「船頭多くして船山に上る」(せんどうおおくしてふねやまにのぼる)
ということわざをご存知でしょうか?
海を渡る交通手段は「船」ですよね!
沢山の船員がいる船において、航海の責任者を意味する「船頭」という言葉が
含まれていますが、
なぜかたどり着いた先は「山」!?という言葉で締めくくられるこのことわざ。
本記事では、「船頭多くして船山に上る」(せんどうおおくしてふねやまにのぼる)という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。
読み方 | 「船頭多くして船山に上る」(せんどうおおくしてふねやまにのぼる) |
---|---|
意味 | 指図する人が多すぎると、混乱が起こり物事が見当違いの方向に進んでいくこと |
使い方 | 物事を決める際に意見がまとまらない時など |
英文訳 | Too many cooks spoil the broth.(コックが多すぎるとスープがうまくできない) |
類義語 | 船頭多くして船岩に乗る/下手の大連れ/役人多くして事絶えず |
船頭多くして船山に上るとは
「船頭多くして船山に上る」とは、
物事を進める際に指図する人が多すぎると、とんでもない結果をもたらすことある
ということを、たとえたことわざです。
由来・語源:詳しい記載はなし。
※ただし、16世紀ごろから使用されていたとの記述があります。
一六世紀の用例が残されている古いことわざで、小異形が多く、「多くして」は「多うて」「多くて」、「上る」は「着く」などともいいました。「船」と「山」は共通するので、それだけ多くの人に親しまれてきたものでしょう。今日でもよく知られていて、「船頭多くして」というだけでもほぼ意味が伝わります。
〈引用:コトバンク「船頭多くして船山に上る」より〉
「意味」指図することが多すぎると、物事はとんでもない結果になることがある
和船において、航海の道筋を決めたり船のメンテナンスを行ったりする、
船上にて権限を持つ人のことを船頭と呼びます。
そして通常は一つの船に船頭は一人です。
ところが、同じ船に同等の権力を持つ船頭が多くいると、
混乱がおこり結局どこに行ったらいいのかわからず、
水の上を渡る船が、山に上っていたというとんでもない結末をたとえたことわざです。
物事を進める際には、取り仕切る人が多すぎると上手くいかないということを
船が山に上るという表現で、わかりやすく意味を理解することができます。
「ことわざのイメージ」
・「リーダーが多すぎると現場は混乱する」
・「指図する人が多すぎると、物事がスムーズに進まない」
「使い方」指図が多すぎて混乱が起こり、物事が上手くいかないときなど
「とある会議にて…」
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”A部長” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]今日の会食は中華料理でよろしくね。[/chat]
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”B部長” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]いやいや今日の会食はタイ料理でよろしく[/chat]
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”C部長” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]やっぱり今日の会食はフランス料理かね?[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”right” border=”blue” bg=”none” style=””]かしこまりました![/chat]
「数時間後…」
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”right” border=”blue” bg=”none” style=””]ということで、本日は僕お手製の、中華・タイ・フレンチ風味噌汁になりました![/chat]
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”A・B・C部長” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]「「「なんでやねん」」」[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]これこそ、船頭多くして船山に上るということですね…。[/chat]
「例文」何か物事を決めるとき
みんなの意見が揃っていたのに、プロジェクトは結局台無しになってしまった。船頭多くして船山に上るとはこのことか…。
物事がとんでもない結末になってしまうという意味はありますが
沢山の意見の方向性が違うというニュアンスを持つことわざなので、
同じ目的で得た結果の失敗などには、使用は適しません。
みなさん、沢山の意見を交わすのはありがたいのですが、今のままでは船頭多くして船山に上ることになります。このプロジェクトの目的を思い出してください。
意見の統率がとれない様子をこのことわざを使って伝えることができます。
「類義語」船頭多くして船山に上る・類義語3選
①船頭多くして船岩に乗る
②下手の大連れ
③役人多くして事絶えず
それぞれ、権力を持つ人が多いととんでもないことが起こったり、物事が上手くいかない
ことなど意味を持ちます。
「対義語」船頭多くして船山に上る・対義語2選
①三人寄れば文殊の知恵
②三人にして迷うことなし
沢山の人の知恵や意見があれば、物事が上手くいったり、文殊(=知恵をつかさどる菩薩)のように新たなアイデアを生み出すことがあるという意味です。
多くの意見があることをポジティブにとらえたことわざですね。
「英文」Too many cooks spoil the broth.
Too many cooks spoil the broth.
訳:コックが多すぎるとスープがうまくできない
spoil/台無しになる、悪くする broth/だし汁、スープ
Many dressers put the bride’s dress out of order.
訳:着付けをする人が多いと花嫁の服装が場違いになる
dresser/着付け師 bride/花嫁 out of order/順番が狂う、調子が狂う
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
再度、「船頭多くして船山に上る」の意味のポイントをチェックしておきましょう!
・指図する人が多すぎると、混乱が起こる。
・その結果物事が上手くいかなかったり、とんでもない結末を迎えることがある。
学校生活や社会においても、チームに属していると「船頭多くして船山に上る」状況のように、様々な方向に話がそれていってしまうことはよくあると思います。
沢山の意見が交わされるのはいいことでもありますが、
混乱しそうなときは一旦立ち止まって、「本当にこれでいいのだろうか」と
物事を俯瞰的に考えるようにして、リスクを回避しましょう!
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