[chat face=”onnnanoko2.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]ねぇ、くわしいぞう。これ何て読むの?[/chat]
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]どれどれ…ふむ、これは「俎上の魚(そじょうのうお)」と読むんじゃよ。[/chat]
[chat face=”onnnanoko2.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]ふーん…どういう意味?[/chat]
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]まな板の上で料理されるのを待つ魚。つまり、逃げ場のない状態の人をたとえた言葉じゃな。[/chat]
[chat face=”onnnanoko.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]さすが、くわしいぞう!頼りになるぅ~![/chat]
この女の子は、ちょっと難しい言葉の出てくる本を読んでいたようですね。
くわしいぞうの言うように「俎上の魚」とは「逃げ場のない状態の人のたとえ」です。
本記事では、「俎上の魚(そじょうのうお)」という言葉をより詳しく見て行きます。
意味や類義語、使い方などについても徹底解説しますよ!
それでは、一緒に学んでいきましょう!
読み方 | 俎上の魚(そじょうのうお) |
---|---|
意味 | 相手の思うがままにするよりしかたない、逃げ場のない状態にある者のたとえ。 |
使い方 | その女はまさに俎上の魚で、抵抗することもできず、パトカーに乗せられるのを待つことしかできなかったのだ。 |
英文訳 | being in a helpless situation(お手上げ状態) |
類義語 | 手も足も出ない、覚悟する |
俎上の魚(そじょうのうお)とは
「俎上の魚」という言葉の由来は、『史記―項羽紀』に出て来る話だと言われています。
まずは状況を簡単に説明しますね。
紀元前二〇六年、劉邦が項羽を怒らせてしまったため、謝りに行きました。
項羽は劉邦を許して宴会を開き、もてなしてくれましたが、項羽の部下は劉邦を殺そうとしていました。
[chat face=”推敲_おじさん.png” name=”劉邦” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]ちょっとトイレ行ってくる![/chat]
[chat face=”俎上の魚_部下2.png” name=”部下” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]劉邦様、項羽の部下たちがあなたを狙っています。そのままお逃げ下さい![/chat]
[chat face=”推敲_おじさん.png” name=”劉邦” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]でも、項羽さんに帰るってご挨拶してないし…[/chat]
[chat face=”俎上の魚_部下2.png” name=”部下” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]劉邦様、今この瞬間も、相手は包丁とまな板で、我々は魚や肉なのですよ。[/chat]
[chat face=”推敲_おじさん.png” name=”劉邦” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]わかった…逃げよう。[/chat]
実際にはもっと鬼気迫る会話だったと思いますが、会話の流れは分かりましたでしょうか?
劉邦を動かした部下の言葉こそ、「俎上の魚」の由来だと言われています。
『人は方に刀俎たり、我は魚肉たり。』
(相手は包丁とまな板で、我々は魚や肉なのです。)
劉邦の部下は、
「相手は(自分たちを)いつでも殺すことができるんですよ。」
「暇乞いの挨拶をしている暇じゃない!逃げないと殺されてしまいますよ!」
と、説得したわけですね。
[chat face=”onnnanoko.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]説得した部下は、劉邦の命の恩人ね![/chat]
「意味」 逃げ場のない状態にある者「俎上の魚」
俎上の魚
(まないたの上の魚、の意から) 相手のなすがままになるよりほかにない運命、死を待つよりほかに方法のないもの、運命の尽きたもののたとえ。まないたの鯉。
「俎(そ)」とは、まな板のことです。
水の中でしか活動できない魚がまな板に乗せられてしまったら、絶対に逃げられないですよね。
つまり俎上の魚とは、まな板の上に魚が乗せられて、料理されるのを待つしかないという意味になります。
「ことわざのイメージ」
・まな板の上でピチピチ跳ねる魚。
逃げることも、えら呼吸することもできず絶体絶命。
「煮るなり焼くなり好きにして」状態。
「使い方」逃げ場がない状態のとき「俎上の魚」
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]いたた…[/chat]
[chat face=”俎上の魚_歯医者.jpg” name=”歯医者” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]はい、じゃあ虫歯になっちゃってるところ抜きますからねぇ[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””](あぁこういう状況って確か「俎上の魚」っていうんだったな…もうどうにでもしてくれ…)[/chat]
[chat face=”俎上の魚_歯医者.jpg” name=”歯医者” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]チュイーン[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””](声にならない悲鳴)[/chat]
なるぞうさんのように、「虫歯が痛いから治療に来て、すでに逃げたいけど逃げられない」状態は、まさに「俎上の魚」ですね!
