蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)という言葉の意味や例文、類義語や使い方について徹底解説します!
あまり聴き馴染みの無い言葉かもしれませんが、読み終えた頃には「蛙鳴蝉噪」マスターになっていること間違いなし!
読み方 | 「蛙鳴蝉噪」(あめいせんそう) |
---|---|
意味 | ①蛙や蝉の鳴き声のように、やかましく騒ぐこと。 ②不毛な議論や拙い文章の例え |
使い方 | 無意味な話し合いの比喩 |
英文訳 | ①annoying noise ②fruitless argument |
類義語 | 驢鳴犬吠 |
対義語 | 微言大義 |
蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)
「蛙鳴蝉噪」の出典は中国唐代中期の文人・韓愈の「平淮西碑評」です。蛙や蝉のガヤガヤとした鳴き声を表現しています。
早速、意味や使い方を解説していきます!
「蛙鳴蝉噪」は2つの意味がある
「蛙鳴蝉噪」は、意味が2通りあります。
①蛙や蝉の鳴き声のように、やかましく騒ぐこと。
②不毛な議論や拙い文章の例え
「蛙」や「蝉」の漢字が使われており、蛙や蝉が鳴いていることがイメージできる四字熟語ですね。
「類義語」「驢鳴犬吠」との比較
「蛙鳴蝉噪」の類義語は、「驢鳴犬吠」が挙げられます。
似た意味の四字熟語は使い分けが難しいですよね?
今回は「蛙鳴蝉噪」と、「驢鳴犬吠」という類義語について比較し、使い分けられるように解説します!
「驢鳴犬吠」(ろめいけんばい)
ロバと犬の鳴き声、聞くに耐えない議論や文章のたとえ。
「蛙鳴蝉噪」と異なり、騒がしい音という意味合いは希薄のようです。
不毛な議論、拙い文章という意味では共通していることが分かります。
「騒がしい音」という意味で使用する場合は「蛙鳴蝉噪」を使用するといいでしょう。
「対義語」微言大義を紹介
微言大義(びげんたいぎ)
意味:簡潔な言葉で奥深い意味や道理を含んでいること。
【由来】
孔子が書いたとされる「春秋」の記述法を評したもの。
- 「微言」:奥深い言葉
- 「大義」:深い道理
「英文解釈」蛙鳴蝉噪の意味に合わせた英文
蛙鳴蝉噪を英文訳すると、どのような表現になるでしょうか。
Weblio和英辞書には以下の2つがあげられています。
annoying→やかましい、うるさい
noise→騒音fruitless→意味のないこと
argument→議論
annoying→直訳すると「うるさい騒音」となります。
fruitless→直訳すると「意味のない議論」となります。
どちらも辞書的な意味をシンプルに表した英語訳です。もう少し「蛙鳴蝉噪」の字義に寄せた英訳を作成してみたので、紹介します。
【自作】annoying annual barks
・annoying→やかましい
・annual→蛙
・barks→鳴き声
直訳すると「やかましい蛙の鳴き声」です。
ポイントは以下の2点です。
【ポイント】
①頭韻を揃え、韻を踏む
②蛙の鳴き声を表現
①頭韻を揃え、韻を踏む
頭韻というのは言葉の初めの音の事です。「annoying annual barks」の場合、「a」で頭韻を揃えています。
原文「蛙鳴蝉噪」は、似た漢字を連続で使用しており、声に出した時の語感も良い四字熟語だと感じたので、英文訳にも活かしてみました。
②蛙の鳴き声を表現
「蛙鳴蝉噪」の意味だけ捉えると、「うるさい騒音」ですが、漢字を見ると「蛙」や「蝉」が使われており、鳴き声を表す四字熟語だということが分かります。
そこで、蛙を意味する「annual」鳴き声を意味する「barks」を使用し、蛙が鳴いている情景をイメージ出来るように英文訳を作成してみました。
「字義」騒がしさを表現
「蛙鳴蝉噪」の一つ一つの字義を確認しましょう。
どのような特徴があるのでしょうか。
今回は「例解新漢和辞典 第四版 増補新装版」(2019・3株式会社 三省堂)を参照しました。
①蛙
やかましい。みだらな。【例】蛙声(アセイ)(=カエルの鳴く声、また、みだらな音楽)
②鳴
鳥や獣が声を出す。なく
③蝉
セミ科の昆虫。セミ。おすは、夏に木の幹などにとまって、鳴く。【蝉時雨】多くのセミがいっせいに鳴いている音を、時雨の降る音にたとえたことば。
④噪
(鳥などが)さわがしい。やかましい。さわぐ。
「蛙鳴蝉噪」は「蛙鳴」、「蝉噪」という似た意味を持つ二字熟語を合わせた四字熟語です。
また、「蛙」という文字に意味に「やかましい」という意味があるのに対して、「蝉」にはそのような意味がないことが分かりました。
「使い方」蝉の泣き声は無くならない
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]はあ、本当にここ数日は暑くて、まさに「焦熱地獄」だねえ。。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]そうですねえ[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]蝉の鳴き声もうるさくて、「蛙鳴蝉噪」とはよく言ったもんだ[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]おじいさん、文句ばっかり言っても何も変わらないでしょう。まさに「蛙鳴蝉噪」ね[/chat]
騒がしい蝉の鳴き声、しかし決してなくならないのも事実です。そのような変えられない事実についていつまでも嘆くことも、「蛙鳴蝉噪」と言えるでしょう。
さらに理解を深めるために、いくつか例文を紹介します。
「蛙鳴蝉噪」3つの例文
より理解を深めるために「蛙鳴蝉噪」の例文を作成しましたので、紹介します。
①今日の会議は蛙鳴蝉噪だった。
②あの人はよく蛙鳴蝉噪な発言をする
③貴重な話し合いの場で蛙鳴蝉噪しないでくれ
「蛙鳴蝉噪」は、このように名詞のみならず、動詞や形容詞としても使用できる四字熟語です。
まとめ
「蛙鳴蝉噪」の意味や使い方を紹介しました。
最後に意味をまとめます。
②不毛な議論や拙い文章の例え
類義語との比較や、字義についても理解し、しっかり使い分けましょう!
コメント