「白羽の矢が立つ」ということわざ知っていますか?
恐らく聞いた事があるとは思います。
「白羽の矢が立つ」という言葉を聞いたら、沢山の人から選ばれた凄い人なのかなという気持ちになるかもしれませんが、実は語源に怖い部分があるのです。今回は語源やそれに加えて例文や英語訳も解説していきます。
それでは、「白羽の矢が立つ」の語源からて見ていきましょう!
読み方 | 白羽の矢が立つ(しらはのやがたつ) |
---|---|
意味 | ①多くの人々の中から犠牲者として選ばられる
②選出されて名誉を担うという意味で多く使われる |
使い方 | 多くの人から一人代表として選ばれた時 |
英文訳(英語表現) | be singled out(選ばれる)など |
類義語 | 厳選する、選び抜くなど |
白羽の矢が立つ
石田博編『故事成語ことわざ辞典』(雄山閣出版、一九七五)を見ると、具体的な由来はなく、この様に書かれていました。
【由来】
人身御供を求める神が、これと定めた少女の家の屋根に、人知れず白羽の矢を立てるという伝説による
石田博編『故事成語ことわざ辞典』(雄山閣出版、一九七五)(p263より引用)
[chat face=”tameninaruzo2.jpg” name=”ためになるZO” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]【人身御供とは】
何やら聞きなれない言葉だね。人身御供とは何かな?それは、生け贄のことだよ。
ちょっと怖い語源だね。[/chat]
「白羽の矢が当たる」は誤用になってしまうので、気を付けましょう!
「意味」選ばれた者
「白羽の矢が立つ」にはどの様な意味があるのでしょうか?
石田博編『故事成語ことわざ辞典』(雄山閣出版、一九七五)によると
①多くの人の中から特にある人物を選び出す。
②犠牲者と決まる
石田博編『故事成語ことわざ辞典』(雄山閣出版、一九七五)(p263)
神様が生け贄を選んだことがこのことわざの語源になっているので、「犠牲者が決まる」という意味の方が最初は強かったのかなと思います。その生け贄も多くの人から選ばれていることから①の意味で使われるようになったのではと思います。
現在では①の意味で使われていますね。②の意味で使う状況があるとすれば怖いですね。
「ことわざのイメージ」
たった一本の貴重な矢が自分のもとに来るイメージです。
「使い方」大勢からの選出
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]この時計を治すのは難しいかな。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]その古い時計はなに?[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]これは、百年以上前の時計でしかも現代に部品が残っていないんだよ。だから、部品も作れる時計修理師である私に白羽の矢が立ってわけだよ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]これだけ古い時計なのだから、持ち主も大切にしていたでしょうね。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]だからこそ、大変な作業も頑張らないとね。[/chat]
この様な例文が書けると思います。例文も下に書いたので、使い方を詳しく確認していきましょう!
「例文」選りすぐりの人物
それでは、「白羽の矢が立つ」の例文を確認していきましょう!
彼は、ステージできれいな声を響かせていたので、白羽の矢が立っていたなぁ。
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”left” border=”green” bg=”none” style=””]「白羽の矢が立つ」は目立つという意味で使わないよね。選ばれるという意味で使うから、この例での使い方は間違っているよ。
[/chat]
それでは、良い例文を見ていきましょう!
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”left” border=”green” bg=”none” style=””]この例文は、沢山の人の中から選ばれたという意味で使われているね[/chat]
【文豪から学ぶ「白羽の矢が立つ」】
・・・汝に白羽の矢が立ったで、否応はないわ。六ヶ村の水切れじゃ。米ならば五万石、八千人のために、雨乞の犠牲になりましょう!・・・
泉鏡花『夜叉ヶ池』より引用
[chat face=”tameninaruzo2.jpg” name=”ためになるZO” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]この泉鏡花の文章では、犠牲になるという意味で使われているね[/chat]
「類義語」白羽の矢が立つ二選
それでは、類義語を見てみましょう!
厳選する
この言葉はよく聞きますよね。「厳選された○○を使用」などと言いますよね。例文を見てみましょう。
この海鮮丼は厳選された魚を使っているから、物凄くおいしい。
選び抜く
こちらの言葉もよく聞きますよね。「選びぬかれた○○」とか言いますよね。この言葉も同様に例文をつくったので確認しましょう。
選び抜かれた素材を使うとやはり、他と違おう物が出来るな。
この様に「選ばれる」という意味の類義語なので、「白羽の矢が立つ」が出てきたら、「選ばれるという意味なんだな」と思っていればいいと思います。
英語表現「 be singled out」(選ばれる)
「白羽の矢が立つ」(選ばられるを主な意味とした時に)の英語表現は様々ありますが、代表として「 be singled out」を解説してみます。
be
この「be」ですが、いわゆるbe動詞の原型です。つまり、「be動詞を使って表すよ、その形は時と場合によって形を変えてね」という意味です。
singled
前に「be」がありましたよね。これに「~ed」付きの動詞がありますね。そう考えるとこれは「受動態」になりそうですね。受動態というのは、「~される」という意味になる形の事です。「single」は「選ぶ」という意味の動詞なので、「選ばれる」という意味になります。
out
小西友七、南出康世(編)『ジーニアス英和辞典(第四版)』(二〇〇六、大修館書店)によれば、
分けて、出してという意味の副詞です。「single」などとくっついて使われます。
まとめ
「白羽の矢が立つ」どうだったのでしょうか?
このことわざに関してのポイントを確認していきましょう
- 「選ぶ」という意味
- 「白羽の矢が当たる」は誤用
この様になりますね。「君に白羽の矢が立ったんだよ」といわれたら基本的にはいい意味なので、うれしい気持ちになると思います。
しかしながら、生け贄として選ばれるという意味もありますので、その時には・・・
この意味ではほとんど使われないので、安心してほめ言葉であると受け入れましょう。気になる方は、文脈も思い浮かべながら内容を聞くといいですね。
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