「郷に入っては郷に従え」ということわざをご存じでしょうか?
自分がいる場所の風俗・習慣に従うべきだということなのですが、実践している方も多いのではないでしょうか。
昔からの良い風習などは、後世に受け継いでいきたいものですね。
本記事では、「郷に入っては郷に従え」ということわざの意味や使い方、類義語・対義語・英文を徹底解説していきます。
読み方 | 郷に入っては郷に従え(ごうにいってはごうにしたがえ) |
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意 味 | 自分がいる場所の風俗・習慣に従うということ |
使い方 | 風俗・習慣に従おうとしたとき |
類義語 | 所の法に矢は立たぬ ほか |
対義語 | 独立独歩 ほか |
英 文 | When in Rome, do as the Romans do. ほか |
郷に入っては郷に従えとは
[box03 title=”由来”]
「郷に入っては郷に従え」は、鎌倉時代から明治時代中期頃まで日本の初等教育で使われた『童子教』という本に書かれた教訓のうちの一節です。
「郷に入りては而ち郷に随い、俗に入りては而ち俗に随う」からきています。
また、ここに出てくる「郷」には、村里という意味があります。
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「意味」自分がいる場所の風俗・習慣に従うということ
風俗や習慣は地方によって異なるから、知らない土地では、そこの風俗や風習に従って生活せよということ。「郷」は、古代中国の行政区画。地方、田舎の意。『童子教』より。
引用:新星出版社『大きい活字の故事・ことわざ辞典』P203東京外国語大学名誉教授 国松 昭 監修
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]その土地の風俗・習慣には素直に従うのがよい。それが世渡りの知恵じゃ。[/chat]
「ことわざのイメージ」
どこかのグループ(家族・会社・友達など)に加わったときは、そこでのルールに従う。
自分で決めたことを、勝手にやりはじめない。
というようなイメージです。
「使い方」 風俗・習慣に従おうとしたとき
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]ばあさんや、わしと一緒に老人会に入らんか?[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]いいですね。新しいお友達もできそうですね。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]わしは、そこで囲碁がしたいんじゃ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]おじいさん、郷に入っては郷に従えです。まずは、皆さんがなにをやっているか見にいきましょう。その中に、囲碁があるといいですね。[/chat]
次に、悪い例と良い例を紹介します。
「例文」郷に入っては郷に従え 悪い例・良い例
郷に入っては郷に従えだ。私が新たなルールを決めれば、皆それに従うはずだ。
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”left” border=”green” bg=”none” style=””]郷に入っては郷に従えは、今ある風習を学んで馴染むことなのに、新しいことを強要してはいけませんね。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”right” border=”blue” bg=”none” style=””]そうじゃそうじゃ。最初からそんな態度だと、だれも受け入れてくれんぞ。[/chat]
農村にボランティアに来てくれた子は、郷に入っては郷に従えで、私たちのやり方をよく見て頑張ってくれるので助かっている。
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]こちらの例文は良いのう。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]そうですね。もっとしっかり教えてあげようという気になりますね。[/chat]
「類義語」郷に入っては郷に従え5つ紹介
- 所の法に矢は立たぬ:その土地の決まりごとは、たとえ納得できないものであっても、そこにいるかぎりは従うしかないということ
- その国に入る者はその俗に従う:そこに入った者は、そこの習慣やしきたりに従いなさいということ
- 国に入ってはまずその法を聞く:まずそこの法律、決まりごとを聞いておきましょうということ
- 国に入ってはまず禁を問え:まずは禁止事項を確認しましょうということ
- 人の踊るときは踊れ:みんなが何かをするときは、その行動に合わせましょうということ
どのことわざも、あとから入っていく者は、まずはそこに馴染むようにしないといけないということですね。
急に新しいことを強要しても、信頼を失うことになります。
まずは、相手の懐に入らないといけませんね。
「対義語」郷に入っては郷に従え3つ紹介
明確な対義語はありませんが、「郷に入っては郷に従え」と逆の意味を持つ四字熟語を紹介します。
- 独立独歩:他人に頼らずに、自分で考え判断し、己の信じる道を進むこと
- 独立独行:他人に頼ることなく、自力で自分の信じるとおりに動くこと
- 独立不羈:他人から束縛されたり、制御されることなく、自らの考えで事を行うこと
この中で「独立不羈」が一番難しいですね。不羈という漢字、はじめて見ました。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]「不羈」には、束縛されないこと。他から押さえつけにくいことという意味があるぞ。[/chat]
「英文」郷に入っては郷に従え
- When in Rome, do as the Romans do.
- Do in Rome as the Romans do.
どちらも、和訳としては「郷に入っては郷に従え」「ローマにいるときは、ローマ人のするようにせよ」となります。
①を分解すると、
when(とき)/in Rome(ローマにて)/do as(~してください)/Romans do(ローマ人がする)
②を分解すると、
do(する)/in Rome(ローマにて)/ as(~として)/Romans do(ローマ人がする)
となります。
どちらもことわざ辞典に出てきますので、覚えやすい方でかまいません。
こちらのような、違う言い方もあります。
Every country has its law.(どの国にもそれぞれの法がある)
Twitterで面白いのを見つけました。ネパールでも、同じような言葉があるのですね。
【国にはその国の服】
जस्तो देश उस्तै भेष
ジャスト デス ウスタイ ベス※
भेष(衣装や衣類)
郷に入れば郷に従えのネパール版pic.twitter.com/EsVZpxSF7K— ネパール語たん🇳🇵 (@nepali_uni) September 28, 2021
まとめ
いかがでしたか?
冒頭でも申しましたが、皆さんが属しているコミュニティでは、郷に入っては郷に従えを自然と実践されているのではないでしょうか。
その方が、コミュニケーションも取りやすいですし、円滑にものごとが進みます。
やりすぎはよくありませんが、人に合わせるということは、生きていく上で大切なことだと思います。
郷に入っては郷に従えとは、生きていく上で必要な処世術である。
※処世術とは、巧みな世渡りの方法。
「入って」を「はいって」と読まないこと。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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