「四海兄弟」ということわざを聞いたことはありますか?
「四海兄弟」とは、世界中の人々が相手を尊重し真心を持って接すれば、みな兄弟のように仲良くなる、そうなるべきという意味です。
この意味だけ聞くとなんだか幸せな、温かい気持ちになることわざですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解していただくために、
本記事では「四海兄弟」の意味、由来、使い方、例文などを解説していきますね!
読み方 | 四海兄弟(しかいけいてい/しかいきょうだい) |
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意味 | 世界中の人々が相手を尊重し、真心を持って接すれば、みな兄弟のように仲良くなる、そうなるべきという意味。 |
使い方 | 世界平和を願うときや、兄弟のように仲良くなってほしいと願うとき。 |
英文訳 | Think well of all men.(人を皆よく思え)
People all over the world should get along like brothers.(世界中の人々はみな兄弟のように仲良くすべき) |
類義語 | 八紘一宇/四海同胞/用和為貴 |
「四海兄弟」とは
[box03 title=”由来”]中国春秋時代の思想家・孔子「論語」の「顔淵」に記された一文から来た、孔子の弟子の司馬牛についての話です。司馬牛は無法者の兄を嘆き、兄弟はいないも同然だと落ち込みます。しかし、子夏によって、「立派な教養と人格を身につけ、他人に対して丁寧な態度で接するようにすれば、四海の内、皆兄弟為り(世の中の人はみんな兄弟のようなものだ)」と慰められます。このときの言葉からきています。[/box03]
論語・・孔子とその高弟の言行を、孔子の死後に弟子が記録した書物
子夏・・孔子の門人
[chat face=”孔子-2.jpg” name=”孔子さん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]「四海兄弟」は、兄弟がいないのも同然だと落ち込んでいたところを慰める言葉として使われたんだね。だから、「兄弟」という字が使われていたんだ。[/chat]
「意味」世界中の人々が相手を尊重し、真心を持って接すれば、みな兄弟のように仲良くなる、そうなるべき
「四海兄弟」とは
世界中の人々が相手を尊重し、真心を持って接すれば、みな兄弟のように仲良くなる、そうなるべきという意味です。
[jin-iconbox03]「四海」・・世界の海、国を取り囲んでいる四方の海のことであり、人種・国籍・民族を問わず世界中の人々という意味
「兄弟」・・その名の通りきょうだいのように仲良くという意味[/jin-iconbox03]
「ことわざのイメージ」
[jin_icon_check color=”#e9546b” size=”18px”]平和な世界への切望が込められたイメージ
[jin_icon_check color=”#e9546b” size=”18px”]個人的なトラブルがあったときに、兄弟のように仲良くなってほしいという願いが込められているイメージ
[jin-iconbox02]世界という大きなスケール、個人的な意味合い、どちらの場合にも使うことができます。[/jin-iconbox02]
[chat face=”孔子-2.jpg” name=”孔子さん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]漢字を見る限り「相手を尊重し、真心を持って接すれば」にあたる部分は見当らないけれど、由来において「四海兄弟」にあたる部分の直前に言及した表現であり、四字熟語自体には漢字としては含まれていませんが意味には含まれたということになります。[/chat]
「使い方」四海兄弟の心を持ち友達がたくさんできたとき
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]ただいまー。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]なるぞうさんお久しぶりですね。どこかに行ってたんですか?[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]いろんな国を旅してきたのじゃ。どの国の人たちも皆素敵でのー。たくさん友達ができたんじゃ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]国籍や言語が違っても四海兄弟の心が伝わったのですね。[/chat]
[jin_icon_bulb color=”#e9546b” size=”21px”]「四海兄弟」は名詞として使います。
「例文」世界平和を願うとき・対人トラブルが起こったとき
・半年前、料理教室の体験に行ったとき同じ場にいた人を駅で見かけて、思わず会い声をかけたが、相手は覚えていなかったようだ。四海兄弟のような中だったのにとても残念。
[jin_icon_caution color=”#e9546b” size=”18px”]相手が自分のことを覚えていないくらい関りがなかった場合には四海兄弟のような仲という表現は使えません。但し、世界的なスケールの場合は直接的な関係がなくとも、四海兄弟を使うことができます。
