「一衣帯水」という故事成語で四字熟語を知っていますか?よく見るけど、ことわざの意味は分からない…なんて方もいらっしゃるかもしれません。
本記事では、「一衣帯水」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。読み終える頃には、マスターになっているでしょう!
読み方 | 一衣帯水(いちいたいすい) |
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意味 | せまい川や海を隔てたとても近い土地。 |
使い方 | 一衣帯水の国に当たる。 |
英文訳 | narrow channel(せまい水路) |
類義語 | 一葦の水 |
一衣帯水とは
出典は中国の南北朝時代(六朝時代)末期の陳を描いた『南史』「陳後主紀」で、隋の文帝・楊堅の言葉。著者は唐の李延寿。
「意味」水辺を隔ててすぐ近く
「ことわざのイメージ」
一筋の帯のように、細く長い川や海峡。転じて、両者の間に一筋の細い川ほどの狭い隔たりがあるだけで、きわめて近接しているたとえ。
意味の切れ目は「一」、「衣帯」、「水」になります。
「使い方」とても近い土地とあらわすとき
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]中国の広東省から危ない橋を渡って香港に船をつける人たちがいるそうじゃ[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]どういうことですか[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]香港のほうが物価が高いから、品物を売って、濡れ手に粟の儲けになるそうじゃ[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]一衣帯水の地ですから、そういうこもあるでしょうね[/chat]
この例文のように、「非常に近い地」という意味合いで使っています。
「例文」出典や記録や小説から
我は百姓の父母たり、豈に一の衣帯の水を限りて、之を拯わざるべけんや。(私はあらゆる民の父母に当たる。ただ一筋の河をへだてのために、民を救わずにいられようか)(陳後主紀)
堺あたりから、中国路の備前、備中などへは 一衣帯水 の近くである。(吉川英治、『私本太平記』「世の辻の帖」)
特に一衣帯水のソ連並びに中共との間には戦争の状態が残っておるのであります。(浅沼稲次郎の三つの代表的演説)
ただ、小倉や 門司 ( もじ ) を隔てて、一衣帯水の海門の潮流が、 鯖 ( さば ) の背のように、 蒼黒 ( あおぐろ ) く、暮れかけているだけだった。(吉川英治『松のや露八』)
「使い方」の注意
近い関係を示すといっても、土地に根ざした関係なので、親しい関係を表すのには使えません。
彼とは一衣帯水の間柄だよ。
「類義語」一衣帯水
一葦の水 狭い水の流れ
「対義語」一衣帯水
万里の波濤を隔てて はるかかなたの海から
「英文」narrow channel
・narrow channel(せまい水路)
The island just over the narrow channel from here.(あの島はこことは一衣帯水だ。)
「一衣帯水」まとめ
隔てはあれども、非常に近い地を表すのに使います。歴史小説や外交文書にはよくでてきますが、なじみが薄い言葉です。
一つ上の視点から見渡している言葉。
日常ではあまり使うことはないでしょうが、使う立場になれるといいかもしれません。
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