「天上天下唯我独尊」このことわざを聞いて、あなたは何を連想しますか?
[chat face=”22441335-e1641617872859.jpg” name=”とら吉” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]「天上天下唯我独尊」暴走族の特攻服の背中に刺繍してあるやつ![/chat]
一般ではそんなイメージですが
「天上天下唯我独尊」とは「この世に私たちより尊い者はいない」という意味で、
生まれながらに備わる人間の尊厳を言い表した言葉です。
特攻服以外に、どういう場面で使われるのでしょうか?!
本記事では、「天上天下唯我独尊」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。
読み方 | 天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん) |
---|---|
意味 | この世界に我よりも尊いものはないということ。 |
使い方 | ・自信をなくしている人にたいして励ますとき。 ・自分を大事にと、いましめるとき。 ・座右の銘として。 |
英文訳 | ・I alone the world honored one. (私だけが世界的に名誉ある人です。) ・Holy am I alone throughout heaven and earth. (天と地の至る所で私は一人で聖なる者です。) |
類義語 | 唯我独尊(ゆいがどくそん) |
天上天下唯我独尊とは
初めて仏教をひらいた仏陀(お釈迦さま)が、摩耶夫人の右脇から生まれたとされるが、その直後に自分の足で歩き、右手で天を指し、左手で地を指して「天上天下唯我独尊 三界皆苦吾当安此」と言ったと伝えられています。
[box02 title=”天上天下唯我独尊 三界皆苦吾当安此の意味”]この全宇宙のなかで私たちはみんなたった一人の唯一の存在で尊いけれども、この世はすべて苦しみばかりなので、今から私がそれを安らかにするでしょう。 [/box02]
[jin_icon_bulb color=”#e9546b” size=”21px”] 三界皆苦吾当安此
三界:「欲界」・「色界」・「無色界」の苦しみ迷いの世界
皆苦:どんな人の人生も苦しみである
吾:私(仏陀)
安此:この世を安らかにする
お釈迦さまがおられた当時のインドでは、厳しい身分制度「カースト」がありました。身分の低いシュードラ(奴隷)にいたっては、他の身分と直接言葉を交わすことができないという虫けら同然の扱いでした。
そのカースト制度の中にありながらお釈迦さまは身分制度を打ち破り、どんな人も尊い目的を果たすために人間に生まれてきた平等な存在である、と説いたのが「天上天下唯我独尊」の言葉なのです。
「意味」人はみんな、かけがえのない大切な存在である
「天上天下唯我独尊」とは、お釈迦さまが生まれた時に発した言葉で、
「宇宙の中で私たちより尊い者はいない」という意味であります。
- 天上天下:(天の上にも天の下にも)大宇宙広しといえども
- 唯我:私たち
- 独尊:自分だけが他より優れて尊いとすること
[chat face=”22441335-2-e1641959234259.jpg” name=”クロ” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]よく、自己に対するうぬぼれを表す時に使われがちだね![/chat]
「ことわざのイメージ」
間違った意味のイメージ
[jin_icon_batu color=”#e9546b” size=”18px”]自分中心
[jin_icon_batu color=”#e9546b” size=”18px”]自分勝手
[jin_icon_batu color=”#e9546b” size=”18px”]傲慢
正しい意味のイメージ
[jin_icon_maru color=”#e9546b” size=”20px”]平等
[jin_icon_maru color=”#e9546b” size=”20px”]唯一無二
[jin_icon_maru color=”#e9546b” size=”20px”]尊重
「注意点」天上天下唯我独尊の解釈
天上天下唯我独尊は「天の上にも天の下にも、唯一我々人間だけが、なしうる尊い使命がある」という解釈ですが、
唯我独尊の「我」の意味を「私」ととらえ「この世で最も尊いのは私だ。私だけがこの世で唯一の存在である。」というような、まちがった解釈から「自己中心」「自分勝手」「傍若無人」といった悪い意味で使われることがよくあります。
[jin_icon_bulb color=”#e9546b” size=”21px”]唯我独尊の本来の意味
唯我独尊の「我」は我々、すべての人間のことなのです。
したがって唯我独尊とは、「我々人間のみが果たしうる尊い使命、崇高なたった一つの目的を持っている。」という意味なのです。
[box06 title=”あわせて読みたい”]
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天上天下唯我独尊
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「使い方」対立する人を仲介するとき
なるぞう爺さんが何かイライラしているようですね。どうしたのでしょう?
