「しのぎを削る」という慣用句を知っていますか?
ご存知の方も多いかと思いますが、”激しく争う”などの意味があります。
身近な例で言えば、甲子園・オリンピックなどのスポーツの場や、選挙の時など…
「しのぎを削る」場面はたくさんあるんです!
さて、では「しのぎ」とは一体なんのことなのでしょうか?この言葉単体での意味は知らない方も多いのではないでしょうか?
本記事では、「しのぎを削る」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。しっかりと理解して、ぜひ知識を深めてくださいね!
読み方 | しのぎを削る(しのぎをけずる) |
---|---|
意味 | 激しく争うこと |
使い方 | しのぎを削る戦いを制したのは、地元の高校だった |
英文訳 | Engage in fierce competition.(激しい競争に参加する) |
類義語 | 火花を散らす/つばぜり合い |
『しのぎを削る』とは
「しのぎを削る」の”しのぎ”は”鎬”と表記し、刀の刃と背の間で小高くなっている部分のことを言います。
『由来』
鎬が削り落ちるほど、何度も激しく刀でぶつけ合って競り合う様子を表したものとされています。
現在では、刀を使わない争いでも「しのぎを削る」という言葉が使われるようになりました。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]”鎬”を”凌ぎ”と表記するのは間違いじゃぞ![/chat]
「意味」激しく争うこと
「しのぎを削る」とは”激しく争うこと”という意味です。
お互いに心血を注ぎ、なかなか勝負が決まらないような熱戦を表した言葉になります。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]個人の戦いのみならず、チーム・企業などの集団での熱戦の際にも使用されているんじゃ。[/chat]
「使い方」ボクシング中継を見ている時
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]お、楽しみにしていたボクシングのタイトル防衛戦があってるぞ![/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]とても注目されているらしいですねぇ。二人とも同じくらい強い選手だから、どちらが勝つか本当に分からないんだとか。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]そうなんじゃよ。これはまさにしのぎを削る戦いじゃのぅ。見てるこっちがハラハラするよ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]こ、これはとても激しい試合ですね。私は見るのをやめておこうかしら…。[/chat]
このように、周りの見ている人も思わず息を飲むような激しい争いの場合にも多く使われます。
「しのぎを削る」を使う際の注意点が2つあります!
①「凌ぎを削る」と表記するのは間違いです。
”凌ぎ”とは主に、”苦しいことをなんとか我慢して切り抜けること”という意味があります。
この慣用句は、先ほど説明した通り”鎬”という刀の刃の部分が由来となっているため、この漢字を使うのは誤りとなります。
②能力に差があり、勝負がすぐに決まってしまうような場合には使いません!
これも由来に基づいて考えてみると、刀の鎬が削れるほど激しくぶつけ合って競り合う様子を表した言葉でしたね。片方の者が圧倒的に強い場合には、鎬が削れる前に勝負がついてしまうのが想像出来るかと思います。
ちなみに、子ども同士が喧嘩している場合などに使うのもあまりふさわしくありません。
「しのぎを削る」とは、能力・レベルが同じくらいの、実力が近い相手との争いの際に使うのが相応と言えるのです。
これらの注意点もふまえ、例文をいくつか下に載せています。
「例文」しのぎを削る 誤用例・正用例
「しのぎを削る」を使った例文を、誤用例を含め4つご紹介します。
全国トップレベルのチームと、最近出来た地元のチームが試合をしているよ!凌ぎを削る戦いを見せてくれるかな。
明らかに強さの違う者同士の争いに使うのは間違いです。さらに、”しのぎ”の漢字も誤っていますね。
・甲子園の決勝戦は点を取り合うシーソーゲームだったが、しのぎを削る戦いを制したのはA高校だった。
・今度の選挙は、しのぎを削る両候補が揃ったな。
・最近このあたりに似たようなカフェがいくつか出来たけど、どこに行ってもお客さんがいっぱいいるよ。お互いしのぎを削っているね。
このように、同レベルであれば、ビジネス・政治・スポーツ・戦争など幅広く使うことが出来ます。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]その激闘に対する労いや良い評価を意味したり、あるいはその激闘に挑む際の覚悟や強い決意などが背景にある、ポジティブな言葉じゃな。[/chat]
「類義語」しのぎを削る 2つ紹介
「しのぎを削る」の類義語を2つご紹介します。
火花を散らす
刀と刀で戦う際に火花が出るように、互いに激しく刀で打ち合う。激しく争うの意味。
例文:主導権をめぐり、二人は火花を散らしていた。
つばぜり合い
日本刀などで、互いに打ち合った刀を受け止めたまま押しのけようとすること。 また、勢力に差がほとんどなく、緊迫した状況で戦うこと。接戦や死闘を意味する言葉として使われます。
例文:お互いの勢いがほぼ変わらず、つばぜり合いのようにその場で押し合う形となっていた。
「しのぎ」他の意味
「しのぎ」という言葉は、ここでの”鎬”の他にもさまざまな意味があります。
経済活動としての「しのぎ」
主にヤクザの世界で使われているようです。この場合での”シノギ”とは、暴力団・ヤクザたちの収入やそれを得るための手段のことを言います。よくヤクザものの映画や、漫画のセリフなんかで耳にしますね。
我慢して切り抜ける「しのぎ」
これは先ほどの注意点で説明した「凌ぎ」になります。
ちなみに、この漢字で表記する”御凌ぎ”という言葉を聞いたことはありませんか?これは、定まっている食事の時間以外に出される軽食のことを意味しています。空腹を”凌ぐ”という意味から出来た言葉だそうです。
囲碁の「しのぎ」
攻められている石を、損をしないように、また周囲の味方の石に触らないように治まること。
または、取られてはいけない石が攻められたときに、眼形を得るか脱出できるようあれこれ手段を尽くすこと。引用元:日本囲碁連盟
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]同じ「しのぎ」ですが、こんなに色々な意味をもつ言葉だったんですねぇ。[/chat]
「英文」しのぎを削る
「しのぎを削る」を英語で表すと、”Engage in fierce competition.”となります。
これは直訳すると、”激しい競争に参加する”という意味です。
”engage”:(〜に)従事する・携わる・交戦する
”fierce“ :激しい・すさまじい
”competition“:競争
まとめ
いかがでしたか?「しのぎを削る」理解出来たでしょうか?
『しのぎを削る』とは
・激しく争うこと。
・能力に差がある相手との争いには使わない。
・ビジネス・スポーツ・政治・戦争など幅広く使用することが出来る。
元々は、刀を使った戦いから生まれたこの言葉。今では、企業同志の争いやスポーツの競争など激しい争いをしている場面は数多く存在しますね。
ぜひ、「しのぎを削る戦い」を目にしたら、そのような激しい死闘を制するのはどちらか、最後まで見届けたいものですね!
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