ことわざを知っていますか?よく見るけど、ことわざの意味は分からない…なんて方もいらっしゃるかもしれません。
「明日の百より今日の五十」は、不確実な話に乗るよりも、わずかでも今日確実に手に入るほうを受け取るのが賢明であるという意味です。余裕がある人は後日まで待てると思うけど、そんな悠長なこと言ってられない人は、今日、手に入るほうがいいですよね。
本記事では、言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。読み終える頃には、「明日の百より今日の五十」マスターになっているでしょう!
読み方 | 明日の百より今日の五十(あすのひゃくよりきょうのごじゅう) |
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ローマ字 | Asu no hyaku yori kyo no goju |
意味 | 不確実な話に乗るよりも、わずかでも今日確実に手に入るほうを受け取るのが賢明であるということ。 |
使い方 | 明日まで待つより、今日を大事にする。 |
英文訳 | A bird in the hand is worth two in the bush.(手中の一羽は藪の中の二羽に値する) Better an egg today than a hen tomorrow.(今日の卵一個は明日の鶏一羽に勝る) |
類義語 | 先の雁より手前の雀/死しての千年より生きての一日/末始終より今の三十/末の百両より今の五十両/後の千金より今の百文/後の百より今五十/来年の百両より今年の一両/即時一杯の酒 |
「明日の百より今日の五十」
明日もらえると約束した百両よりも、今すぐもらえる五十両を受け取るほうが、確実で良いという意味です。
時代劇などで出てくる通貨「一両」に興味がありましたので、調べてみました。
江戸時代の通貨単位を、金貨・銀貨・銅貨の「三貨制度」といいます。
三貨がそれぞれの独立した価値がありました。
・金貨の単位(両・分・朱)は、〇〇枚と枚数で数えられました。
一両(小判)=4分=16朱=4000文(一文が最小単位)=4貫
・銀貨の単位(貫・匁・分)は、重さで価値を測っていました。
一貫=10000匁 一匁=10分
「貫」は真ん中に穴があいている銅貨(文)の約1000文を紐に通して束にしたものを呼ぶときの単位でもありました。(現実には960文ぐらいでした)
・銅貨の単位(文=一文銭)三代将軍家光の時代に作られたと言われています。
この銅貨(文)は、飲食・宿代などの庶民が払う日常の通貨として使われていました。
三貨の価値が日々変わるため、両替商が発達し、人々が両替をして、通貨を使い分けていました。江戸時代は、社会情勢が安定し、商業が栄えました。
江戸時代が300年ぐらいあり、同じ一文でも初期と幕末では10倍ぐらい価値が違うらしいです。(だんだん価値は下がっていきました。)現在の価値に換算するのは、世の中の仕組みや、必要な物の価値観が違いすぎて当てはめるのが、とても難しいです。
諸説ありますが、幕府の御定め相場は、一両=4000文。庶民の収入、生活に身近なものから、かけ蕎麦の値段が、一杯16文~22文。江戸時代の平均で一文20~25円ぐらい、一両は10~13万円ぐらいだったと考えられます。庶民は、日に500文稼いで、月に1.5両くらいで生活できていたようです。
それぞれ、現代とは必要性と価値観が違うので、米の値段で比較すると、一両=約4万円、大工仕事で一両=約30万~40万、お蕎麦では、一両=12~13万円と同じ一両でもこんなにお金の価値が違いますね。不思議ですね。
この時代、金貨をつくる機関を「金座」、銀貨をつくる機関を「銀座」と呼ばれました。「金座」は、江戸・京都・駿府(静岡)・佐渡などに、「銀座」は、江戸・京都伏見・駿府(静岡)などに、ありました。現在、東京の「銀座」という地名はこのことが由来であると言われています。
今現在の日本のお金の単位「円」は、明治時代の初頭に決まりました。「円」もどんどん価値が下がっています。残念ですが…。将来は「円」に代わる通貨が出てくるかもしれません。
日本銀行金融研究所貨幣博物館など 参考資料
(1)類義語
先の雁より手前の雀/死しての千年より生きての一日/末始終より今の三十/末の百両より今の五十両/後の千金より今の百文/後の百より今五十/来年の百両より今年の一両/即時一杯の酒
(2)対義語
損して得取れ
「意味」確実な小さな利益
「明日の百より今日の五十」の意味は、明日もらえると約束した百両よりも、今すぐもらえる五十両を受け取るほうが、確実で良いという意味です。
明日がどうなるかわからないのだから、「不確実な大きな利益」よりも、わずかでも今日に得られる「確実な小さな利益」のほうが良いという意味でもあります。また、切羽詰まっていて、余裕がないので目先のことを重視して、少なくても今もらえる物が良いと判断するという意味でもあります。
「ことわざのイメージ」
明日どうなるかわからないから、今もらえるほうを大事にしようというイメージ。
「使い方」明日まで待つより今日
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]前から欲しかった鞄が2割引きになっとる。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]明日から、クリアランスセールやるそうですよ。もっと安くなるかも…。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]この鞄は一点物だから、売れてしまったらもうないからの~。どうしようかの~。明日まで待つかのぉ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]「明日の百より今日の五十」と言いますね。今日買ったほうがいいんじゃない?[/chat]
これを参考に下にいくつか例文を載せてあります。
「例文」目先を重視
「明日の百より今日の五十」というけど、明日まで待てば、株価上がるかもしれない。もう一日待ってから売ろう。
・不確実なことに期待しすぎるのは間違いですね。
オークションで販売している商品は、明日もっと高く売れるかもしれないけど、「明日の百より今日の五十」というし、これぐらいの値段で取引完了するとしよう。
・明日まで待てば、必ず、高く売れる保証はないので、今日売ってしまい確実に販売することに使うのは良いと思います。
「明日の百より今日の五十」まとめ
「明日の百より今日の五十」は、不確実な話に乗るよりも、わずかでも今日確実に手に入るほうを受け取るのが賢明であるという意味です。
意味は、明日がどうなるかわからないのだから、「不確実な大きな利益」よりも、わずかでも今日に得られる「確実な小さな利益」のほうが良いという意味です。
使い方は、明日どうなるかわからないから、今を確実にしようということに使います。
余裕がある人は後日まで待てると思うけど、そんな悠長なこと言ってられない人は、今日、手に入るほうがいいですよね。
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