「俎上の魚」をイメージする時に、「歯医者さんで逃げられない状態の患者さん」を想像すると、この言葉の意味を覚えやすいかもしれません。
「例文」お手上げ状態というとき「俎上の魚」
「俎上の魚」とは、「相手の思うがままにするしかない人のたとえ」でしたね。
つまり、どうすることもできず、お手上げ状態ということです。
では、例文を見てみましょう。
普段無口な彼女だが、好きな女優の話題になると俎上の魚のように喋りだした。
[chat face=”onnnanoko2.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]うーん、なんか変ね?この文脈では、「得意なことを行って、生き生きと活躍する人」に対して使っているわね。[/chat]
はい。「お手上げ状態」ではないので、誤りとなります。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]ちなみに、「得意なことをして生き生きする」という意味を表すのは、「俎上の魚」ではなく「水を得た魚」じゃな。[/chat]
同じ魚を使ったことわざですが、全然違う意味なので注意しましょう。
それでは、正しい使い方を見ていきます。
処罰が言い渡されるまでの間、彼女は俎上の魚のようにじっとしていた。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]処罰があることは決まっていて、「もう逃げることはできない」という諦めが感じられる例文じゃな。 [/chat]
悪いことをした後、捕まるまでは逃げることができますし、捕まった後でも言い訳をして処罰を逃れようと抵抗することができます。
ただし、逃げることもできず言い訳も通用しないという状況になったら、諦めるしかありませんよね。
このように、逃げ場がなく、お手上げ状態という場面で
「俎上の魚」という言葉が使われます。
「類義語」類義語を2つ紹介「俎上の魚」
俎上の魚には同じような言い回しとして、下記のような言葉があります。
俎上の鯉/俎上の肉/まな板の上の蛸/まな板の魚/まな板の鯉/まな板の肉
「俎上」を「まな板」と言い換えただけだったり、「魚」なのか「鯉」なのか「肉」なのか…という違いだけなので、ここで類義語として詳しく説明する必要はありませんね。
他の類義語を見て行きましょう!
手も足も出ない
手も足も出ない
施すべき処置・手段もなく困りきる。追いこまれて進退きわまる。また、無力でどうすることもできない。手も出ない。手も足もない。
「手も足も出ない」とは、「薬缶でゆでた蛸」が茹でられ、手足が委縮して動けない様子から生まれた慣用句です。
例文を見てみましょう。
練習試合で、相手が強すぎて手も足も出ないうちに終わってしまったよ…。
手も足も出ないということは、つまり何もできないということ。
「俎上の鯉」は逃げ場のない人のたとえですが、
「手も足も出ない」は何もできず困り果てる状況を指します。
[chat face=”onnnanoko.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]人を表すものか、状況を表すものかの違いで、意味はかなり近いわね![/chat]
覚悟する
覚悟する
あきらめること。観念すること。
覚悟には色んな意味がありますが、少年漫画の戦闘シーンなどで
「貴様!覚悟しろ!」と剣で斬りかかったりするときの意味はコレですね。
例文を見てみましょう。
ここまで関係がこじれたら、捨て身の覚悟で向き合うしかないな。
覚悟とは、もともと「困難を予想し、心構えをすること」という意味です。
そこから派生して「諦める」という意味も持つようになったのですね。
「対義語」対義語を紹介「俎上の魚」
明確な対義語はないので、意味から考えてみましょう。
「俎上の魚」とは、「逃げることも抵抗することもできない状態」のことでしたね。
[chat face=”onnnanohito.jpg” name=”お姉さん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]「もうどうにでもしてくれ」っていう諦めを感じるニュアンスよね。[/chat]
その通りです。
したがって、「諦めずに覚悟を決める」という意味の言葉を対義語と考えることができるでしょう。
[chat face=”onnnanoko2.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]うーん、どんなことわざがあるかな?[/chat]
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]その意味合いなら、「腹を括る」ということわざがあるぞ! [/chat]
腹を括る
どんな結果になってもたじろがないように意を決する。覚悟をきめる。腹をすえる。
「俎上の魚」が「もう逃げられないし、抵抗もできない。どうにでもしてくれ!」
という諦めを感じるのに対し、「腹を括る」は意思の強さを感じる言葉です。
例文を見てみましょう。
みんなが見守る中、私は腹を括って彼に逆プロポーズすることにした。
[chat face=”onnnanoko.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]男前な彼女ね![/chat]
このように、諦めというよりは「よし!」と気合を入れて挑む感じですね。
[chat face=”onnnanoko.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]俎上の魚はネガティブ・腹を括るはポジティブなイメージね![/chat]
「英文」being in a helpless situation「俎上の魚」
being in a helpless situation(お手上げ状態)
helplessとは「無力」、「どうすることもできない」状態のことなので、
”being in a helpless situation”を直訳すると、
「どうすることもできない状況にある」ということになります。
[chat face=”onnnanoko.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]俎上の魚の意味と一緒ね。[/chat]
まとめ
ここまで、「俎上の魚(そじょうのうお)」の意味・類義語・対義語をご紹介させていただきました!
・「俎上の魚(そじょうのうお)」とは、逃げ場のない状態にある者のたとえ。
・英文では”being in a helpless situation”で、「どうすることもできない状況にある」となる。
・類義語は「手も足も出ない」「覚悟する」
・明確な対義語はないが、諦めを感じる俎上の魚に対し、諦めずに覚悟する意味合いの「腹を括る」を反対の意味の言葉として表現することができる。
さて、「俎上の魚(そじょうのうお)」の理解を深められたでしょうか?
この記事があなたのお役に立てれば幸いです。
次回の記事も楽しみにしていてくださいね!
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