「猫に小判」ということわざをご存じでしょうか?
どんなに価値があるものでも、値打ちがわからない者には役に立たないということです。
この意味から考えると、実際のことわざにはありませんが、いくつでも作れそうですね。
- 猫に黄金
- 猫にダイヤモンド
- 猫に金貨
などなど。
本記事では、「猫に小判」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。
読み方 | 猫に小判(ねこにこばん) |
---|---|
ローマ字 | Neko ni koban |
意味 | どんなに価値があるものでも、値打ちがわからない者には役に立たないということ |
使い方 | 価値のあるものを与えたり見せたりしても、何の反応も示さない者に対して使う |
類義語 | 馬の耳に念仏/牛に経文/豚に真珠 ほか |
対義語 | 鬼に金棒/弁慶に薙刀/虎に翼 |
英文訳 | Really big waste of resources. ほか |
猫に小判とは
猫に小判を与えても、何の感動も喜びも起こさない。貴重なものを持っていても、持ち手によっては何の価値もないことをいう。
いろはがるた(京都)の一。
引用:三省堂『ことわざの辞典 特装版』P186
「意味」どんなに価値があるものでも、値打ちがわからない者には役に立たないということ
「猫に小判」とは、どんなに価値があるものでも、値打ちがわからない者には役に立たないということです。
「ことわざのイメージ」
- 価値のあるものを動物に見せても、何のことだかわからず興味を示さない
- 価値がわからない人には、無意味なものである
- 価値のあるものをあげたのに、喜んでもらえずがっかりする
このようなイメージで覚えてみましょう。
「使い方」価値のあるものを与えたり見せたりしても、何の反応も示さない者に対して使う
価値のあるものを与えたり見せたりしても、何のリアクションも返ってこない場合があります。
それに対して興味がなかったり、知識がなかったりすると、見せた人の期待する反応を示せないものです。
今回も、なるぞうさんとなるこさんに、「猫に小判」を使った会話をしてもらいましょう。
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]昔わしが買った古伊万里の壺があったじゃろ?[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]あの、なんでも鑑定団に出したら良い値が付きそうなお宝ですね。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]そうじゃ、そうじゃ。あれをな、隣のばあさんに見せてもなんの興味も示さんかった。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]猫に小判ですね。隣のおばあさんは、実用的なものにしか興味がないんですよ。[/chat]
「見や、銭形とか何とか言ったって、あの
態 は何だい。石原の親分が病気でなきゃア、あんな馬鹿なことを黙って見ちゃいめえ」
「全くだよ、狸が泥棒したって話は、開闢 以来だ。猫に小判ならわかるが、狸に小判じゃ洒落 にもならねえ。神田からわざわざ本所まで恥をかきに来たようなものさ」
いやもう滅茶滅茶です。引用:青空文庫『銭形平次捕物控 たぬき囃子/野村胡堂』
酒はうまい、ほんたうにうまい、うますぎる!
猫に小判を与へることは与へられた猫の無智よりも与へた人間の愚を示すのである。引用:青空文庫『一草庵日記/種田山頭火』
「例文」猫に小判 悪い例・良い例
「猫に小判」は、価値のあるものを与えたり見せたりしても、何の反応も示さない者に対して使います。
ここでは、ことわざを使った悪い例と良い例を紹介します。
猫に小判というが、現在は硬貨よりも札を喜んで加えていく猫が増えた。
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”left” border=”green” bg=”none” style=””]猫がお金の価値をわかっているはずがありません。きっとそのお札には、魚かなにかのにおいが付いていただけですよ。[/chat]
小学生の息子に、貴重な考古学の本を見せたが、まったく興味を示さなかった。まさしく猫に小判。世界に同じものは1冊もないというのに。
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]意外かもしれんが、わしも若いころは考古学を学んでおった。そんなに貴重な本、ぜひ見てみたい![/chat]
「若さ」も、
それを自覚していなければ「豚に真珠」「猫に小判」で、
あってなきに等しい。— 本田宗一郎さん 名言bot (@Honda_dreamsbot) March 18, 2022
羅臼昆布を頂いたのだが出汁を取る以外の用途を知らない 完全に猫に小判
— トミナガ (@naganagatommi) March 19, 2022
「類義語」猫に小判
「猫に小判」のように、類義語には動物を使ったものが多くあります。その中からいくつか、種類ごとにまとめて紹介します。
意味は、猫に小判と同じように、動物に見聞きさせても価値や意味がわからないので反応がない、興味を示さないということです。
馬
馬の耳に念仏
馬に銭
馬の耳に風
牛
牛に経文
牛に麝香
牛に説法馬に銭
牛に対して琴を弾ず
豚
豚に真珠
Cast pearls before swine.
【和訳】豚に真珠を投げ与える
cast(~を投げる)/ pearls(真珠)/swine (豚)
犬
犬に論語
犬に小判
犬に念仏猫に経
「対義語」猫に小判3選
鬼に金棒
【意味】もともと強い者が、さらに強くなることのたとえ。江戸いろはがるたの一つ。
弁慶に薙刀
【意味】じゅうぶんに力のある者が、さらに強みを増すことのたとえ。
虎に翼
【意味】強い力を持つ者に、さらに威力が加わること。
「英文」猫に小判2選
Really big waste of resources.
【和訳】猫に小判
really big ( 噓のよう)/waste of resources(資源の浪費・無駄使い)
He doesn’t know how much it’s worth.
【和訳】彼は、それにどのくらいの価値があるのかを知らない。
doesn’t know(知らない)/how much(いくら・どのくらい)/worth (価値・値打ち)
まとめ
いかがでしたか?
猫に関することわざはたくさんありますが、「猫に小判」は耳にされたことがある方も多いのではないでしょうか。
ほかにも、動物を使った同じような意味を持つことわざが多いことがわかりました。
調べたら、他にもたくさんあると思います。ぜひ皆さんも探してみてください。
- 猫に小判を渡しても、何のことだかわからないように、どんなに価値があるものでも、値打ちがわからない者には役に立たないということ。
- 同じ意味をもつことわざには、動物が出てくるものがたくさんある。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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