「易者身の上知らず」とは、他人の運命を占うことができる易者でも、自分のこととなるとさっぱり、わからないという意味です。人のことばかりあれこれ言って、自分のことが全然わかっていない、自分自身に無頓着な人のことでもあります。自分を客観的に見れないのかも知れませんね。
本記事では、「易者身の上知らず」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。読み終える頃には、マスターになっているでしょう!
読み方 | 易者身の上知らず(えきしゃみのうえしらず) |
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意味 | 他人のことは判断できても、自分のことになるとわからないこと |
使い方 | 自分のことは棚にあげて人のことをいうとき |
英文訳 | A fortune teller knows not his own fate.
(易者は自分の運命を知らず) I know about others, but I don`t know myself. (人のことはわかっても、自分のことはわからない) |
類義語 | 陰陽師身の上知らず/医者の不養生/髪結いの乱れ髪/儒者の不身持ち/坊主の不信心/紺屋の白袴 |
易者身の上知らず
「易者」とは、
- 中国に古くから伝わる陰と陽の八卦によって、易学で物事の吉凶を判断する人です。八卦見ともいわれる占い師のことです。(八卦=易学で占うこと)
- 天眼鏡で人相をみる人相見も占い師のことです。
- 算木や筮竹を使い占いを職業にしている人のことです。
算木とは、易者が占うときに使う道具で、長さ10cmの方柱状の六本の木で、おのおのに陰陽を示す四面があり、一面の中央に溝がつけてあり、溝がない面は陽、溝のある面は陰を表し、6本で一卦とされています。
筮竹とは、易者が占うときに使う道具で、50本の竹ひごのようなものです。長さは35cm~55cm程度で、その筮竹の中から1本を、筮筒に立て、回答を受信するアンテナのような役割として別にして、49本で占います。気合を込めて左手(天策)と右手(地策)で2つに分け、右手(地策)の中から1本を、左手薬指と小指の間に移し、何本かずつ数えて残った余りを左手に移し、左手に残った本数を元に占います。
「意味」自分のことはわからない
「易者身の上知らず」とは、占いの技術・経験に優れている易者が、他人のことはあれこれ言えるが、自分自身のこととなると、欲や感情が邪魔して正しい判断ができず、わからなくなることのたとえです。
その道の専門家であっても、自分自身のことになると判断を誤ってしまう恐れがあるということです。
「ことわざのイメージ」
運勢占いを色々な易者に占ってもらったことがあります。「当たるも八卦当たらぬも八卦」といいますが、占いは、当たることもあれば、当たらないこともあるので、良い事だけ信じましょう。悪い結果がでても、気にしすぎないようにしたいです。実は気になるのですが…。
「使い方」人のことは目につく
「易者身の上知らず」は、自分のことは棚に上げて人のことを批判するときなどに使います。
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]いつも言っとるじゃろ。なるこさん、またこの漢字のとめができてないぞ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]書道って難しいわ。これでいいですか?[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]書道は、基本の跳ね・とめ・払いをきちんとしないとな。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]あら、なるぞうさんのその漢字、払いができてませんよ。易者身の上知らずとはこのことですね。[/chat]
これを参考に下にいくつか例文を載せてあります。
「例文」易者身の上知らず悪い例・良い例
易者身の上知らずというが、あのひとは、後輩に的確な指摘をするし、自分のミスもない完璧すぎる人だ。
人のことも、自分のこともわかっている人に、使うのは悪い例です。
いつも友人に恋愛相談をされて、あれこれアドバイスしている彼女は、自分の恋愛となると奥手で、未だに彼氏ができていないのは、易者身の上知らずということだ。
人のことはアドバイスできるのに、自分のことがわかっていない。こんなときに使うのは、良い例です。
「類義語」易者身の上知らず
陰陽師身の上知らず
陰陽師は、他人の吉凶ばかり占っているが、わが身の運命に関しては知らないこと。
医者の不養生
人には養生を勧める医者が、自分自身の健康に注意しないこと。正しいとわかっていながら自分では実行しないこと。
髪結いの乱れ髪
髪結いは、人の髪を結ってばかりいて、自身の髪はそのままである。他人のために技術を使うばかりで、自分に手が回らないことのたとえ。
儒者の不身持ち
学問(儒学)を勉強した人は立派なことを言うが、日ごろの行いは良くない。
坊主の不信心
仏道を修行しているはずの僧が、仏を信じないこと。
禁煙すると宣言するが、禁煙できたためしがない父は、坊主の不信心である。
紺屋の白袴
紺屋が、自分の袴は染めないで、いつも白袴をはいていること。他人のことに忙しくて、自分自身のことには手が回らないことのたとえ。
4つ子を保育園に送り出す準備が忙しくて、自分の準備する時間が無くなってしまったのは、紺屋の白袴だなぁ。
「英文」易者身の上知らず2つ紹介
- A fortune teller knows not his own fate.(易者は自分の運命を知らず)
- I know about others, but I don`t know myself(人のことはわかっても、自分のことはわからない)
まとめ
「易者身の上知らず」とは、他人の運命を占うことができる易者でも、自分のこととなるとさっぱり、わからないということです。自分自身に無頓着な人のことでもあります。自分を客観的に見れないのかも知れませんね。
意味は、占いの技術・経験に優れている易者が、他人のことはあれこれ言えるが、自分自身のこととなると、欲や感情が邪魔して正しい判断ができず、わからなくなることです。
使い方は、自分のことは棚に上げて人のことを批判するときなどに使います。
他人のことをあれこれ批判するより、自分自身を見つめ直したほうがいいという戒めの言葉でもあります。
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