「奇貨居くべし」ということわざをご存じですか?
何となく聞いたことがあるような…でも意味までは分からない。そう思っている方が大半なのではないでしょうか?でも大丈夫。決して恥じることではありません。かくゆう筆者もそうでした。分からないからこそこの記事の意味があるんです。
あえてこのページをご覧いただいているあなたには、「奇貨居くべし」という言葉の意味や類義語、使い方などを分かりやすく解説していきます。今すぐ使えるように一緒に学びすすめましょう。読み終える頃には、この言葉のマスターになっているはず!
読み方 | 奇貨居くべし(きかおくべし) |
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由来 | 中国の史記『呂不韋伝』に記されている故事から |
意味 | 珍しい品物は買っておけば後に大きな利益をもたらす |
使い方 | 迷ったときの後押し |
類義語 | 好機逸すべからず |
英文訳 | Strike while the iron is hot. |
奇貨居くべしとは
「奇貨居くべし」は中国の史記『呂不韋伝』に記されている故事が由来となっています。
「由来」中国の史記『呂不韋伝』に記されている故事から
戦国時代の秦の話です。商人だった若き日の呂不韋が、子楚という人物と出会います。趙の人質となっていた子楚。呂不韋は子楚を助けることで、そのことを利用しようと考えました。
まずは子楚に金銭の援助をし、さらには秦の王族にも働きかけます。そのおかげで王となった子楚は呂不韋に信頼を置き、丞相(王の補佐役として従事する高い位の官僚のこと)に取り立てます。そうして呂不韋は秦国のナンバー2として、大いに権力を振るったということです。
このことより、機会を逃さず利用しなければならないという意味の「奇貨居くべし」ということわざが生まれたと言われています。
「奇貨」とは珍しい品物のこと。「居く」は、手元にとどめておくという意味。これは呂不韋が品物を調達しに出かけた際に子楚に遭遇し、哀れみの気持ちを込めて「掘り出し物を見つけた。とっておこう」言ったことに繋がります。珍奇なものは、たとえ直ぐに用はなくとも、他日を期して手元に置いておくのがよいとのことから「奇貨居くべし」ということわざが出来ました。故事では人を対象として語られていますが、現代の意味合いからすると「買っておけば値上がりするかもしれないから、今仕入れるべき」という、物の購入に悩んだときの後押しの言葉と言えます。
絶好の機会は、逃さずうまく利用しましょうということですね。
「意味」 好機は逃さず利用すべき
「奇貨居くべし」の意味は「珍しい商品を購入しておくと、後に価値が上がるかもしれないので、今のうちに仕入れておくべき」です。「奇貨」とは「珍しいもの」や「珍奇な品物」、また「居く」は「そばに置いておく」や「手元にとどめておく」という意味があります。転じて「良いチャンスは逃さず利用すべき」という意味で広く使われることわざです。
これは株や投資の極意にも通じるところがあります。「今がチャンス」と思ったら逃さず手に入れるというところが「奇貨居くべし」の軸となるところです。
「ことわざのイメージ」
「貨」だけではなく、あえて「奇妙」の「奇」が加わることで特別なものを指しているイメージが醸し出されています。由来の直訳で考えると、それらを「置いておく」ということに意味が含まれていますが、現在は「利用すべき」「無駄にするな」というように「今の動き」になぞらえています。
思い立ったが吉日ということですね。
「使い方」迷ったときの後押しとして使用
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]迷っていたビットコインを始めてみようと考えているのじゃけどな。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]奇貨居くべしという気になったということですね。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]時期を見極めるのが大切じゃな。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]奇貨居くべしというように、好機を逃さないためにはまず購入からですね。[/chat]
「奇貨居くべし」は絶好のチャンスを逃さないように、という時に使用します。また上記の例文のように迷った時の後押しとして使うことも多いでしょう。
ことに株などで投資をする時や、価値の判断が困難な美術品などを見つけた時、今後利益があがるのか迷うことは多々あるはずです。「奇貨」の購入が思わぬ利益へと膨らむこともあれば、なんの利益にも結び付かないことももちろん考えられます。とはいえ行動無しでは利益にはいたりません。
「奇貨居くべし」は、先の見えにくい株や投資に通じることわざとしても大いに活用できます。「好機」と「株・投資」は深く関係しているものですからね。
「例文」チャンスを無駄にするなという後押しとして使用
・「奇貨居くべし」という気になって、ついに不動産投資に踏み込んだ。
・「奇貨居くべし」だと、新たなチームを作るための行動を始めた。
・「奇貨居くべし」で、この骨董品はのちに価値が上がるはずだから購入しておこう。
・「奇貨居くべし」というように、大事な好機は逃してはいけない。時期を見極めよう。
上記の例文のように、「奇貨居くべし」は「得難いチャンスは無駄にすべきではない」という教訓で使用します。
また下の例文のように購入や行動に迷ったときの後押しとして使用するのも良いでしょう。
・今が転職のチャンスだと思う。まさに奇貨居くべしだよ。
・奇貨居くべしというように、今が土地を売るチャンスだよ。
このように迷っている人が目の前にいるとき、「奇貨居くべし」という言葉で気持ちの後押しが期待できそうですね
「時間の浪費は命の無駄遣い」といいますが、まさに迷っている時間がそれに値するのでは?自分が行動できるのは過去でも未来でもなく「今この瞬間だけ」です。「奇貨居くべし」のように今のチャンス逃さないようにしましょう。
「類義語」奇貨居くべし
「奇貨居くべし」に一番近い言葉として考えられるのは「好機逸すべからず」ではないでしょうか?
