「行き掛けの駄賃」ということわざを知っていますか?昔、馬で荷物を運搬する仕事をしていた人のある工夫が語源となっています。
本記事では、「行き掛けの駄賃」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。読み終える頃には、マスターになっているでしょう!
読み方 | 行き掛けの駄賃(ゆきがけのだちん) |
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意味 | 事を完了させるついでに他の事も完了させる |
使い方 | 本来の目的とは別に利益を得たとき |
英文訳 | I went out to eat my way home.(家に帰るついでに外食する) |
類義語 | 御負け、おまけ
便乗 |
行き掛けの駄賃
この「行き掛けの駄賃」は馬子(馬で荷物運びをしていた人)のある工夫からきています。
馬子というのは問屋(現代でいう商店)まで荷物を取りに行き、その荷物を依頼主のところまで送り届けるという仕事です。
しかし、問屋に荷物を取りに行く道中では馬に荷物を載せていません。
そこでその距離を無駄にしないよう問屋の近くまでの荷物の運搬を引き受け、問屋までの行き掛けの駄賃として稼ぎを増やしていたわけですね。
このように馬子が稼ぎを多くするためにしていた工夫が由来となっています。
「意味」ことのついでにもう一つあることをする
この「行き掛けの駄賃」には、本来の目的を遂行するついでにもう一つ利益になることを行うという意味があります。
例えば、家の模様替えをしていたとします。
すると床が埃で汚れていました。すると
「模様替えをするんだったら、ついでに掃除もしておくか」
という気持ちになりますよね。
この「ついでに」というのが行き掛けの駄賃が指す意味となっています。
「行き掛けの駄賃のイメージ」
この行き掛けの駄賃は効率よく物事を進めるときや余った時間や労力で何かできないかという考えから生まれたことわざです。自分にとって思わぬ利益を得たときにも使えることわざですね。
「使い方」本来の目的とは別に何か利益を得たとき
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]この前スーパーへ買い物へ行ったんじゃが、道中で唐揚げが販売されとってな。うまそうで思わず買ってしまったわい![/chat]
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]行き掛けの駄賃というやつじゃな。本来の買い物とは別に良い買い物をしたのう。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]あの唐揚げはとてもパリッとしていて、味付けも最高じゃったの~。くわしいぞうさんも今度食わんか?[/chat]
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]それも良いのう~。今度は一緒に買い物へ行くか。[/chat]
この例文のように、本来の目的のついでに自分にとって利益になることをおこなったという意味合いで使っています。
これを参考に下にいくつか例文を載せてあります。
「例文」悪い例・良い例を紹介
先生に宿題を提出した行き掛けの駄賃として前に起こした悪事について怒られた
ドライブの行き掛けの駄賃で渋滞に巻き込まれた
悪い例では、事のついでに起こったことが自分にとっての利益となっていません。
田舎から都会へ赴いたついでにショッピングモールで買い物をした。行き掛けの駄賃というやつだ。
行き掛けの駄賃として、散歩のついでに自販機でコーヒーを購入した。
良い例では、事のついでに自分の利益となる行動をとっていますね。
「類義語」行き掛けの駄賃2つ紹介
①御負け、おまけに
商品を購入した際にその商品の値下げや追加で他の商品を無償で提供したりすること
②便乗
他人の乗り物に自分もついでに乗せてもらうこと、自分にとって都合の良い機会に乗ること
この二つの言葉を使った例文も紹介していきます。
「家の手伝いをしたおまけに母親に小遣いをもらった」
「友人の新車購入に便乗して、自分もバイクを購入した」
このようにある事をしたら別に自分の利益になることが起きた、自分もついでに都合の良い機会に乗るという意味で使います。
「対義語」行き掛けの駄賃2つ紹介
①下手の考え休むに似たり
何も知恵がないのに深く考えても、何も生まれずに無駄であること
②骨折り損のくたびれ儲け
時間や労力を費やしたのに成果が生まれずに疲れだけが残ること
この二つの言葉を使った例文も紹介していきます。
「新商品のアイデアについて一日中考えていたが、何一つ良い考えが生まれなかった。下手の考え休むに似たりだ」
「ダイエットを一ヶ月頑張ってみたが体重も見た目も変化なしだ。骨折り損のくたびれ儲けというやつか。」
というようにその行動が無駄になる事、行動しても何も利益にならないという意味で使われます。
「英文」行き掛けの駄賃2つ紹介
① I went out to eat my way home.(家に帰るついでに外食をした)
この例文で使った英単語には
「I went out to eat」=外食をした、「my way home」=家に帰るついでに
という意味があります。
② I stopped by a cafe while driving.(ドライブのついでにカフェに寄った)
この例文で使った英単語には
「I stopped by a cafe 」=カフェに寄った
「while driving」=ドライブのついでに
という意味があります。
「行き掛けの駄賃」の本来の目的とは別に自分にとって利益になることをするという意味につながりますね。
「行き掛けの駄賃」まとめ
以上が「行き掛けの駄賃」の意味や分かりやすい使い方になります。
馬子の工夫が由来となっていて事のついでに利益になることを行うという意味
本来の目的とは別に利益を得たときや物事を効率良く進めるときに使える
このような無駄を少なくしよう、効率良くできる方法は無いかという考えが自分にとっての利益につながります。
日常の中で「行き掛けの駄賃」となるような行動をしてみるのも面白いかもしれません。
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