「完璧」。
日常生活でもよく使われ、よく目にする言葉のひとつです。小学生でも使います。では何故あえてピックアップするのか…。
実は間違えて覚えている、正しい漢字が書けていないという人が意外と多い言葉なのです。
本記事では、「完璧」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。読み終える頃には、マスターになっているでしょう!
読み方 | 完璧(かんぺき) |
---|---|
意味 | 足りない部分が一切なく優れているさま |
使い方 | その理論は完璧だ |
英文訳 | perfect |
類義かん | 完全な・満点の |
完璧とは
【由来】
「完璧」という言葉は「矛盾」と同じように、中国で古くから伝わる話からできた故事成語です。中国の史記「藺相如伝」で、「璧」とは中国で昔からあがめられている翡翠などの宝石のことを指しています。中国戦国時代、趙の王が所有する名玉「和氏の璧」を秦の王が欲しがり、15の城との交換を強要しました。
しかし趙は、泰が璧を奪って城を渡す気はないことを見抜きます。そこで家臣の藺相如を使いに出して璧を渡すことに。藺相如は「実はこの璧には少々傷がついております。それをお見せしたので貸していただけますか」と嘘をついて璧を取り戻します。藺相如は、命をかけて約「和氏の璧」を傷1つつけずに完全な状態で持ち帰り、任務を完うしたのです。
このことから中国語では「完璧帰趙」(元のままの璧が趙に帰る)という言葉ができ、「壊すことなく元の姿のまま持ち主に返すこと」という意味を表すようになりました。
日本で使われている「完璧」は、中国の成語の前半だけを使用しているもので「欠けているところがない非常に立派なさま」という意味です。中国語でも前半の「完璧」のみを使うことがありますが、通常4字一緒の意味で使用されています。「完璧」の意味は日本語と同じ。ただし話し言葉ではほとんど使用されず、書き言葉として使います。
「完璧」は多くの人が欠点のないことという意味で使用していますが、「大切なことを全うすること・大切なものを取り戻すこと」という意味もあると認識しておきましょう。
「意味」不足が全くなく優れているさま
日本人であれば「完璧」の意味は言わずもがなと思います。
では「完璧」な「人」に対してのイメージはどうでしょう。全てに対して優れているイメージがあり、まさに「完璧主義」。自分に対しても人に対しても厳しい視点でものを見る方が多いという印象です。そんな「完璧」な人、世間ではどんなイメージを持たれているのでしょうか?
「完璧」な人のイメージ」
「几帳面」「整理整頓が整っている」「プライドが高い」「全てにおいてミスがない・ミスを許さない」「頑固」など、他にも沢山あります。
これらを見ていると「仕事ができる人」と取れそうですね。しかし、恋愛や結婚に関しては残念なデータを発見しました。
完璧すぎる人は恋愛や結婚において「面倒くさい」と思われることが多いとのこと。そのためか離婚率が非常に高いそうです。完璧な人は自身が完璧なだけに相手に対しても完璧を求める傾向にあるとか。その思いが強すぎると受け止められなくなるということでしょう。
「完璧」じゃない人間だからこそ面白みがあり、「完璧」を求めるからこそ努力しようとする前向きな気持ちが芽生るのかもしれませんね。
「完璧」と「完壁」どっちが正しい?
気づいていない方も多いのではないでしょうか?正しくは「完璧」と書き、「完壁」は誤用です。どちらも「へき」と読みますが、下の部分が一方は「玉」、一方は「土」。傷のない「宝玉」という意味を持つ「完璧」が正解です。
「壁」はよく使用される漢字ですが、「璧」はあまり使用されていないというのも間違えやすい要因の一つ。
ちなみに間違った漢字「壁」は、建物の外周の部分や前進を阻むものの意味で使われている言葉です。
「完璧」という漢字に対してのアンケート調査結果です。
「この漢字を使うことで、意味の把握が容易になる」と思った人は88.1%。「読みにくいのでフリガナをつけてほしい」と思った人は10.2%。「読みにくいので平仮名で書いてほしい」と思った人は1.1%。
と、「完璧」という漢字自体を支持する人は多いのですが、正しい漢字を書ける人は少ないという面白い結果になりました。これをきっかけに「完璧」に書けるようになるといいですね。
「使い方」欠点が全くなく見事なようすを表すとき
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]床の艶出しスプレーはどこにあるのかな?[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]昨日もスプレーしてたから、今日はもうしなくてもいいんじゃないですか?[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]いやいや、毎日しないと本来の艶はでないものなんじゃよ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]あらまぁ。何事も完璧にしないと気がすまないんですねぇ。[/chat]
この例文のように、完全で少しも手落ちのないことのない万全なことを意味しています。また欠点や不足が全くないことを意味する「完全無欠」などもそうです。
「完璧」ではなく「壁」の使い方
「世界記録の壁を破る」「アイデアがでなくて、企画段階で壁にぶつかってしまった」「この城は城壁で守られています」「壁をリフォームする」など。「完璧」とは全く意味が異なるので漢字には注意が必要です。
これを参考に下にいくつか例文を載せてあります。
「例文」欠けたところがないという表現で使用
ノーヒットノーランという完「壁」な試合を披露した
文章に間違いはないのですが、漢字が間違っています。「壁」ではなく「璧」を使用しましょう。
今日のプレゼンテーションは完璧です。何も直すべきところがありません。
「完璧です」の他、「完璧に」「完璧なので」「完璧ではない」「完璧主義」など、「完璧」を使った言い回しは多様にあります。
「類義語」完全・万全など4つ紹介
「完全」
欠けたところや足りないところがないこと
「万全」
手落ちが全くないこと
「十全」
少しも欠けたところがないこと
「完全無欠」
どこから見ても欠点や不足が全くないこと
「英語」perfect(パーフェクト)
「完璧」を英語にすると「perfect」。日本語と同様に耳なじみのある単語ではないでしょうか?
「完璧」を使用した文章の例として「彼の日本語はほぼ完璧です」。こちらを英語にすると「His Japanese is almost perfect」となります。
「番外編」書き間違えの多い漢字
その他日本には沢山の漢字が存在しますが、「完璧」のように間違えやすい漢字も沢山あります。最後にいくつかご紹介します。この機会に覚えていただければ幸いです。
「完璧」のように完璧に覚えにくい漢字いろいろ。
【しゃれ】酒(さけ)ではなく、正解は「洒落」。横棒が一本ないので注意。
【ざんまい】三味と書きそうですが正解は「三昧」。左が「口」ではなく「日」です。
【ぼしゅう】正解は「募集」です。分かりにくいのですが「刀」ではなく「力」です。
【せいせき】成積ではなく、正解は「成績」。「のぎへん」ではなく「いとへん」です。
【ふんしつ】粉失ではなく、正解は「紛失」。似ていますが米ではなく糸。
【ぶんせき】分折ではなく正解は「分析」。「てへん」ではなく「きへん」です。
【おぎわら】萩原ではなく正解は「荻原」。またおぎわらさんもいればおぎはらさんもいます。また萩原さんもいるため間違えないよう注意。
まとめ
全ての漢字を完璧に覚えている人なんて中々いないのではないでしょうか?とはいえこの記事を読んでくださった貴方は、少なからず「完璧」の意味は完璧にマスターいただいたことと思います。
完全で欠けたところが一切ない見事なさまという意味を持つ「完璧」ですが、さて「完璧」なものって実際存在するのでしょうか?
「完璧」でないからこそ「完璧」に向かって努力する姿勢が実は大切なのかもしれませんね。
「完璧」の漢字に注意!「壁」ではなく「璧」。「完壁」は間違いです。
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