皆さんは「後生畏るべし」ということわざを知っていますか?
自分より若い人はあらゆる可能性を秘めている、などの意味があります。
2021年に開催された東京オリンピックでも、メダリストの多くが若い世代にあったのを感じられた方もいるかと思います。未来ある子どもたちも、この先どんな活躍を見せてくれるのか楽しみですよね!
本記事では、「後生畏るべし」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。聞き慣れない方も多いかと思いますので、この記事をしっかり読んで知識を深めましょう!
読み方 | 後生畏るべし(こうせいおそるべし) |
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意味 | 若いものは将来、どこまで伸びていくか分からないほどの可能性に満ちている |
使い方 | 若いから仕事が出来ないと見くびってはいけないよ、後生畏るべしだからね |
英文訳 |
Be scared of posterity
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『後生畏るべし』とは
「由来」『論語』ー子罕
「後生畏るべし」の由来は、『論語』ー子罕に出てくる孔子の言葉にあります。
「論語―子罕」に見える孔子のことばから。「後生畏るべし(後から生まれて来るものには、畏敬の念を払うべきだ)」に続いて、「将来、現在の私たちよりも優れた者にならないと、どうしてわかろうか」とその理由を述べています。
引用元:コトバンク
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]”後生”とは”後に誕生した人・後進のこと”、”畏る”とは”尊敬する”という意味があるんじゃ。[/chat]
「意味」 若いものは将来、可能性に満ちている
「後生畏るべし」とは
①自分より若い者は、さまざまな可能性を秘めている。
②努力によって将来どのような人物になるのか分からないのだから、若いからといって見くびってはいけない。
という意味があります。
「後生畏るべしのイメージ」
若者や子どもなど、これから無限に伸びていく可能性がある人に向けた励ましの言葉、また自分より若いからといって侮れないだけではなく、恐れなければいけないという戒めの言葉ですね。
[box06 title=”あわせて読みたい”]同じ読みで、漢字も意味も違う『校正畏るべし』という言葉があります。
『校正畏るべし』とは
どれだけ念入りに文章を校正しても、必ず誤植(印刷物で文字が誤っていること)は見つかるものだという意味の格言。
「後生畏るべし」をもじった言葉とも言われています。
[/box06]
「使い方」サッカーで活躍する小学生の話をするとき
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]近所のグラウンドでいつもサッカーの練習をしている小学生のチームがいるんじゃが、今日散歩をしていたら、その中の一人がテレビ局の取材を受けていたよ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]何かあったんですかねぇ?[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]近くにいた親御さんに聞いてみたら、なんと既にJリーグから注目されている選手らしいんじゃよ。実際のプレーもチラリと覗いてみたんじゃが、動きは素早いし命中力もとても良くて、あれは将来が楽しみな選手だと実感したよ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]まだ小学生なのに…!いや、でも今時の子は小学生でも才能溢れた子はたくさんいますものねぇ。後生畏るべしですね。[/chat]
この例文のように、”この先の努力次第で将来もっと伸びていく可能性があるのだから、子どもだからといって見くびってはいけない”という意味合いで使っています。
『後世畏るべし』と表記するのは間違いです!
また、”今時の若者は恐ろしい・思いやられる”という意味で使うことも誤りですので注意しましょう。
これを基に下にしたいくつか例文を載せてあります。
「例文」後生畏るべし4つ紹介
それでは「後生畏るべし」の例文を、先ほどの注意点を含めながら4つご紹介します。
今日電車に乗っていたら、とてもマナーが悪い若者がいたんだ。まったく、後生畏るべしだな。
マナーがなってない若者のことを、この先思いやられるという意味で使っていますので、これは間違いになります。
・この春入社した新入社員は、全ての取り組みに一生懸命で、なんでもこなせるんだ。後生畏るべしだね。
・いくら経験を積んでいても、後生畏るべしだから油断してはいけないよ。
・後生畏るべしというくらいだから、若者は仕事が出来ないだろうと侮っていると、すぐに追い越されるよ。
若い人はこの先さまざまな可能性がある、若いからと見くびってはいけないという意味で使うのが正しい使い方になります。
「畏れる」の漢字について
ここで「畏れる」という言葉の他の読み方や使い方をご紹介します。
畏れる(おそれる)
この記事でもご紹介したこの読み方。おそれる・敬服するといった意味があります。
畏い(かしこい)
かしこい・おそれおおい・おそれ敬うという意味です。
畏まる(かしこまる)
かしこまる・つつしむという意味です。
では、”畏れる”と”恐れる”の漢字の違いはなんでしょうか?
『畏れる』:圧倒的な存在に対して尊敬した態度になる。
『恐れる』:危ない状況から逃げたいと思う・不安感を抱く。
同じ読みですが、こうして見ると意味が全然違いますね!
「英文」Be scared of posterity
「後生畏るべし」を英文にすると、”Be scared of posterity”となります。
”scared”:おびえた・ビクビクして
”posterity”:後世の人々・子孫
直訳してみると、”後生を恐れる”となります。
また、”Don’t be discouraged because you are young”で「若いからと見くびってはいけない」となります。
まとめ
「後生畏るべし」とは
・”若い人は将来可能性に満ち溢れている、自分より若者だからといって侮れない”という意味。
・”若者は恐ろしい・思いやられる”の意味で使うのは間違いなので注意が必要。
多くの可能性を秘めているであろう若者や子どもたち。どんな将来の姿が待っているか、これからの努力次第でいくらでも変えられると思います。
お互いを高め合い、尊重し合い、色々なことに挑戦してもらいたいものですね。
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