「前門の虎、後門の狼」ということわざを知っていますか?
この言葉は、中国古来、後漢王朝の時代から伝えられた古いことわざになります。
日本はこういった中国から伝えられた言葉がたくさんあります。
本記事では、「前門の虎、後門の狼」という言葉の意味や類義語、使い方などを解説していきます。
それでは見てみましょう。
読み方 | 前門の虎、後門の狼(ぜんもんのとら、こうもんのおおかみ) |
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意味 | 一つの災難を逃れても、またもう一つ災難が襲ってくること。 |
使い方 | 次から次へと災難が起こった時のたとえで使います。 |
英文訳 | 「Tiger at the front gate ,Wolf at the rear gate.」
「Between the devil and the deep blue sea.」 |
類義語 | 「一難去ってまた一難」「虎口を逃れて竜穴に入る」 |
前門の虎、後門の狼
「意味」次から次へと災難がふりかかること
一つの障害が去ったと思ったら、また新たなところに障害が発生することです。
[由来] 中国で昔から使われていることわざ。たとえば、一五~一六世紀の政治家、趙弼が書いた「評史」という書物では、後漢王朝の時代に、専権を振るっていた皇后の一族を宦官(皇帝の私的な側近)たちが追い払った事件について、「ことわざでいう『前門に虎を拒ぎ、後門に狼を進める(表門では虎の侵入を防ぎながら、裏門から狼を引き入れてしまう)』というものだ」と述べています。
「ことわざのイメージ」
前門の虎を追い払ったら、次は後門から狼が入ってくることから、一つの災難を超たとしても、次から次へと災難がふりかかることのたとえで使います。
危機的状況にあるのは変わらず、項目が違うだけで、結局これから対策を打たないといけないことには、変わりはないということになります。
自ら起こした災難というよりかは、地震や台風などによる土砂災害や洪水や津波や、家電製品や自宅の経年劣化など、自分達ではどうしようもないことに使うのが良いでしょう。また、なるべく災難に見舞われないように、日頃からメンテナンスをするのが良いでしょう。
「使い方」問題が一つ解決しても次の危難が訪れたとき
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]台風で外にある花壇の柵が壊れてしまって。今直してきたよ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]あらそれは大変だわ。直してくれてありがとうね。[/chat]
少し時間が経って・・・・
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]台風のおかげで、次は玄関にあった竿が飛ばされたよ。勘弁してほしいわい。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]あらあら、まさに前門の虎、後門の狼だわ。[/chat]
この例文のように、一つの危機を避けたところで、別の危機に遭遇することを指します。
「例文」前門の虎、後門の狼例文を紹介
・3年前、高校の公立入試の志望校に落ちて、今年は国公立大学の志望校に落ちてしまった。前門の虎、後門の狼とはこの事だ。
・去年は掃除機が壊れて、3年後に冷蔵庫が壊れたので、家族と前門の虎、後門の狼と話していた。
悪い例は、一度目の災難と呼ばれるものから、次の危難が半年以上など月日が経っていることが窺えます。このように前回の危難から時間や月日が経ちすぎている時には、適切ではないでしょう。
・健康診断で肝臓の数値が正常に戻ったと思いきや、今度は高血圧で再検査だ。前門の虎、後門の狼とはこのことだ。
・自宅の洗濯機が壊れてようやく新しい物を調達したのに、今度は別の冷蔵庫が壊れてしまったので、前門の虎、後門の狼と途方に暮れた。
・お客様からのクレーム電話があり、ようやくご理解いただいたところに、今度は後輩のミスで別のお客様に謝罪に出向くことになった。まさに前門の虎、後門の狼だ。
良い例は、一つの災難が解決しても、直近で別のところから災難が降りかかり、結局大変な状況は変わらないことを指します。
「類義語」前門の虎、後門の狼2つ紹介
一難去ってまた一難
一つの災難を逃れたが、新たに別のところから災難が降りかかること。また、次々と災難に見舞われて困惑すること。
(例)この地域は昔から大きな地震が起こったら、土砂崩れが起きる為地震で助かっても安心していられない。まさに一難去ってまた一難だ。
虎口を逃れて竜穴に入る
一つの災難が過ぎたら、また別の危難に遭遇すること。
(例)大雪が降った後は、道路がグチャグチャになり、まともに走行することが不可能だ。大雪というだけでも大変なのに、まさに虎口を逃れて竜血に入るの状態だ。
「英文」前門の虎、後門の狼英文2つ紹介
Tiger at the front gate ,Wolf at the rear gate.
(前門の虎、後門の狼。)
Tiger:虎
at the front gate:前の門
Wolf:狼
the rear gate:後の門
Between the devil and the deep blue sea.
直訳は悪魔と深い海の間という意味ですが、
絶対絶命という意味合いでも使いますので、「前門の虎、後門の狼」と同様と言えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
・一つの災難が取り過ぎたら、新たな別の災難に見舞われること。
・直近で連続して降りかかった災難のことを指し、以前の危難から半年以上期間があいている場合には、あまり適切ではない。
・結局これから対策を打つ行動をとらないといけないことには、変わらないということ。
天候被害や地震などの被害などが一番イメージが湧きやすいかもしれません。
しかしこういった状況にならないのが一番です。
「備えあれば憂いなし」
このような次々と災難に見舞われないように、日頃から備えておくことが大切なのかもしれません。
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