「海千山千」ということわざを知っていますか?とても壮大なイメージが湧くことわざですね。人の経験や知識を喩えた面白い四字熟語となっています。
本記事では、「海千山千」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。読み終える頃には、マスターになっているでしょう!
読み方 | 海千山千(うみせんやません) |
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意味 | 経験豊富で物事を知り尽くしてずる賢い人 |
使い方 | 一筋縄ではいかない上司に指摘されたとき |
英文訳 | Our boss is a strong and experienced man.(うちの社長は強かで経験豊富だ) |
類義語 | 千軍万馬
飽経風霜 |
海千山千
この「海千山千」は古代中国からの言い伝えが語源となっています。
元は「海に千年、山に千年棲みついた蛇は竜になる」という言い伝えで、この世の表も裏も知り尽くして、立派になるという意味でした。
ですが、この「海千山千」という四字熟語が流通していくにつれ、裏も表も知り尽くしたずる賢い人と喩えられるようになりました。
元は人を褒めたり、良い評価をする四字熟語でしたが、時の流れとともに印象の悪い四字熟語に変わってしまいました。
「意味」この世を知り尽くしたずる賢い人
この「海千山千」には、まるで海に千年、山に千年、棲んでいたかのような知識や経験を持ち、ずる賢く曲者であるという意味があります。
例えば、会社のことを何でも知り尽くした慕われていない上司がいるとします。
そういう上司に対して
「会社の良さや悪いところ全てを知っているな」
「今までのキャリアで様々な経験をしてきんだな」と感じますよね。
その何でも知っている、多くの経験を積んでいる、だけど難点もあるというのが「海千山千」が指す意味になります。
「海千山千のイメージ」
一見、海や山のように寛大で人柄が良い人と捉えてしまいそうですが、あくまでその人のずる賢さや強者感を喩えたことわざです。なので、褒めの言葉や前向きな意味と捉えて使わないように注意が必要です。
「使い方」一筋縄ではいかない上司に指摘されたとき
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””](よし。ようやく、くわしいぞうさんに頼まれてた資料が出来たわ!早速、確認をしに行くわ!)[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]くわしいぞうさん!頼まれていた資料の作成が終わりました。確認をお願いします![/chat]
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]ふむ。どれどれ。う~んと、全然なっておらんな。まずここのグラフ表の色付けからなにまでだめじゃ。これじゃあ、読み手には理解されんぞう。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]た、たしかにその通りですね…。修正してきます…。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””](やはりくわしいぞうさんは海千山千と謳われるほどあるわ。作成した資料の修正点を的確に挙げてくれる。また頑張らなくちゃ!)[/chat]
この例文のように裏、表のどちらも知り尽くしその人の前では通用しないという意味合いで使っています。
これを参考に下にいくつか例文を載せてあります。
「例文」悪い例・良い例を紹介
自分の上司は海千山千といった知識や経験を持ちとても頼れる人だ
自分の父親は海千山千のキャリアを活かして企業の社長として活躍している
悪い例では、多くの知識を持っていることに対し、良い評価をするだけになっています。
あの評論家は海千山千といった知識を持っており、討論で勝てるものはいない
あの厳しい先生はこの学校の良さも悪さも知っている海千山千のような人だ
良い例では、多くの知識があると高く評価したうえで難点もあるということを意味とし使っています。
「類義語」海千山千2つ紹介
①千軍万馬
多くの戦いを経験し勝ち抜いてきた人、この世の辛苦をその身で味わってきた人
また、とても勢力の大きい軍隊や戦力の高い軍隊のことも意味します。
②飽経風霜
世の中の苦労や辛さを生き抜き、世渡り上手なこと
飽経は飽きるほどに経験していること、風霜は厳しい環境や困難のこと
この二つの四字熟語を使った例文も紹介していきます。
「あの千軍万馬の監督が率いるサッカーチームは試合で全勝している」
「うちの社長は飽経風霜でどの企業の方とも案件をとることができる」
このように経験豊富でとても大きな力を持っている人という意味で使います。
「対義語」海千山千2つ紹介
①井の中の蛙
自分の知識や価値観だけの狭い世界しか知らず、世の中で得意げに生きている人
②芋の煮えたも御存じない
世間知らずにのうのうと生きている人や甘やかされて育った人
この二つの言葉を使った例文も紹介していきます。
「先輩は自分の考えが全てと思い込んでいて井の中の蛙みたいな人だ」
「この会社にコネで入社したあの社員はきっと芋の煮えたも御存じないんだろう」
というように知識が浅はかで浮かれている人、世間知らずな人という意味で使われます。
「英文」海千山千2つ紹介
① Our boss is a strong and experienced man.(うちの社長は強かで経験豊富な人だ)
この例文で使った英単語には
「Our boss」=うちの社長は、「is a strong and experienced man 」=強かで経験豊富な人だ
という意味があります。
② My mother is experienced and knows everything.(自分の母親は経験豊富で何でも知っている)
この例文で使った英単語には
「My mother 」=自分の母親は
「you can make the impossible possible」=経験豊富で何でも知っている
という意味があります。
「海千山千」の多くの経験を積んでおり、ただ物ではないという意味につながりますね。
「海千山千」まとめ
以上が「海千山千」の意味や分かりやすい使い方になります。
中国の古い言い伝えが語源となっていて、海や山に千年棲みついたような知識とずる賢さがあるという意味
その経験や知識を褒めつつ、難点もある事を表すときに使える
「海千山千」といわれるには良くも悪くも世の中の酸いも甘いも知り尽くしておく必要がありますね。
ずる賢かったとしても、その経験や知識はその人にしかないものですから、尊敬すべきことであるのは間違いないです。
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