悪事千里を走るという、ことわざの意味や使い方について解説します。
「悪事千里を走る」は、日本のことわざであり、「悪い行いは遠くまで広がる」という意味を表します。つまり、一度悪いことをすると、その影響は広範囲に及び、長期間にわたって続く可能性があるということです。このことわざは、悪い行いをすることの重大性と、その後果を考えるようにという警告を含んでいます。
「悪いこと」とわかっているのに、やってしまったことや、ちょっとしたイタズラのつもりが、とても大きな問題に発展してしまったことはありませんか?自分では「そんなつもりはなかったのに…」と思っていても、それがキッカケで、今までコツコツ積み上げてきたものが一瞬で台無しになってしまうことがあります。
そうならないために、心に留めておきたいのがこのことわざです。
それでは早速見ていきましょう。
読み方 | 悪事千里を走る(あくじせんりをはしる)
→ 好事門を出でず悪事千里を行く(こうじもんをいでずあくじせんりをゆく) |
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意味 | 悪い行いや評判は、あっという間に世間に広まってしまうと言うこと。 |
使い方 | 見つからないと思っていても、どこかで誰かが見ているものです。だから悪いことはしてはいけない。 |
言い換え言葉 | 「悪事千里を走る」→「悪事千里」 |
英文訳 | ・Ill news comes apace(悪い知らせはたちまち届く)
・Bad news travels fast(悪い噂はすぐに広まる) |
類義語 | ・開いた口に戸は立たぬ
・悪い噂は翼を持つ |
対義語 | 人の噂も七十五日 |
悪事千里を走る
悪事千里を走るの由来は、中国の『北夢瑣言』に書かれていることわざ「好事不出門、悪事千里」が元となっています。「好事門を出でず」は「良い行いは、なかなか世間に知られない」ということです。それと対になる言葉として「悪事千里を走る」が使われ、こちらが広く知れ渡ることになりました。
【意味】悪い行いや評判は、たちまち世間に広まる
誰にも知られずに、隠しておきたいようなことをしてしまったことはありませんか?誰しも1度や2度は経験がありますよね。しかし、そんな時。何故か家族に知られていたり、クラスの皆が知っていたり、会社で噂が広がっていたり…
いつもは、どんなに良い行いを続けていても、なかなか人に認められることはないのに、1度でも悪いことをしてしまうと、あっという間に広まって信用を無くしたり、窮地に立たされることがあります。
悪い行いは、見つからないと思っていても、どこかで誰かが見ているものです。
このことわざは、「悪い行いは、すぐに広まってしまうから気をつけよ」という教訓でもあります。
悪事千里を行く(走る)」の略として、「悪事千里」とも言います。
【例文】自分だけは大丈夫と思っていたのに…そんなに甘くはありません
例文1契約書通りに仕事をせず、手抜き工事をしていた会社
・耐震基準に満たない工事をしていることが世間に知れ渡り、あっという間に注文が激減してしまった。悪事千里を走るとはこのことだ。
例文2日々のちょっとしたパワハラが、気付けば会社中に噂が広まってしまい、左遷されてしまった。悪事千里を走るを身をもって痛感した。
自分のストレスを職場の部下たちで発散していた上司
さらに以下例文
- 彼は会社で不正行為をして解雇されたが、その後もその評判は広がり、他の企業でも就職が難しくなってしまった。悪事千里を走るとはまさにこのことだ。
- 政治家が選挙中に虚偽の約束をして票を得たが、その後に実現できなくなったため、選挙民から批判を受け、信用を失った。悪事千里を走るということわざが現実のものとなった。
- 学生が学校でいじめをしていたが、その悪事が広まり、学校全体に悪影響を与えることになった。悪事千里を走るということわざを思い出させられた。
- 不正行為をしていた政治家が、ついに捕まって罰せられたが、その過去の行いが広まり、政治家としての信用を完全に失ってしまった。悪事千里を走るとはこのことだ。
- 社員が不正行為を行ったことが、顧客や取引先からの信用を失わせ、その会社の業績にも悪影響を与えた。悪事千里を走るとは、まさにこのことだ。
- 詐欺グループが大量の被害者を出したが、被害者たちがネット上で情報を共有し、広く注意を呼びかけることによって、犯罪者たちの行方を追うことができた。悪事千里を走ることの逆効果と言える。
【使い方】悪いことをしたとき
最近、なるこさんの好きな俳優さん。テレビで見なくなったのぉ。やはり、あの不倫騒動が原因かのぉ。
そうじゃろうね。あんなに順風満帆だったのに、それが壊れるのは本当に一瞬の出来事だねぇ。
これこそ「悪事千里を走る」じゃな。せっかく今まで頑張ってきたのに…信用を取り戻すのは時間がかかりそうじゃな。
皆、心のどこかで「自分だけは大丈夫」と思っているんでしょうね。悪いことはしてはいけませんね。
これが「悪事千里を走る」の正しい使い方なのか、色々な意見があると思いますが、これは覚えやすく、教訓を踏まえた例文になったと考えられました。
【類義語】悪事千里を走る・2つ紹介
「悪事千里を走る」の類義語を2つ紹介します。
開いた口に戸は立たぬ(あいたくちにはとはたたぬ)
他人が言いふらす勝手な評判や悪口は、防ごうとしても防ぐことが出来ない。
悪い知らせは翼を持つ(わるいしらせはつばさをもつ)
悪い知らせや噂は、翼が生えて空を飛ぶようにすぐに広まっていくということ。
【対義語】人の噂も七十五日
意味:噂話というものは七十五日も経てば忘れ去られる、というもの。
例文:失敗なんて気にしないで。人の噂も七十五日なんだから。
春夏秋冬一つずつの季節が約75日であり、人の噂も季節が変わるころには忘れられてしまうだろうという意味もあるのです。
【英文】悪事千里を走る・2つ紹介
「悪事千里を走る」の英文を2つ紹介します。
Ill news comes apace
悪い知らせはたちまち届く
- ill:悪い
- news:知らせ
- comes:来る
- apace:遅れず
Bad news travels fast
悪い噂はすぐに広まる
- bad:悪い
- news:ニュース
- travels:移動する→広まる
- fast:すぐに
「悪事千里を走る」まとめ
良い行いは、人に知られないのに、悪い行いや噂はあっという間に世間に知れ渡るという、人生の教訓のようなことわざです。誰も見ていないと思っても、どこかで誰かが見ているものだ。だから、悪いことをしてはいけない。と自制心を促す時に使われます。
あなたも、「自分だけは大丈夫。バレるわけがない」と思ったことがあると思います。
しかし、そんなことはありません。誰かが見ているものです。噂が広まってしまってからでは、本当に追い詰められてしまいます。
そうならないためにも、日々の行いに気を付けながら、毎日を楽しく過ごしていきたいですね。
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