「秋の鹿は笛に寄る」という言葉は、秋の時期には鹿が笛の音に引き寄せられるように、人間も誘惑に負けやすくなるということを表現したものです。セールやキャンペーンなどのお得な情報に引き寄せられる。自分に合わない商品やサービスを買ってしまう。などがわかりやすい例ですね。
初めて聞いたという方は鹿って笛によってくるんだぁ。と思われていると思います。
しかし、このことわざはそんな可愛いもの危険な目に遭う意味です!
もっと詳しく「秋の鹿は笛に寄る」の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます!
それでは、早速見ていきましょう!
読み方 | 秋の鹿は笛に寄る(あきのしかはふえによる) |
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ローマ字 | Aki no shika ha fue ni yoru |
意味 |
|
使い方 | 絶望的な時
「秋の鹿は笛に寄るというように、彼氏に財産を全て取られてしまった。」 |
英文訳 | People may bring about their demise for love.(人は愛に終焉をもたらすかもしれません。) |
類義語 | 妻恋う鹿は笛に寄る/飛んで火に入る夏の虫 |
「秋の鹿は笛に寄る」
鹿は秋が発情期です。雌鹿(めすじか)は雄鹿(おすじか)の声で雄鹿の場所へ辿り着きます。人は、その習性を利用し、雄鹿の声に似た鹿笛を吹くと雌鹿が近寄ってきます。そして、近寄って来た雌鹿を捕まえていました。
このことから「秋の鹿は笛に寄る」という言葉が生まれました。
秋の鹿に関係のある和歌が『古今和歌集』の中にあったのでご紹介します。
『古今和歌集』には、
「奥山に 紅葉踏みわけ鳴く鹿の
声きく時ぞ 秋は悲しき」
という、言葉が記されています。
作者は、猿丸大夫(さるまるのたいふ)。
- 猿丸は名前、大夫は5位以上の官位を得ているものと言う証。
- 三十六歌仙の1人
意味は、人里離れた山奥で、紅葉を踏みしめながら、雌鹿に会いたいと泣いている雄鹿の声をきくと、秋は悲しいものだ。ということです。
私は、この和歌は、秋の鹿は捕まえるという考えよりも、秋は悲しさを和歌にしているように感じました。
「意味」秋の鹿は笛に寄る2つ紹介
「秋の鹿は笛に寄る」とは、
①溺愛(できあい)しすぎて破滅すること。
②弱みにつけ込まれ危険な目に遭うこと。
この二つが挙げられます。
一つずつ説明していきますね。
①溺愛(できあい)しすぎて破滅すること
溺愛とは、むやみやたらに愛し過ぎて他のことに気が回らなくなってしまう事です。
「溺」という漢字は、水に溺れるという意味を持っています。また、あることに惹かれてそのことしか考えれなくなるという意味もあります。
以上のことをふまえて、溺愛しすぎて破滅するとは、むやみやたらに愛し過ぎてしまったがために他のことがくずれて成り立たなくなることです。
②弱みにつけ込まれて危険な目に遭うこと
最近、マッチングアプリが流行っていますね。
仕組みとしては、タイプの異性にアプローチをしお互いが同意をすればマッチング成功という流れになっています。
まさに、鹿笛で呼ばれた雄鹿と似ていますね。
話を戻しまして、マッチングアプリは色々な人と繋がれるという良い面も持っていますが、中には悪いことをする人もいると言うことです。
直接会うまでは、メッセージアプリを使って会話をし、徐々に打ち解けていくと思います。
その中の会話で、困っていることや悩んでいることを相談することで自分の弱みを見せています。
その弱みを親身になって聞いてくれると好意が湧きますよね?
そこへ悪い人に付け込まれ、痛い目に遭ってしまうことがあります。
これを「秋の鹿は笛に寄る」というのです!
「使い方」危険な目にあうとき
なるこさん!聞いてください!
どうしましたか?なるぞうさん。
私、婚活サイトに登録したんですよ!それで、1人の女性と今度会うことになったんです!
そうなんですか!気をつけないとダメですよ!秋の鹿は笛に寄るというのだから慎重になって下さいね。
この例文で使っている「秋の鹿は笛に寄る」の意味は、②の弱みに付け込まれ痛い目に遭うです。
これを参考に下にいくつか例文を載せてあります。
「例文」秋の鹿は笛に寄る2つ紹介
①②の意味での例文をそれぞれご紹介します!
①溺愛(できあい)しすぎて破滅すること
例文1:「ずっと信じてついてきたのに、秋の鹿は笛に寄るとなってしまった。」
例文2:「今まで沢山あなたのために頑張ってきたのに、秋の鹿は笛に寄るとなってしまうとは。」
例文3:「彼女は彼に夢中になっているが、秋の鹿は笛に寄ると言うことにならないといいのだけれども。」
②弱みにつけ込まれて危険な目に遭うこと
例文1:「秋の鹿は笛に寄ると言うように、気づいた時にはもう手遅れだった。」
例文2:「秋の鹿は笛に寄ると、何度も忠告されていたのに、結局何もかも失った。」
例文3:「秋の鹿は笛に寄るというけれど、彼女は財産や仕事を全て失ってしまった。」
「類義語」秋の鹿は笛に寄る2紹介
いくつか「秋の鹿は笛に寄る」の類義語をご紹介します!
妻恋う鹿は笛に寄る(つまこうしかはふえによる)
意味
溺愛(できあい)しすぎて破滅すること。
また、「妻恋う鹿」とは、雌鹿を呼ぶために雄鹿か泣いている様子のことです。
例文
「彼は彼女ができたら妻恋う鹿は笛に寄るとばかりに、財産を貢いでしまった。」
飛んで火に入る夏の虫(とんでひにいるなつのむし)
意味
夏の夜、蛾などの虫は電柱の光の周りに集まっているのを見ますよね。集まってきた虫たちは、焼け死ぬことがあります。
そのことから、自分から危険な場所などに飛び込むことを表しています。
例文
「素人がカーレースに参加するなんて、飛んで火に入る夏の虫というものだ。」
「英文」秋の鹿は笛に寄るの意味
「秋の鹿は笛に寄る」の英文と、その意味を解説します。
英文では、
People may bring about their demise for love.
と言うように書きます。
意味は、
人は愛に終焉をもたらすかもしれません。
と言う意味になります。
終焉:命の終わり
まとめ
・意味は、
①溺愛(できあい)しすぎて破滅すること。
②弱みにつけ込まれ危険な目に遭うこと。
・使い方は、全てが崩れ果て何もかも絶望的な時、危険な目に遭った時に用いられています。
恋は人を幸せにします!しかし、時にはどん底まで突き落とすこともあります。
今が楽しくて周りが見えなくなってしまい、「秋の鹿は笛に寄る」と言うようなことにならないように気をつけましょう!
そして、あなたの恋がみのることを願っています。
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