・歴史を勉強していたら、人間は争いを繰り返していることがわかった。四海兄弟のような世界にはなれないのだろうか。
・世界は多くの民族や宗教にあふれていて、グローバル社会に生きるには多様性を尊重するべきだ。四海兄弟の心を持てば、自国の価値観とは異なるものがあることに気づき世界が変わっていくはずだ。
・四海兄弟の理想を現実化させるため、アフガニスタンでボランティア活動を始めた。
[jin_icon_bulb color=”#e9546b” size=”21px”]これは世界平和に関する使い方です。四海兄弟のような世界を実現するのは難しいため、争いが絶えない世界情勢を嘆くときなどに使われます。
・学級崩壊したが、先生が「四海兄弟の気持ちを持って!」と一つにまとめた。
・取引先にミスがあり、納期に間に合わないかもしれないが、ここは四海兄弟の精神を持ってフォローした。
[jin_icon_bulb color=”#e9546b” size=”21px”]人間関係、ビジネスシーンで精神論を語るときなどにも使うことができます。対人トラブルの際、四海兄弟の心を持っていることは大事です。
そしてビジネスシーンでは、利益だけに囚われることなく、取引先の現状などを考慮したうえで接すれば、最終的に会社の利益になる場合もあります。
「類義語」四海兄弟3つ紹介
八紘一宇(はっこういちう)
地の果てまでを一つの家のようにするということ。世界を一つの家にするという意味。
[jin-iconbox08]八紘一宇の心で人種差別を無くしたい。[/jin-iconbox08]
用和為貴(ようわいき)
人と人が仲良く協力しあうことが最も大切であるということ。
[jin-iconbox08]用和為貴な考えを持っている彼なら班長に適任だ。[/jin-iconbox08]
[chat face=”聖徳太子.jpg” name=”聖徳太子さん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]「用和為貴」は、十七条憲法の第一条の言葉ですよ。[/chat]
四海同胞(しかいどうほう)
世界中の人々が相手を尊重し、真心を持って接すれば、みな兄弟のように仲良くなる、そうなるべきという意味。
[chat face=”孔子-2.jpg” name=”孔子さん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]「四海同胞」は「四海兄弟」と全く同じ意味ですよ![/chat]
「対義語」四海兄弟2つ紹介
群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)
多くの英雄などの実力者が様々な場所で権力を振るい、互いに対立しあう。
[jin-iconbox08]群雄割拠な状況だったけれど、上司が変わって対立がなくなった。[/jin-iconbox08]
四分五裂(しぶんごれつ)
組織や団体といったまとまりのある集団がバラバラになる。
[jin-iconbox08]こんなに四分五裂になってしまっては、まとめられない。[/jin-iconbox08]
「英文」四海兄弟2つ紹介
Think well of all men.
人を良く思え。
[chat face=”孔子-2.jpg” name=”孔子さん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]「think well of~」・・~をよく思う[/chat]
People all over the world should get along like brothers.
世界中の人々はみな兄弟のように仲良くすべき
[chat face=”聖徳太子.jpg” name=”聖徳太子さん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]
「People all over the world」・・世界中の人々
「should」・・したほうが良い(すべき)
「get alone」・・仲良くする[/chat]
まとめ
「四海兄弟」とは
[box04 title=”意味”]世界中の人々が相手を尊重し、真心を持って接すれば、みな兄弟のように仲良くなる、そうなるべき[/box04]
[box05 title=”由来”]孔子「論語」の「顔淵」に記された「四海の内、皆兄弟為り」という文より[/box05]
[jin_icon_check color=”#e9546b” size=”18px”]平和な世界への切望が込められたイメージ
[jin_icon_check color=”#e9546b” size=”18px”]兄弟のように仲良くなってほしいという願いが込められているイメージ
いかがでしたか?
「四海兄弟」の基本的な意味は、世界中の人々が兄弟のように仲良くなるべきですが、「相手を尊重し真心を持って接すれば」という意味が含まれていることが特徴です。
どんな状況でも相手を尊重することは簡単じゃないですが、自分の持っている価値観とは異なるものが世の中にたくさんあり、その違いに気づくことは大事ですね。
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