに駆けているというのがポイントです。じっとしている馬が走り出しても、急に全速力というわけにはいきません。ある程度の速度で走っているところからだと、精いっぱいの力を出すまでに時間が短くてすみますよね。
「ことわざのイメージ」
そのままでもじゅうぶんなのに、勢いがついたらすごいことになりそう。
やればできる!というような、前向きな気持ちになる。その様なイメージを持つとわかりやすいですね!
「使い方」さらに勢いを増したいとき
「駆け馬に鞭」は、もっと勢いを増すときに使います。
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]ばあさん、今度○○監督がメガホンをとる映画に、△△という女優が抜擢されたらしいぞ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]まあ、△△ちゃんっていったら、日本映画界に彗星のごとく現れた子ですね。若い子にも人気ですが、私たち年寄りから見てもかわいくて応援したくなりますよね。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]英語も堪能だというし、そのうち日本を代表する女優になって、ハリウッド映画にも出演するんじゃないか?[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]〇〇監督も、いい人を選びましたね。映画のヒット間違いなし。まさに「駆け馬に鞭」ですよ。[/chat]
この例文のように、さらに勢いを増すという意味合いで使っています。
これを参考に下にいくつか例文を載せてあります。
「例文」さらに勢いを増したいとき
「駆け馬に鞭」とは、現状よりさらに勢いを増すという意味でしたね。
これを踏まえて、悪い例、良い例を見てみましょう。
息子は、目覚ましが鳴っても起きない。何度鳴っても起きないので、駆け馬に鞭で、氷水で濡らしたタオルを顔にかけた。
急に冷たいものが顔にかかると、その時はさすがに目が覚めるかもしれませんが、「何をするんだよ!」という怒りもこみ上げてきて、それが反抗に変わってまた寝てしまうかもしれません。
それがきっかけとなり、すぐに起きて能力を発揮できる人は少ないはずです。
みなさんはどうですか?何もしてなかったところから急に動けますか?
頭が働き出すまでには、少し時間がかかりますよね。
マラソン選手のAさんは、ゴールまであと500メートルという位置にいた。前には3人の選手が走っている。追いつけるのか?
そのとき沿道に、恩師と学生時代のチームメイトの姿を発見する。
「Aさんあと少し!」
「頑張れ!」
その声援が駆け馬に鞭となり、Aさんは3人の選手を追い抜き、みごと優勝した。
「英文」2つの表現を紹介
Whip on a running horse.
走っている馬に鞭を打つ。
Whip on → 鞭で打つ・けしかける
A good horse often needs a good spur.
よい馬はしばしば、よい拍車を必要とします。
often → しばしば
spur → 拍車
拍車とは、馬術において、騎手がブーツの後ろにつけて馬に合図を送る金属製の道具。
馬に苦痛を与えるほど強く蹴ることはない。
「類義語」5つ紹介
鬼に金棒
強い鬼に、道具である金棒を持たせるという意味から、強いものが何かを得て、強さを増すというたとえ。
【例文】Aさんは、ボクシングジムに習っていて腕前もなかなか。ジム帰りに、暗い夜道を歩いていると、突然後ろから知らない男に抱きつかれた。
「キャー」
「おい、何してる!」
そこに現れたのは、ジムの先輩でもあり、警備会社の社員でもあるBさん。
まさに鬼に金棒。
Aさんはその後、思いっきり痴漢に対してパンチを繰り出した。
火に油をそそぐ
燃え盛る火に、もっと燃えやすくなる油を注ぐという意味から、勢いが激しいものに、さらに勢いのあるものを合わせるというたとえ。
【例文】公園で、ふたりの若者が喧嘩をしていた。だんだん口調も荒くなり、興奮してきている様子。
「よし、俺がやめさせてくる」
「ちょっとやめときなさいよ。あんたが行っても火に油をそそぐようなものよ。余計にこじれるわ」
飛脚に三里の灸
飛脚は、長い距離を走るのでとても足が丈夫だ。三里(膝頭下、外側のくぼみ)に灸をすえるという意味から、さらに丈夫さが増すというたとえ。
【例文】山登りが好きなB君は、足腰がしっかりしている。今度挑戦する山は、今までで一番高い。飛脚に三里の灸。入念な前準備にも余念(※1)はなかった。
※1 余念とは、ほかのことは考えずひとつのことに集中するということ。
竜に翼を得たる如し
架空の生き物である竜だが、強くて空も飛べるイメージがある。そこに、さらに丈夫で立派な翼を加えるという意味から、強いものにさらに強さを加えるというたとえ。
【例文】スカイダイビングやパラグライダーを楽しんでいたCくんは、それだけでは飽き足らず、ライセンスを取ってモーターグライダーを操っている。まさに竜に翼を得たる如し。今度は指導員としても活躍している。
弁慶に薙刀
強い弁慶に、得意な薙刀(※2)を持たせるという意味から、強いものがさらに強くなることのたとえ。
【例文】 高校のとき薙刀部に入っていたDさんは、小学校の先生になって、他の先生に言っても信じてもらえない。ちょっとぽっちゃりしてきたということもあるが、性格は温厚でとてもそんなスポーツをしていたようには見えなかった。
ある日の訓練で、教室にある刺股(※3)を使う場面があった。そこで機敏で正確な動きを見せたDさんに「弁慶に薙刀だね」と、先生と生徒から拍手が巻き起こった。
※2 薙刀は、剣道の竹刀とよく似ていますが、一番の違いは長さにあります。2メートル10センチから2メートル25センチほどあり、攻撃だけではなく、防御も可能な武具です。
※3 刺股は、相手の動きを封じ込める道具で、U字形の金属に、2~3メートルの棒が付いていて、相手の腹の辺りを押さえることが多い。
「対義語」さらに勢いを増すことに対して
餓鬼に苧殻
力のない人が、もろく折れやすい苧殻(麻の茎)を振り回すようなもの。
何の力にもなれない様子。
経験のない人、弱い人が役に立たない道具を使っても、何もできませんよね。
そんな様子を表すことわざです。
まとめ
「駆け馬に鞭」とは、勢いのある馬に、さらに鞭を使って勢いを増すように仕向けることから、勢いのあるものに、さらに勢いをつけるときに使います。
類義語もすべて、最初から強かったり、勢いがあるところから始まっています。そこからさらに勢いが増すのですから最強ですね。
とてもパワーのあることわざです。
みなさんもぜひ使ってみてください。
じゅうぶんなものに、さらに何かを足して勢いを増したいときに使うと良いでしょう。
最初から勢いがあるというのがポイントで、ゼロからスタートする場合には使いません。勢いが増すまでに、時間がかかるからです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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