あなたは「笛吹けども踊らず」ということわざを聞いたことがありますか?
「笛吹けども踊らず」とは「あれこれと手を尽くして準備をしても、それに応じようとする人がいないというたとえ」です。
ことわざのイメージよりも、歌手の米津玄師さんの楽曲として馴染みのある方も多いのではないでしょうか。
本記事では「笛吹けども踊らず」について以下のことを解説していきます。
- 「笛吹けども踊らず」の由来と意味
- 正しい使い方と間違った使い方
- 類義語と英文について解説
それでは詳しく解説していきましょう。
読み方 | ふえふけどもおどらず |
ローマ字 | huehukedomoodorazu |
意味 | あれこれと手を尽くして準備をしても、それに応じようとする人がいないというたとえ |
使い方 | いろいろ手を尽くして働きかけても、人がそれに応じてくれないとき |
類義語 | |
対義語 | 報恩謝徳(ほうおんしゃとく) |
英文 | We have piped unto you,and ye have not danced. |
笛吹けども踊らずとは
由来は、
新約聖書の一つである「マタイの福音書の11章」に出てくるイエス・キリストの言葉からです。
「私たちはあなたたちの為に笛を吹いたのに、あなたたちは踊ってくれなかった。弔いの歌を歌ったのに、胸を打ってくれなかった」という記述があり、この言葉が和訳され「笛吹けども踊らず」ということわざが生まれました。
「意味」あれこれと手を尽くして準備をしても、それに応じようとする人がいない
「笛吹けども踊らず」はあれこれと手を尽くして準備をしても、それに応じようとする人がいないという意味です。踊らせるために笛を吹いても、踊る人がいない様子を表しています。
「笛を吹く」というのは「手を尽くすこと、段取りを整え準備をすること」を例えた表現です。また、「踊らず」というのは「相手が応じない、動かないこと」を例えた表現です。
また、広辞苑では「お膳立てをし、いくらすすめ誘っても、人がこれに応じて動きださないのにいう」と記してあります。
相手のためにいろいろ手を尽くして働きかけても、相手がそれに応じないということです。自分が相手に対してどんなに手を尽くしても、相手が応じてくれないという状況はとても辛いものですね。
ことわざのイメージ
相手のために手を尽くして準備を整えても、相手が応じてくれない
「使い方」いろいろ手を尽くして働きかけても、人がそれに応じてくれない時
なる吉のやつ、
せっかくいろいろ準備していたのに可哀そうにな。
あら、
なる吉がどうかしたんですか?
今度のデートのためにいろいろ準備していたのに
前日に彼女に振られたらしい。
それは「笛吹けども踊らない」ですね。
なる吉、はやく元気になってくれるといいけど。
良い例と悪い例「笛吹けども踊らず」
「笛吹けども踊らず」悪い例
明日の会議のために資料作成をしていた。定時後も先輩から指導を受けていたにもかかわらず、当日遅刻してしまうなんて「笛吹けども踊らず」だ。
「笛吹けども踊らず」は手を尽くしてあげた側からの言葉です。
悪い例は手を尽くしてもらった側からの言葉なので、これは間違った使い方です。
「笛吹けども踊らず」良い例
明日のセミナーのために資料や記念品を用意したにも関わらず、参加者はだれもいなかった。まさに「笛吹けども踊らず」だ。
「手を尽くして準備をしても、それに応じようとする人がいない」を表しているため、これは正しい使い方です。
「対義語」報恩謝徳(ほうおんしゃとく)を紹介
「報恩謝徳」もあまり聞き慣れない言葉ですね。
読み方は「ほうおんしゃとく」です。
受けためぐみや恩義に対して感謝の気持ちを持ち、見合ったお返しをするという意味です。
「英文」We have piped unto you,and ye have not danced.
We have piped unto you,and ye have not danced.
意味は「私たちが私たちが笛を吹いたのに、あなたたちは踊ってくれなかった」です。
新約聖書の一つである「マタイの福音書の11章」に記述があり、「笛吹けども踊らず」の語源です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「笛吹けども踊らず」の意味と使い方は理解できましたか?
あれこれと手を尽くして準備をしても、それに応じようとする人がいない「笛吹けども踊らず」の状況はとても辛いですよね。
では、最後に意味と使い方をおさらいしておきましょう。
- 意味:あれこれと手を尽くして準備をしても、それに応じようとする人がいないというたとえ
- 使い方:いろいろ手を尽くして働きかけても、人がそれに応じてくれない時
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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