日常生活の中で、ほんのわずかな差で危機から回避出来た!という経験をしたことがありませんか?なんだか心臓がバクバクしてヒヤリとする場面ですよね。
そんな時に使うのが『危機一髪』という言葉です。聞いたことがある方がほとんどかと思います。
本記事では、「危機一髪」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。しっかりと使えるようになりましょう!
読み方 | 危機一髪(ききいっぱつ) |
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意味 | 髪の毛一本ほどのわずかな違いで危険に追い込まれる、危ない瀬戸際 |
使い方 | 大事故になるところだったが危機一髪のところでまぬがれた |
英文訳 | Close call |
類義語 | 間一髪/九死に一生を得る |
危機一髪(ききいっぱつ)
「由来」与孟尚書書
中国の文人である韓愈(かんゆ)の『与孟尚書書(もうしょうしょにあたうるのしょ)』に「基の危なきこと、一髪の千鈞を引くが如し」と記されたことが由来となっています。
参考:『韓愈・与益尚書書』
鈞(きん)とは古代中国で使用されていた重さの単位です。一鈞がおよそ18kgなので、千鈞は約18tになります。
訳すと、「一本の髪の毛でおよそ18tの重しを引っぱって、髪の毛がいまにも切れそうな状況だ」になります。
「意味」 髪の毛一本ほどのわずかな違いで危険に追い込まれる、危ない瀬戸際
まずは”危機”という言葉と”一髪”という言葉を分けて説明します。
「危機」:悪い結果や成り行きを招くかもしれない、危険で不安な時や状態のこと。
「一髪」:これは文字通り一本の髪の毛のこと。
これを踏まえ『危機一髪』とは、”髪の毛一本ほどのわずかな違いで危険に追い込まれる、危ない瀬戸際”という意味です。少しでも時間がずれていたり、状況が違えば危ない状態になっていたということです。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]基本的には何か危機的状況から回避出来たときや、そのような場面が過ぎ去った後に使用する言葉なんじゃ。[/chat]
「使い方」ほんの少しの差で交通事故に巻き込まれていた話をするとき
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]この間信号を渡ろうとしていたら目の前で事故が起こったんじゃよ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]あらまあ!それでなるぞうさんは大丈夫だったんですか?![/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]信号が青になっていたんじゃが、ボーッとしていて気付くのが遅れたんじゃ。あの時すぐ渡っていたら事故に巻き込まれていたところじゃった…。今思い出すだけでもゾッとするよ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]それはまさに危機一髪だったんですね。無事で何よりです。[/chat]
この例文のように、ほんの少しの差で危ない状況になっていたがギリギリのところでまぬがれたという意味合いで使っています。
これを参考に下にいくつか例文を載せてあります。
「例文」危機一髪3つ紹介
『危機一髪』を使った例文を3つご紹介します!
①川に泳ぎに行っていたら、足を滑らせて溺れかけた経験がある。今無事でいられるのも、あの時危機一髪のところで助けてくれた友人のおかげだ。
②工事現場の前を歩いていたら僕のすぐ後ろに足場が崩れてきたから慌てて走ったんだ。僕を含め通行人の人たちは危機一髪で下敷きにならずに済んだよ。
③危機一髪の場面に遭遇すると、一瞬頭が真っ白になるものだ。
「類義語」危機一髪2つ紹介
『危機一髪』の類義語として『間一髪』『九死に一生を得る』という言葉があります。
間一髪
隙間が髪の毛一本の幅しかないこと。転じて事態が極めて差し迫っていること。危ないところ。
九死に一生を得る
ほとんど助かる見込みのない危険な状態から、かろうじて助かることのたとえ。危ういところで奇跡的に助かること。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]”九死”は十のうち九まで死の可能性が高いことで、ほとんど死を避けられない危険な場合のことを指すんじゃ。”一生”は十のうち一の生きる可能性のことじゃな。[/chat]
「英文」Close call
『危機一髪』は英語に訳すと、”Close call“となります。これは直訳すると”ギリギリの判定”という意味です。
また、”have a close call”で先ほどの類義語『九死に一生を得る』になります。
「危機一髪」と「危機一発」の違いとは
「危機一髪」の字を書く際、「危機一発」と間違った表記をする人がいます。
では「危機一髪」と「危機一発」に意味の違いはあるのでしょうか?
『危機一発』とは
これは「危機一髪」の間違った使われ方で、「危機一発」という言葉は辞書にも存在しません。読み方が一緒であるため、誤った言葉として広まってしまっています。
そもそも”一発”とは鉄砲の弾や花火を一度放つ時などに使用されます。使い方としては、「獲物を一発で捕らえる」「銃弾はあと一発しかない」などですね。
ちなみに”黒ひげ危機一発”というおもちゃがありますが、これは商品名であるため間違いではありませんので注意しましょう。
「危機一髪」とは、髪の毛一本分の差で危ないところだったという意味を一度理解出来れば、”一髪”の漢字も自然に覚えられますね。
まとめ
いかがでしたか?「危機一髪」という言葉を理解出来たでしょうか?
『危機一髪』
・髪の毛一本ほどの違いで危険に追い込まれる
・危機的状況から回避できた時に使う言葉
・”危機一発”と間違って表記しないように注意する
なるべくそのような場面には遭遇したくはないものですが、”危なかったがなんとか助かった”という時にこの言葉を使いましょう。
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