「岐路亡羊(きろぼうよう)」の意味とは?使い方や類義語を分かりやすく解説!

1匹の羊
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岐路亡羊きろぼうようという言葉の意味をご存じですか?

実は筆者も知らなかった言葉です。意味どころか、恥ずかしながら耳にしたこともありませんでした。

この言葉は日常会話として頻繁に用いられることはありません。だから「知らなくていい」ではなく、だからこそ「知るべき」言葉です。この意味を知ることで、自身の進むべき未来に、何らかの光をもたらすことができれば嬉しく思います。

さあ!そんな「岐路亡羊」には一体どんな意味があるのでしょうか?

本記事では、「岐路亡羊」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。

今日得た知識を実生活に活かして、「自身の学び」にしましょう!

 

読み方 岐路亡羊(きろぼうよう)
意味 進路や方針の選択肢が多すぎて何を選ぶべきか分からなくなること
使い方 選択肢が多くて思案に暮れたり、決定を迷ったりする場合に使用
英文訳 In too much dispute truth is lost
類義語 多岐亡羊(たきぼうよう)

 

目次

岐路亡羊きろぼうようとは

羊のアップ

岐路亡羊きろぼうようとは選択の幅が細分化しすぎてどれを選ぶべきか迷うこと、加えて末節にこだわりすぎると本筋を見失ってしまうということです。

選択肢が多いのは良いことですが、多いがゆえに本来なかった迷いが生じてくるもの。また、末節にこだわることも大切ですが、これも同様に度が過ぎると本来の真理を見失ってしまいます。道を突き進む上での本質をついたことわざといえるのではないでしょうか、

岐路亡羊きろぼうようの意味とその由来

「岐路」は、分かれ道。「亡羊」は、逃げた羊を見失うこと。

つまり、逃げた羊をつかまえようと試みたけれど、道が多くて見失ったという意味につながります。転じて、真実を求めようとしても、学問の道が多様すぎて簡単にはたどりつけないということです。

この「岐路亡羊」は、中国戦国時代の故事に由来する言葉と言われています。。

羊が逃げ出し、それを追っていた大勢の人が様々な分岐点にぶつかり、結局取り逃がしてしまいました。

それを見ていた思想家の楊朱ようしゅは、「学問もそれと同様。真実を求めようとしても道が分岐しすぎているため、真理に辿り着くことは困難」と悲しんだという故事に基づいています。

「意味」進路や方針が多すぎて何を選ぶべきかわからなくなること

岐路きろ分かれ道や物事の本質ではないことを意味し、大きな分かれ道を表しています。

一方亡羊ぼうよう逃げた羊を見失うことです。逃げた羊とストレートに表すこともあれば、戸惑いや迷いという含みを持たせて表すことも。

この二つの熟語が合わさることで「いくつもの枝道があり、そのことにより逃げた羊を見失う」という意味合いになります。

転じて学問の本質や今後の方針を見失うということにつながるのです。

進路や方針の選択肢が広すぎると、何を選択するべきか分からず迷いが生じます。

そんな見失いや迷いをことわざとして表したのが岐路亡羊きろぼうようです。

「ことわざのイメージ」

「岐路亡羊」の漢字を1つ1つ分析してみましょう。

「岐」は「枝道」や「分かれる」という意味があります。

「路」は人や車が行き来する道。その他、物事のすじみちや道理を表しています。

「亡」はなくなること。

この3つの漢字より、由来にもある「逃げ出した一頭の羊」をイメージできるのではないでしょうか?ただ言葉を覚えるのではなく、イメージを映像に落としてみると覚えやすいのでは?

 

「使い方」選択肢が多くて思案に暮れたり、決定を迷ったりする場合に使用

 

[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]昨日テレビで見たのじゃが、健康を意識して、今日から朝ごはんに納豆を食べようと思う。[/chat]

[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]あら?先週のテレビでは夜に納豆がいいと言っていましたよ。[/chat]

[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]いや、実はヨーグルトも良いと聞いて迷っているのじゃ。[/chat]

[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]メディアの情報が多すぎると「岐路亡羊」に陥って困ってしまいますね。[/chat]

 

なるぞうさんとなるこさんの会話のように、情報が多すぎて何を信じていいか分からなくなるという意味合いで使っています。

これを参考に下にいくつか例文をまとめてみました。

「例文」迷いや見失いが生じたとき

 

1.受験の時期がやってくるというのに、未だどの大学を受けようか決めかねていて、迷えば迷うほど多岐亡羊に陥ってしまう。

 

2.はじめての海外旅行だが、行きたい国が多すぎてプランが定まらず多岐亡羊となりそうだ。

 

