とても仲が悪くて、見ているこっちがハラハラしてしまうような関係で使われることわざ「犬猿の仲」を、あなたも1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
人には「性格が合う人」「合わない人」がいますよね。
仲良くしたいと思う人も居れば、絶対にかかわりたくないと思うほど、苦手な人もいることでしょう。
今回のことわざは「仲が悪い」を通り越して「顔を合わせるだけで、取っ組み合いのケンカが始まってしまうくらいいがみ合っている」という意味を持つ「犬猿の仲」について、意味や由来、使い方や例文まで詳しく解説していきます。読み終わるころには、このことわざのマスターになっている事でしょう!
読み | 犬猿の仲(けんえんのなか) |
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意味 | 互いの仲が非常に悪いこと |
使い方 | 周りを巻き込むほど空気が悪くなる間柄 |
類義語 | 水と油/犬と猫/不協和音 |
英文訳 | Very bad relationship with each othe(お互い非常に仲が悪い) |
犬猿の仲
[box03 title=”犬猿の仲 由来”]犬猿の仲のなかの由来は諸説あります。あなたも、いくつか聞いたことがあるかもしれません。
・干支の順位で競走した 今は当たり前に使っている十二支ですが、昔、この十二支を巡って、動物たちが競い合ったことがあります。「神様の元に早く辿り着いたもの」から干支の順番が決まったのです。その競争の際に、犬と猿が大喧嘩し、それを仲裁したのが「酉」だった為、干支の順番が「猿」→「酉」→「犬」になっているという説があります。
・猟に出たときのお話 昔、猟師が自分が飼っていた犬と猿を引き連れて、狩りへと出かけました。その時、クマに遭遇したのです。犬は勇敢に立ち向かいましたが、猿はというと、大慌てで逃げ出したと言います。これによって、大の仲良しだった両者に、亀裂が入ったという説があるのです。
・西遊記のお話 西遊記ってご存知ですか?主人公は孫悟空!猿です。このお話で「天界」についた孫悟空が大暴れした後に、泥棒まで働くというシーンがあります。その際に、神様と一緒に居た犬が、孫悟空に噛み付き、取り押さえることができました。これによって、「犬と猿は宿敵である」と言われるようになりました。[/box03]
「意味」互いの仲が非常に悪いこと
犬猿の仲とは「非常に仲が悪いこと」「関係が険悪であること」という意味です。片方だけが苦手意識を持っていると言うことでなく、両者が顔を合わせるのも苦痛なほど、いがみ合っている状態で使われることわざです。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]2人の関係性が険悪過ぎて、周囲の人の空気も変わってしまうほど、打つ手がないときに使われるんじゃ![/chat]
・ことわざのイメージ
一緒に居る人たちも巻き込むほどの、大ゲンカは始まるような空気感がある。
元々性格が合わずに、仲が良くなかったが、何かキッカケがあり、さらに関係が悪化し、手の付けられなくなった状態。
「使い方」周囲の人まで巻き込む仲の悪さ
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]ただいま…[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]お帰りなさい。随分早かったですね。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]町内会の役員なんじゃが、今日も決まらんかったわ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]あらあら。まさか今日も、お隣さんとお向かいさんのケンカが始まったんですか?[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]そうなんじゃ。席に着くなり、取っ組み合いのケンカが始まってしまったわ。ワシが止めに入ったんじゃ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]あの2人は昔から犬猿の仲ですからね。これじゃあ、いつまでも役員は決まりませんね。[/chat]
このように、2人の関係が、あまりにも手が付けられない状態のため、周りの人にまで迷惑をかけてしまうような場合に多く使われます。
「例文」周りの人が気を遣うほどいがみ合っているとき
それでは、「犬猿の仲」の使い方で、間違った使い方と正しい使い方の例を見ていきましょう。
あの2人、またケンカしてる!どうせ明日には仲直りするのに…やっぱり犬猿の仲なのね。
このように、普段から「仲直りとケンカ」をくり返しているような間柄では使われません。犬猿の仲とは、周囲の人も、その2人が一緒に居るだけで緊張感が走り、お互いが、簡単にわかり合ったり仲良くなったりすることはないのです。
彼とはやっぱり犬猿の仲なのかなぁ…僕は仲良くしたいのに!
こちらは、「一方の人は仲良くしたいと思っている」ため、犬猿の仲は使えません。両者が互いにいがみ合っている場合のみ使うことができます。
あの2人は昔から犬猿の仲だから、同じグループにするのはやめておこう。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]このように、前から険悪ムードだった2人なので、周りの人まで気を遣っている状態で使われるんじゃ。[/chat]
「類義語」犬猿の仲3つ紹介
ここからは、犬猿の仲と同じような状況で使われる類義語を3つ紹介しますね。
水と油
異なるもの同士の相性が合わずに、反発しあったり、関係性が悪い様子。
親友同士だった2人は、あのケンカを境に水と油の関係になってしまった。
犬と猫
非常に仲が悪いことのたとえ。顔を合わせるとケンカばかりする様子。
あの親子は、本当に犬と猫の間柄だ。毎日ケンカばかりしている。
不協和音
双方の関係に不和が生じている様子。和音が協和しないこと。
あのカップルは、あれほど仲良しで有名だったのに、彼の行動が原因で、2人の間に不協和音が走ってるそうだよ。
[chat face=”tameninaruzo2.jpg” name=”ためになるZO” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]沖縄県の観光で有名な「ハブとマングース」も、犬猿の仲と同じ意味合いの言葉だZO![/chat]
「対義語」犬猿の仲2つ紹介
それでは、犬猿の仲と反対の意味を持つ対義語を紹介していきます。
水魚の交わり
切っても切れない親しい関係の事や、離れられない親密な関係を表す言葉。
ご近所のおしどり夫婦は、まさに水魚の交わりと言える関係で憧れる。
管鮑の交わり
非常に仲が良く、お互いを良く理解し合っている様子。
子供の頃から30年来の友人とは、まさに管鮑の交わりの仲である。
「英文訳」犬猿の仲2つ紹介
Very bad relationship with each other お互い非常に仲が悪い
They live a cat-and-dog life 2人は犬猿の仲である
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]Those two fight like cats and gogsで「あの2人は犬と猫のように喧嘩する」となるぞ。[/chat]
まとめ
いかがだったでしょうか?
「犬猿の仲」マスターになれましたか?
それでは最後に、ポイントをおさらいしましょう。
・お互いがいがみ合っていて、周りの人たちの空気感まで変わってしまうときに使われることわざ。
・片一方だけが苦手意識を持っている場合は使われない。
日々の生活で、あなたにも苦手な人や、どうしても性格の合わない人がいるでしょう。どんなに歩み寄る努力をしても、なかなか距離を埋めるのは難しいですよね。しかし、周りの人にまで迷惑をかけるような関係では、困りものです。そこは、グッと我慢をして大人の対応が出来る様、心掛けたいですね!
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