「健全なる精神は健全なる身体に宿る」ということわざを知っていますか?
聞いたことがあったり、意味をご存じの方も多いのではないでしょうか。
「健やかなる心を持つには、身体が健康でなければ!」と、皆さん解釈していると思います。
現代では、そのような意味として使われていますが、本来の意味は違ったものだったのです。
どのような意味だったのでしょうか?
本記事では、「健全なる精神は健全なる身体に宿る」という言葉の意味や使い方などを、わかりやすく解説していきます。
しっかり理解して、知識の幅を広げていきましょう!
読み方 | 健全なる精神は健全なる身体に宿る(けんぜんなるせいしんはけんぜんなるしんたいにやどる) |
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意味 | 身体が健康であれば、精神も健康である |
使い方 | 何事も身体がもとである |
英文訳 | A sound mind in a sound body.(健全なる精神は健全なる身体に宿る) |
健全なる精神は健全なる身体に宿るとは
「由来」古代ローマの風刺詩集
「健全なる精神は健全なる身体に宿る」という言葉は、古代ローマの詩人・ユウェナリスの風刺詩集の一節「You ought to pray for a healthy mind in healthy body.」に由来します。
専門家によると、「人間がよく神様にお願いするもの(富・長寿・美貌)が分不相応であり、その不毛さを嘆く」というのが詩の内容だとされています。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]願うのなら、心身ともに健康であることを願うくらいにしておけということなんじゃ[/chat]
人間は間違ったことばかりを神様にお願いしている。
例えば金持ちになること、例えば長生き、例えば美貌。
しかし、これらはなかなか手に入りにくいだけでなく、手に入ったところで決して持ち主を幸福にはしない。
金持ちになっても泥棒の心配が増えるだけ。長生きしても、もうろくした人生にいいことはない。美人になっても不倫に陥って苦しむだけだ。
「心身ともに健康であること」。願うならこの程度にしておきなさい。
これなら誰でも自分の力で達成できるし、それが手に入ったことによって不幸になることもない。しかし、決してそれ以上の大きな願いを抱いてはいけない。
出典 花房友一訳『第10歌 願い事はほどほどに』※「世界の古典つまみ食い」掲載
「意味」身体が健康であれば、精神も健康である
「健全なる精神は健全なる身体に宿る」とは、体が健康であれば、精神も健康である、ということです。
この言葉の本来の意味は、「神に願うなら、つつましく心身ともに健康であることを願うだけで満足すべきである」というものでした。
どうして本来の意味と違ってきたのでしょうか。
[chat face=”先生-4.png” name=”ものしり男先生” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]ラテン語から英語に訳されるときに、抜き出されたフレーズ A sound mind in a sound body が原因のようですね[/chat]
[chat face=”女教師-4.png” name=”ものしり子先生” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]健全なる精神があるとか、ないとか、宿るとか、なにも述べられていないから、つかう人が自由に解釈できたのね[/chat]
意味が変化してきた現在では、「健全な精神を手に入れるために、体を鍛えなくては」と解釈している方も多いと思います。
でも、誤訳となった解釈ではありますが、「健全なる精神は健全なる身体に宿る」ということを、実感していたりするのではないでしょうか。
「使い方」何事も身体がもとである
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]最近、食生活を見直しているんじゃよ[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]確か、辛いものと油っこいものが大好きでしたよね[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]今は野菜中心の食事にして、軽い運動も始めたんじゃ[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]凄いじゃないですか![/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]健全なる精神は健全なる身体に宿るというけれど、近頃は体だけじゃなくて心も落ち着いていて、調子いい感じなんじゃ[/chat]
「例文」健康で心も落ち着いているとき
・僕の友達は、お菓子ばっかり食べながら、毎晩遅くまでゲームしているんだ。健全なる精神は健全なる身体に宿るっていうし、きっと怒りっぽいのはそのせいだ。
[chat face=”男の子2-2.png” name=”できる君” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]不健康だと健全な精神は宿らないってことじゃないんだよ[/chat]
・健全なる精神は健全なる身体に宿るというように、規則正しい生活を送るようにしたら、心も落ち着いてきたよ。
・健全なる精神は健全なる身体に宿るで、不摂生が祟って体調を崩していた時は気持ちも荒れていたな。
[chat face=”女の子-3.png” name=”わかるちゃん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]健康だと心も元気になるわよね[/chat]
「英文」A sound mind in a sound body
・A sound mind in a sound body.(健全なる精神は健全なる身体に宿る)
It is to be prayed that the mind be sound in a sound body というのが原文になります。
ここから、部分的にことわざとして使われるようになりました。
[chat face=”外国人-4.png” name=”えいごちゃん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]このことわざは、よくみると動詞がないの。健全なる精神があるとか、ないとか、宿るとか、そこまでなにも述べられていないから、つかう人が自由に解釈できちゃうのね[/chat]
まとめ
いかがでしたでしょうか?
健全なる精神は健全なる身体に宿るの意味は、身体が健康であれば、精神も健康であるです。
本来の意味とは違ってきた言葉ですが、私自身、身体が元気な時の方がストレスを感じにくく心が健康な気がします。
最近、ちょっと体調を崩していたのですが、気持ちまで落ち込んでしまって、家の中が暗くなっていました…
誤訳ではありますが、実は核心をついているのだと実感です。
年とともに健康でいられることが難しくなってきます。
それでも、少しでも「健全なる精神は健全なる身体に宿る」に近づけるよう、身体のために何かに取り組んでいこうかな、と思いました。
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