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]イライラ…隣の爺さんは、わしが柿ピーはピーナッツが主役じゃと言うのに対して、主役は柿の種じゃと反論するんじゃよ! [/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]まぁまぁ、人それぞれ考えがあるのだから天上天下唯我独尊の気持ちで理解しあったらどうですか?[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]そうじゃな…わしらは柿ピー同好会の初期会員同士じゃし、争うことないよなぁ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]そうですよ。仲良くしてくださいな。(どっちが主役でもどうでもいいわ!)[/chat]
「例文」自信喪失している人を励ますとき
「天上天下唯我独尊」とはどんな時に使われるのでしょうか?
悪い例と良い例を比較しながら、みていきましょう!
「彼女は、世界はすべて自分中心にまわっていると思ってるらしい…天上天下唯我独尊な人だなぁ。」
[chat face=”22441335-4-e1642126107723.jpg” name=”グレスケ” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]上記の例では自分が一番という、うぬぼれの意味のまちがった使い方をしているね![/chat]
「時」そのものの中に生きて居ると云ふことは、「天上天下唯我独尊」と云ふことでなければならぬ。
参考文献:鈴木大拙『時の流れ』
「天上天下唯我独尊というように、あなた そのままで価値があるだよ!ほら、この激辛カレー食べて元気出すだよ!」
[chat face=”22441335-3-e1641963688534.jpg” name=”ハチ” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]インド人が「天上天下唯我独尊」を使って励ましてるとは驚きじゃ![/chat]
「類義語」唯我独尊(ゆいがどくそん)
唯我独尊(ゆいがどくそん)
[jin_icon_bulb color=”#e9546b” size=”21px”] 天上天下唯我独尊の略。
深い心理だ。心理を説いた立派な学問だ。大般涅槃経あたりに行くと、世尊がいかに唯我独尊であつたかといふことが愈わかつて来る。
参考文献:田山録弥『孤独と法身』
[box04 title=”花祭り”]花祭りとは、仏教を開いたお釈迦さまの誕生を祝う行事で、一般的には4月8日に寺院で行われているお祭りです。
お釈迦さまが生まれたとされるネパールのルンビニの花園を見立てた花御堂の誕生仏に、甘茶をかけてお祝いします。
[jin_icon_bulb color=”#e9546b” size=”21px”] 花御堂の誕生仏は、お釈迦さまが生まれてすぐに「天上天下唯我独尊」と言ったとされた時の姿を表しています。
[jin_icon_bulb color=”#e9546b” size=”21px”] 甘茶とはユキノシタ科のアマチャの葉を蒸して揉み、乾燥させて煎じたお茶のことです。
ほんのりとした甘みがあり漢方薬としても使われており、飲むと無病息災でいられるそうです。
[/box04]
「英文」天上天下唯我独尊二つご紹介
I alone am the world honored one.
(私だけが世界的に名誉ある人です。)
- I alone am the 私だけ(唯我独尊)
- world honored one 世尊(天上天下)
[chat face=”22441335-1-e1641956258182.jpg” name=”ミケ” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]世尊とは、お釈迦さまを敬っていう呼び方のことだよ![/chat]
Holy am I alone throughout heaven and earth.
(天と地の至る所で私は一人で聖なる者です。)
- Holy am I alone 私は一人で聖なる者(唯我独尊)
- throughout heaven and earth 天と地の至る所(天上天下)
まとめ
天上天下唯我独尊とは「自分という存在は世界に一人だけであり、尊いものである。」という人間の尊厳を説いたことわざです。
私たちは普段、「あの家はうちより立派ね。」とか「あの人はT大卒よ。」とかの学歴や財産や地位などで人を判断してしまいがちですが、人間は何かしらの条件によって尊いのではなく、何一つ付加することのないそのままの「命」が尊いのであると、お釈迦さまは説いているのですね。
一般的に使われていた「自分勝手」なイメージとはかけ離れた、お釈迦さまの素敵なメッセージの言葉なのですね。
天上天下唯我独尊
- 本来の意味はうぬぼれではなく、命は尊いものだという教えを表しています。
- 由来は、お釈迦さまが生まれた時に言った言葉とされています。
- おもに、人を励ますときや、命の大切さを再認識したいときに使われます。
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