いくら永遠の愛を誓った仲でも、命は永遠ではありませんので、ある日突然、相手の死を予想もしない出来事で迎える時もあるかもしれません。「会者定離」とは、出会ったものは、いつかは、必ず別れる運命にあるという、この世や人生は無常であるという意味です。いつかは別れる運命なら、今この時を、大切にしましょう。
本記事では、「会者定離」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。読み終える頃には、マスターになっているでしょう!
読み方 | 会者定離(えしゃじょうり) |
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意味 | 出会う者とはいつか必ず別れる運命にある |
使い方 | いつかはくる別れの場面 |
英文訳 | We never meet without a parting.(別れのない出会いは無い) The best of friends must part.(一番の親友とでも必ず別れはおとずれる) |
類義語 | 愛別離苦/会うは別れの始め/合わせ物は離れ物/生者必滅 |
対義語 | 永久不滅/万古不変/恒久不変 |
会者定離とは
由来は
『遺教経』仏典にある「世皆常無し、会えば必ず離る有り」からきています。
(この世のものはすべて変わりゆき、会った者には必ず別れが訪れる。)
『遺教経』とは、お釈迦様が「涅槃」に入る前に、最後に残した教えをまとめたもので、戒めを守り五欲(財欲・色欲・食欲・名誉欲・睡眠欲)を慎み、「定」を修して悟りの智慧を得ることを説く書物です。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]「涅槃」とは、お釈迦様の入滅(肉体の死)を意味し、知恵を磨き、迷いや煩悩や執着を断ち切り、悟りの境地に到達した最高の境地のこと。「定」は、きまっていること・必ずの意味です。座禅をすることで有名な禅宗という宗派では、特に重要な教えの本だとされています。[/chat]
「意味」別れは避けられない
会者定離とは、出会う者とはいつか必ず別れる運命にあるという、この世や人生の無常さを言った仏教のことば。別れは避けられないという意味です。
・「会者」現世で出会った人のこと。
・「定離」は例外なく離れることになるという意味。
「生者必滅」とは、生命のあるものは、必ず死ぬ時がくるという、人生の無常をいうとき。
『平家物語』の中にも、「生者必滅、会者定離」と続けて使われています。
「生者必滅、会者定離は浮世の習いにて候なり」
[chat face=”tameninaruzo2.jpg” name=”ためになるZO” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]『平家物語』は、鎌倉時代、平家の栄えていた様子と徐々に衰退していく様子を書いた物語なんじゃ。平家の盛衰を記すことで、一時の名誉に固執することの愚かさや無常観を伝えているんじゃ。[/chat]
「ことわざのイメージ」
縁があって出会ったのに、別れがくるなんて悲しい感じがしますね。今、ずっと一緒にいられるのは、貴重なことなのかもしれません。別れにも、成長のための別れならいいですね。
「使い方」出会いと必ず来る別れ
「会者定離」は、別れの場面で使います。なるぞうさんが、可愛がってしつけをしていた子犬と別れることになりました。
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]会者定離というが、辛いのう…。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]なるぞうさん、そんなに落ち込んでどうしたの?[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]盲導犬の子犬を育てる「パピーウォーカー」のボランティアをしておるんじゃが、この可愛い子犬と明日、別れるのが辛いんじゃ。可愛がってきたからのう…。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]盲導犬候補の子犬(パピー)を10ケ月間育てる「パピーウォーカー」をしてるんですよね。もうこの子とは、お別れですか…。早いものですね。[/chat]
これを参考に下にいくつか例文を載せてあります。
「例文」悪い例と良い例
会者定離の愛情を誓い、結婚式を挙げた。
別れるのが前提の結婚になってしまうので、このようなことに使うのは悪い例です。
卒業や就職で別れるのは、会者定離なので、出会った仲間と残った時間を、大事に過ごそう。
出会いがあれば、必ず別れも訪れます。別れは仕方ないことですが、悔いのないように大切に過ごしましょう。このような使いかたは良い例です。
昨日まで元気だったあの人が、突然、心臓発作で亡くなるとは…。生者必滅、会者定離とはいえ早すぎるよ。信じられない。
このように「生者必滅、会者定離」と使われることが多いです。
生まれてきた者はいつかは亡くなるのですが、突然だと辛すぎますね。この時に使うのは良い例です。
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弓道の基本動作の「射法八節」の「会」と「離れ」は、会者定離からきているそうです。竹林流の流祖・竹林坊如成が僧籍であったため、その弓道書に仏教用語の「会者定離」から名付けた言葉で、日本弓道連盟の「弓道教本」に継承されたものです。
「射法八節」は弓道で矢を射る際の八つの基本動作のこと。
・足踏み(立つ位置を決める)
・胴造り(姿勢を整える)
・弓構え(弦に指をかける)
・打起し(弓を持ち上げる)
・引き分け(弓を引く)
・会(狙いを定める)
・離れ(矢を射る)
・残心(矢を射た後の姿勢)
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「類義語」会者定離6つ紹介
愛別離苦
親子、夫婦、兄弟などの愛する者同士が死別する苦痛・悲しみ。「愛別離」は、愛する者が離ればなれになること。仏教で説く四苦八苦の一つ
会うは別れの始め
人と人とが出会うことは、すでに別れの始まりである。出会うものは、必ずいつかはわかれるものだ。
合わせ物は離れ物
合わせて一つにした物は、いつかはまた離れる時がある。夫婦別れなどにいう。
生者必滅
この世に生を受けた者は必ず滅びるという人生の無常さをいう。「生者」は、生きている者。「必滅」は、必ず滅びること。「生者必滅、会者定離」と続けて使われることが多い。
諸行無常
この世のありとあらゆる物体は常に変化する。永遠に続くものなどない。
盛者必衰
勢い盛んな者もいつか必ず滅びるということ。この世の無常をいったことば。
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]「平家物語」冒頭の「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす」として有名なんじゃ。[/chat]
「対義語」会者定離3つ紹介
永久不滅
いつまでもなくなることなく、残り続けること。
万古不変
いつまでもかわらないこと。「万古」長い年月、永遠。「不易」変わらないこと。
恒久不変
果てしなくいつまでも変わらないこと。
「英文」会者定離3つ紹介
・We never meet without a parting.(別れのない出会いは無い)
・The best of friends must part.(一番の親友とでも必ず別れはおとずれる)
・Those who meet must part.(会う人は別れなければならない)
まとめ
命は永遠ではありませんので、ある日突然、相手の死を予想もしない出来事で迎える時もあるかもしれません。「会者定離」とは、出会ったものは、いつかは、必ず別れる運命にあるという、この世や人生は無常であるという意味です。いつかは別れる運命なら、今この時を、大切にしましょう。
意味は、出会う者とはいつか必ず別れる運命にあるという、この世や人生の無常さを言った仏教のことば。別れは避けられないという意味です。
使い方は、別れの場面で使います。
会者定離は、離別に打ちひしがれている人が、悲しみに区切りをつけようとするときに使います。
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