「阿堵物(あとぶつ)」ということわざを知っていますか？あまり聞き慣れない言葉ですね。この言葉を使うことで物事をすごく嫌味に表現することができます。
本記事では、「阿堵物」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。読み終える頃には、「阿堵物」マスターになっているでしょう！
| 読み方 | 阿堵物（あとぶつ） |
|---|---|
| 意味 | 金銭、銭の異名、あんなもの、そんなもの |
| 使い方 | 喧嘩で嫌味な言い方をする |
| 英文訳 | filthy(不潔)、money(お金) |
| 類義語 | 要脚(ようきゃく)、ゲル |
キーワード
この言葉の語源は『世説新語(せせつしんご)』という名士の逸話集が語源となっています。
ときは、中国 晋時代。王衍というプライドが高く、まだ一度も銭(価値が小さいお金)という言葉を口にしたことがない名士がいました。
それをよく知っている王衍の妻は銭の言葉を言わせたくて、王衍が寝ている間、寝室に銭をばらまきました。翌朝、目覚めた王衍は散らかっている銭を見て、そばにいた下女(雑事を行う女)に、こう命じます。
「散らかっている阿堵物を片付けろ」と
この王衍の発言から阿堵物＝金銭、そんなものという意味で使われるようになっていきました。
Wikipedia参照：世説新語 第十 規筬(きしん)上編
（1）類義語
要脚(ようきゃく)
ゲル
要脚は経費や費用の意味、ゲルはドイツ語で金銭の意味になります。
（2）対義語
収益
収入
阿堵物を都合の悪いもの、費用と喩えると収益や収入が対義語となります。
「意味」銭の異名、あんなもの、そんなものの言い換え
この阿堵物は、銭の異名やあんなもの、そんなものの言い換えになります。
例えば、その物の名前を直接言いたくない場面で
「ご飯なんていらないよ」を
「そんな阿堵物はいらないよ」と
好ましく思わない物に対し、嫌味な言い方をすることで意味が成り立ちます。
「阿堵物」のイメージ
その物の名称すら口に出したくない、口に出すまでもないという高いプライドや周りを見下しているという態度が丸出しの言葉です。これを聞き取った人もあまり良い思いはしないですね。
「使い方」喧嘩で嫌味な言い方をする
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]やはりポロシャツには、ジーンズが一番合っておるじゃろ！[/chat]
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]いやいや、ポロシャツにはショートパンツじゃよ。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]そんな阿堵物が合うわけないじゃろ！[/chat]
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]阿堵物とはなんじゃ！というか服の好みで争ってもしょうがないじゃろ…。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]それもそうじゃな…。嫌味な言い方をして悪かった…。[/chat]
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]いいんじゃよ、それだけポロシャツに対する、こだわりがあるんじゃな…。[/chat]
この例文のように、阿堵物＝印象が悪い、否定的な意味合いで使っています。
これを参考に下にいくつか例文を載せてあります。
「例文」人や物を見下すとき
その容姿(ようし)は阿堵物に似ている
その財布は阿堵物にしか見えない
阿堵物に似ているなど、比較対象などには使えません。阿堵物という物自体は存在しないからです。印象が悪いと思ったもの、嫌悪感があるものであれば、何にでも阿堵物にすることができます。
(汚れた服を見て)そんな阿堵物、捨ててしまいなよ
(落ちているゴミを見て)阿堵物が地面に落ちている
悪い例でも、述べた通り汚れた服や落ちているゴミ、自分が不快に思ったものを阿堵物に置き換えましょう。
そうすることで、意味が成り立ち、より嫌味にこの言葉を使うことができます。
「阿堵物」まとめ
以上が「阿堵物」の意味、分かりやすい使い方になります。
阿堵物は金銭の異名、あんなものやそんなものの言い換え
その物を好ましく思わなくて、嫌味な言い方をしたいときに使える
意地っ張りな方やツンデレな方には、ぴったりの言葉ですが、多用していると相手が不快になってしまう言葉でした。
本当に嫌な気持ちになっているとき、むかつく相手に一言物申すときに使うと自分も気持ちをうまく発散でき、意味もより伝わりやすくなります。
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