3.久しぶりの同窓会でみんなに楽しんでもらいたいと場所を決めかねている。考えれば考えるほど多岐亡羊となって決められない。

学問に用いることわざとして成り立ったものですが、上記の例文のように学問以外のシーンにおいても使用します。

選択肢が多くて思案に暮れたり、決定を迷ったりする場合に用いることわざです。

岐路亡羊きろぼうようのビジネスシーンでの使い方

戦国時代の中国にできたことわざですが、その時代と比べて先進的になった分、様々な分野が細分化している現代。そのためビジネスシーンでの使用も豊富な四字熟語といえます。

事業の多角化を進め過ぎた会社の比喩として、また新しくスキルを身に着けようとしているスタッフを戒める意味でも使うことができるでしょう。以下ビジネスシーンでの例文です。

・うちはイベント関連の会社なんだけど、来期から飲食事業や流通事業などをスタートするらしい。一体何をしたいのか、それらをどう利益に結びつけていくのか「岐路亡羊」でさっぱり分からない。

・新入社員が新しい企画を立てているのだが、やりたいことが多すぎて目的がずれてしまっている。「岐路亡羊」という言葉があるが、このままでは企画倒れになるのではないだろうか。

・資格を取るのは良いことだ。しかし目標に繋がるものにしないと、資格取得が目標になってしまうぞ。「岐路亡羊」、本来の目的を見失わないよう優先順位をつけるべきでは?

「岐路亡羊」は非常に汎用性が強い四字熟語ながら、極めて馴染みが薄いものでもあります。人を諭す場合には、前後の言葉で意味が伝わるようにフォローしておく必要があるでしょう。

 

「類義語」多岐亡羊たきぼうよう 他数例

 

羊の群れと雄大な景色

 

多岐亡羊たきぼうよう

方針や進路が多すぎてどう進むべきか分からなくなることを表す四字熟語です。転じて、学問の道が細かく分かれすぎていて根本を捉えにくいことを表します。

「多岐」は分かれ道が多いという意味。「亡羊」は羊に逃げ切られるという意味。「岐路亡羊」とほぼ同じ意味の言葉として用いられます。

多くして羊をうしなう」とも読むので覚えておきましょう。

亡羊之嘆ぼうようのたん

選択肢が多すぎるため真理を見失うことのたとえです。道が沢山分かれていたため、逃げた羊を見失ってしまったことを嘆いた様子が語源。

「多岐亡羊」同じく進路を考え過ぎてしまい、その結果進むべき道が分からなくなってしまう状態が描かれています。

思案しあんれる

良い考えがなかなか思いつかず、どうしようとずっと考え込むことです。迷って考えがまとまらないという意味で「岐路亡羊」と同じことを示しています。

 

「対義語」即決即断そっけつそくだん

岐路亡羊きろぼうようの直接の対義語としては見つかりませんでした。

しかし、「岐路亡羊」を「なかなか答えがだせないこと」=「迷い」や「優柔不断」と捉えて対義語を探してみると「即決即断」につながりました。

即決即断は、その場で直ぐに物事を判断し、決断することを表します。

「即決」も「即断」も、共に物事の判断をすぐに行うことです。

「即決」と「即断」の違い

似たような言葉ですが、この二つに違いはあるのでしょうか?

「即決」はすぐに決定すること。迷う必要がないときに使用します。

一方「即断」はすぐに決断すること。決断なので、決定よりも重要なケースの場合に使用します。

意味自体は似ているのですが、「即決」は日常の判断で使うのに対して、「即断」は重要な判断を行うときに使うものです。

例えば洋服に迷ったときなどは「即決」、進路に迷ったときなどは「即断」というイメージ。

ちなみに「即決即断」「即断即決」と、両方の言い方があるので覚えておくとよいかも。

 

 

「英文」In too much dispute truth is lost.

・In too much dispute truth is lost.「論じすぎると真理が見失われる」

 ・Truth is as hard to find as a sheep lost in a vast plain. 

こちらの英文は「真実とは、広大な平原で見失った羊を見つけるのと同じくらい困難だ」

と直訳されます。比較の文系 as  as を使って表現したものです。

まとめ

岐路亡羊きろぼうようとは、進路や選択肢が枝分かれしてしまって真理を見失うことを表した四字熟語です。

羊が逃げ出したので大勢の人で追いかけた結果、分かれ道が多すぎて逃げられてしまったという話が語源。転じて、学問も同じように、道が分かれすぎていて根本への理解ができなくなっているという意味で使用されます。

さてこの記事では「岐路亡羊」について学びを進めてきました。

沢山の選択肢があると迷いが生じるのは当然のこと。でも、目の前に一本の道しかなく前にしか進めないより幸せなことと思いませんか?

沢山の選択肢があるというのは、沢山の可能性があるということです。その沢山の可能性の中から一番自分の価値観に合った、「楽しい」と思える道を選べると良いですね。

最後まで読んでくださった貴方の明日が笑顔でありますように。

・逃げ出した一頭の羊を嘆いたことが語源

・道が多過ぎて選択に戸惑うこと、真理から遠ざかること

 

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