これはチャンスが訪れたときは逃さず行動をすべきということです。いくら才能があってもどんなに努力をしても、機会に恵まれなければ成功には結び付かないという意味があります。使い方としては以下の通りです。
・好機逸すべからずで、今を逃したらデビューのチャンスは二度とやってこないからオーディションを受けるべきだ。
・好機逸すべからずということを心に留めて、常にアンテナを張って行動しよう。
※「好機逃すべからず」ではないので注意しましょう。
「チャンスを逃すな」という意味のあることわざ
・機失うべからず・鉄は熱いうちに打て・思い立ったが吉日・善は急げ・時は得難くして失い易し・待てば甘露の日和ありなど
「チャンス」に関連する慣用句
・時を得る・蛟竜雲雨を得・宝の山に入りながら手を空しくして帰る・千載一遇など
「チャンス」を意味する熟語
機械・好機・勝機・商機など
対義語「奇貨居くべし」
「奇貨居くべし」の対義語として正式はものは見当たらないのですが、あえて言うなら「チャンスを逃す」や「時期を失する」ということになるでしょう。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]さて、この「チャンス」だが、そもそもチャンスを掴む人と逃す人の違いはどこにあるのだろう?
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チャンスを掴む人=成功者というイメージです。由来に出てくる呂不韋のように、「奇貨居くべし」と自身の出世を導く人は何をしてどんな思想でいるのでしょうか。もちろん一つのことだけではないと思いますが、「今」を大切にしている人はチャンスを掴む可能性が高いと言われます。それこそ「チャンスを逃さない」です。そして「チャンスは何度でもやってくる」ということも分かっている人です。「今」を逃しても「次のチャンス」に向けて進んでいくことが大切。
未来は「今」の積み重ねと思って、たった今を大切に育んでいきましょう。
「英文」Strike while the iron is hot.
「奇貨居くべし」を英語に訳すと、次のような表現になります。
Strike while the iron is hot.
「鉄は熱いうちに打て」
この言葉を耳にしたことがあるという方は多いのではないでしょうか。鉄は熱してやわらかいうちは色んな形に変えることができることからできた言葉です。転じて、柔軟な気持ちがある若いうちに心身を鍛えることが大切という意味に繋がります。また熱意があって盛り上がっているうちに実行することが大事という意味でも使用されます。
Make hay while the sun shines.
「ほし草は日が出ているうちに作れ」
絶好の機会は逃がさずに役に立てるべきという意味です。日が出ているときでないと干し草にはなりません。やるべきときに、やるべきことを、やれるだけやる、ということが重要だということを示した言葉です。
「奇貨居くべし」おすすめの本3つ紹介
もっと知りたい「奇貨居くべし」!おすすめ本の紹介。
・『奇貨居くべし/宮城谷 昌光』中央公論新社
「奇貨居くべし」の呂不韋の波乱の人生をもっと詳しく知りたいと思ったあなたにお勧めの本です。『春風編』『火雲編』『黄河編』『飛翔編』『天命編』の前五巻完結。泰の始皇帝の父といわれる呂不韋が商人からのぼりつめた末、宰相の地位を手にした生涯が描かれています。
呂不韋の人生から最強のチャンスを手にする術を手に入れましょう。
・『漫画 バビロン大富豪の教え「お金」と「幸せ」を生み出す五つの黄金法則』文響社
「奇貨居くべし」を株や投資で活用するなら、どのようなタイミングで好機をつかむのか学びたいもの。こちらは世界的ベストセラーの漫画版です。投資をするにあたっての基本的なお金の仕組みなどがまとまられています。
・『一番優しい!一番くわしい!はじめての投資信託入門』ダイヤモンド社
こちらはゼロから投資を学びたい人へのハウトゥー本です。図鑑やイラストを交えて初心者にも分かりやすく解説されています。選び方から買い方まで、疑問や不安を徹底的に網羅しているところが魅力です。
「奇貨居くべし」をベースに、株や投資で資産を膨らましたいあなた。今一歩踏み込んで本の世界から呂不韋の思考を学んだり、投資本でさらに詳しく取り入れてみましょう。
「奇貨居くべし」まとめ
「奇貨居くべし」とは、一見価値がないように見えても、珍しいものは買っておけば後に大きな利益となるという意味です。得ることが難しいチャンスは逃さず利用しなければならないという意味も合わせ持っています。
「奇貨」とは珍しい品物のこと。買っておけば後から値上がりするかもしれないから、このチャンスを逃すべきではないという解釈です。
これは未来につながる言葉ですが、その「未来」は「今」の積み重ねで形成されます。「たった今」も過去の「今」が積み重なって訪れた「今」です。
チャンスはいくらでもやってきますが、「今」は二度とやってきません。このことわざより「今を大切に生きる」ことも学んでいただけたのであれば嬉しく思います。
こうして今、学んでいることも「奇貨居くべし」かもしれませんね。この好機を逃さず未来に活用していってください。
「奇貨」は「珍しいもの」や「珍奇な品物」という意味。
「居く」は「そばに置いておく」や「手元にとどめておく」という意味。
転じて「良いチャンスは逃さず利用すべき」という意味で使われることわざです。
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