「牛に対して琴を弾ず」ということわざを知っていますか?
この言葉を知っているだけで、人とのコミュニケーションの際に、相手と向き合い方が変わるかもしれません。
本記事では、「牛に対して琴を弾ず」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。読み終える頃には、マスターになっているでしょう!
読み方 | 牛に対して琴を弾ず |
---|---|
意味 | 愚かな者にはいくら立派な話をしても何の役にも立たないこと。 |
使い方 | どんな素晴らしいことを説き聞かせても効果のない時に使います。 |
英文訳 | Let the cow hear the harp. |
類義語 | 「馬の耳に念仏」「猫に胡桃をあずける」「馬耳東風」 |
牛に対して琴を弾ず
由来は、中国宋時代に魯の国に公明儀という礼楽を好む士がいました。
その公明儀が牛に向かって琴の名曲を弾いて聞かせても何の反応もなかったが、蚊や虻の羽音や子牛の鳴き声に似せて音を出すと、興味を持って尾を振ったり耳をそばだてたという故事に由来して、能力がない者や愚かな者に、いくら立派な道理を説いて聞かせても全く効果がないことのたとえで使われます。
「意味」何の役にも立たない時
志の低い人や愚人に対して、いかに高尚なことを説き聞かせても、何の役にも立たないという意味です。
ことわざのイメージ
美しい琴を聴かせても反応は無くとも、黒板を引っ掻くような嫌いな音が鳴ったら皆さんは反応しますよね。
牛はどうでしょうか?恐らくどちらが鳴っても無反応かと思います。
このように聞かせた音を理解するような能力が、そもそも備わっていないということです。
「使い方」説明する人を間違えている時
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]君に以前話した、古代中国の歴史についてまだ覚えているかい?[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]わたしは歴史が大嫌いで、学生時代から興味すら湧かなかったので、以前話してくれたことも全く覚えられなかったんですよ。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]そうだったのか。それは先に言ってくれなきゃ。牛に対して琴を弾ず。全く意味がないことだったんだね。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]代わりに今度は、わたしの得意な科学について教えてくださいな。[/chat]
この例文のように、その分野に興味がない人や、理解ができない人に対して、せっかく良い説明をしたところで、全く意味がない、効果がなかったという意味合いで使うとベストでしょう。
また、説明者が説明する人を間違えてしまった場合に、自分への戒めで使う場合があります。
「例文」一度相手と向き合って判断を
新入社員には、この会社のルールを最初に教えるべきだが、牛に対して琴を弾ずというように、理解はされないだろうと思い、教えなかった。
悪い例は、一度も相手と向き合っていないので、この判断を下すのは間違いです。
・行き当たりばったりの彼女に、旅行の持ち物について何度もアドバイスしたが、一向に理解しようとしない。まるで 牛に対して琴弾ず だ。
・若い新入社員に対して、昇進のコツを教えたのに、全く実行しようとしない。これこそ 牛に対して琴を弾ず と言えるだろう。
良い例は、以前相手に対して向き合ったにもかかわらず、全く効果がなかったので、もう助けたくない、もう好きにすればいいといった場合に、「牛に対して琴を弾ず」と言う表現を使うと良いでしょう。
まず一度相手を向き合ってみて、判断するとベストでしょう!
「類義語」牛に対して琴を弾ず4つ紹介
馬の耳に念仏
馬を相手にありがたい念仏をいくら唱えても無駄であることから、いくら良いことを言い聞かせても、まるで理解できなかったり、まともに耳を傾ける気配がなく、何の効果もないたとえです。
例文:彼はクラシック音楽が嫌いなので、いくらクラシック音楽の魅力を語っても、聞き耳を持たないため、馬の耳に念仏だ。
猫に胡桃をあずける
美味しい胡桃は猫にはさっぱり値打ちが分からないといったことから、「無駄なこと」と言う意味合いで使われます。
例文:毎日カップラーメンしか食べない息子に、地方から健康的な食材を送っても調理すらしようとしなかった。まるで猫に胡桃をあずけるだ。
馬耳東風
他人の意見や忠告聞き流し、心にも留めず知らん顔していることです。
例文:彼の業務態度が会社全体の印象を悪くするため、社長から注意されたが、馬耳東風の彼は聞き流していた。
「英文」牛に対して琴を弾ず1つ紹介
Let the cow hear the harp.
と翻訳できます。また琴はharpとして翻訳されています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
・名曲を知らぬ牛に琴を弾いて聴かせたところで、牛はその名曲を理解できないことが由来。
・愚かな人にはいくら立派な話をしても無意味であるときに使います。
・一度も向き合ったことがない相手には使いません。
自分は誠意を持って話をしたことも、相手にとっては価値がなかったんだと気づいた時に、悔しく切ない思いをしたことないでしょうか?
人とのコミュニケーションにおいて、多かれ少なかれこういった経験はつきものです。
しかし、古代中国からの伝わった「牛に対して琴を弾ず」が、現代も変わらず残っているのだから、人とはそういう生き物であると割り切ることができるでしょう。
この言葉を通じて、今後の相手との向き合い方も変わってくるかもしれません。
コメント