「大は小を兼ねる」ということわざの意味を知っていますか?
・大きいものは小さいものの効用も併せ持っている。
・大きなものは小さなものの代わりとしても利用できる。
という意味です。
市販されているペットボトルで考えてみれば分かりやすいかもしれません。
500mlのペットボトルと2lのペットボトルがあったとします。
両方の中身を入れ替えてみると、500mlのペットボトルには2lの液体は入りませんよね。
しかし、2lの容器には500mlが余裕で入ってしまいます。
つまり、大きいものの方が許容量が大きいから、小さいものより役に立つという意味です。
本記事では、「大は小を兼ねる」という言葉の由来や類義語、使い方などを詳しく解説していきます。
それでは、見ていきましょう!
読み方 | 大は小を兼ねる(だいはしょうをかねる) |
---|---|
意味 | ・大きいものは小さいものの効用も併せ持っている。 ・大きなものは小さなものの代わりとしても利用できる。 |
使い方 | どちらを選ぶべきか迷った時にサイズの大きい方を選んでおく、という時 |
英文訳 | The greater embraces the less(大は小を兼ねる) Better too big than too small(大は小を兼ねる) |
類義語 | 大は小を叶える(だいはしょうをかなえる) |
大は小を兼ねるとは
大きいものは、小さいものの代用品としても利用できる。大は小を叶える。
出典 精選版 日本国語大辞典 / 精選版 日本国語大辞典について
「由来」大は小を兼ねる
「大は小を兼ねる」の由来は、
董仲舒(とうちゅうじょ:中国の漢の時代の儒学者)の著書である『春秋繁露(しゅんじゅうはんろ)』という論文の中の記述にあります。
そこには
夫已有大者、又兼小者、天下能是之、況人乎
とあります。
これを現代語に訳すと
大人(賢者)は小人(愚者)の振る舞いもすることができる。
だから、天下で役に立つことができるのは賢者だけだ。
賢者は、愚者の振る舞いもすることができるが、愚者は賢者の振る舞いをすることができない、という意味ですね。
もっと簡単に言い換えると、
『できる人はできない人の真似ができるが、できない人ができる人の真似をすることはできない』
といったところでしょうか。
確かに、仕事ができる人は手を抜いたり、プライドを捨てたりすれば、仕事ができない人の真似をすることができますが、
逆はどうでしょうか。
できるふりをしても、どこかで失敗したり、ボロが出たりしてしまいますよね。
これを物で例えた言葉が「大は小を兼ねる」です。
「使い方」迷ったときは大きい方を選ぶ
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう”
align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]久しぶりに友人と温泉旅行に行くことになったんだ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right”
border=”green” bg=”none” style=””]それは素敵ですね。お土産も期待していますよ。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう”
align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]もちろんだ。
1泊2日だが、大きい旅行鞄と小さいバッグ、どちらを持って行こうか…小さい方でも詰め込めば荷物は収まるかのぅ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right”
border=”green” bg=”none” style=””]大きい方にしてはいかがです。
「大は小を兼ねる」といいますし。お土産もたくさん入りますよ。[/chat]
この例文のように、大きいものは小さいものの役割も果たせる、許容量が大きい方が役に立つという意味合いで使っています。
これを参考に、例文を見ていきましょう。
「例文」大は小を兼ねる(悪い例・良い例)
「許容量が大きい」という意味合いとはズレてしまっていますね。
これでは正しい使い方とは言えません。
「許容量」つまりデータ容量が大きいものを選んでおく、という場面で使用されているので正しい使い方です。
「類義語」大は小を兼ねる 2つ紹介
・大は小を叶える
・大きな物は細う使われる
「対義語」大は小を兼ねる・2つ紹介
対義語2つ紹介します。
杓子は耳掻きにはならぬ(しゃくしはみみかきにはならぬ)
杓子(しゃくし)とは、ご飯や汁物をすくうのに使用するものです。
しゃもじをイメージすればわかりやすいかもしれません。
耳かきと形は似ているかもしれませんが、しゃもじくらいのの大きさのものでは、耳掃除はできませんよね。
長持は弁当箱にならぬ
長持とは、江戸時代頃に庶民の間で使用されていた布団や衣類などを収納する箱のことです。
一般的な大きさは、長さ8尺5寸(約174センチメートル)前後、幅と高さは2尺5寸(約75センチメートル)
こんな大きな箱をお弁当箱にするのは、現実的ではありません。
このように、必ずしも大きいものが小さいものの代わりを果たすことができる訳ではないといことがわかります。
「英文」大は小を兼ねる・2つ紹介
英文2つ紹介します↓
The greater serves for the lesser.
直訳すると「より大きいものがより小さいもののために賄う」
意味としては「大きいものは小さいものの代用として使える。」となります。
「serves for」は「役に立つ」
「大きいもののほうが役に立つ」
といったニュアンスでしょうか。
Better too big than too small.
直訳すると「大きすぎるのは小さすぎるより良い。」
意味としては、「小さいものより大きいものの方が良い」となります。
「better」が使われているので、
「兼ねる」ではなく、「小さいより大きい方が“より”良い」というニュアンスになります。
まとめ「大は小を兼ねる」
小さいものより大きいものの方が汎用性がある、という意味の「大は小を兼ねる」ということわざを説明してみました。
如何でしたか?
たしかに、大きいバッグだとどんな荷物も入れることができますし、大きいお皿だと大量の食事を盛り付けることができます。
しかし対義語でもあったように、必ずしも大きい方が良いというわけではありません。
たとえば、大柄な野球選手は小柄な選手の代わりができるでしょうか?
そんなことはないですよね
- ホームランを打つことができるパワーのある大柄な選手
- 小回りの利く守備ができる小柄な選手
それぞれの良さがあるから「野球」というスポーツが楽しいのだと思います。
野球だけではなく、色々なスポーツでも言えることではないでしょうか。
「大は小を兼ねる」効率的で素敵な言い回しですが、
現代の日常生活では目的に合ったサイズを選ぶことが大切かもしれませんね。
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