「言わぬが花」とは?【意味・使い方・英文】わかりやすく解説!

言わぬが花
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言わぬが花いわぬがはな聞いた事があるでしょうか?

ちまたでは、コミュニケーション能力という言葉が話題になっており、何かと意思疎通のためにしゃべることを意識する人が増えていると思います。

もちろん口で伝えることも大切ですが、つい言いすぎてしまう人とか、言わない方がいい事をわざわざ言う人もいますよね。

そんな時に言わぬが花いわぬがはなが使えるんですね。

どういう意味かというと、悪いことをいう人を注意する時に「言わない方がいいよ」という意味で使う言葉なんですよね。

ただ単に「言わない方がいいよ」というよりも言わぬが花いわぬがはなだよ」といった方がかっこいいですね。この記事を読めば自由自在に使えるようになります!では見ていきましょう!

 

読み方 言わぬが花(いわぬがはな)
意味 黙っていた方が通じる、または黙っている方が安心
使い方 言わないほうがいい
英文訳 Silence is wisdom when speaking is folly.

(しゃべって馬鹿をみるくらいなら、黙っているのが利口)

類義語 言わぬは言うにまさる/沈黙は金、雄弁は銀

[chat face=”tameninaruzo2.jpg” name=”ためになるZO” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””] 北原保雄(著、編集)・加藤博康(著)『明鏡 ことわざ成句使い方辞典』(大修館、二〇〇七)を参照したときに「黙っていた方が安心」の方の意味でしか例文が載っていなかったため、「黙っている方が安心」であるという意味で作りました。ご了承ください。

ただ利用の歴史の部分で触れますが、恐らく最初は、黙っていた方が通じるという意味で使っていた様に思います。[/chat]

目次

「言わぬが花」

花の写真

最初に「言わぬが花」の由来から見ていきましょうといいたいところですが、由来がみつからなかったので、調べた限り最古にこのことわざが出てくる『万葉集』について見ていきましょう!

「奈良時代の使用例」『万葉集』

今回の「言わぬが花」に関しては、本に書いてあるとかその様なものではないようです。

和田利政(監修)『故事ことわざ名言名句実用辞典』(主婦と生活社、一九九六)によれば、「何もかも話してしまってたのでは、あまりに露骨すぎて、趣も何もないとする、日本人の美意識が表現されている。」と書かれています。

また、同書によれば「花」は花みたいにきれいという意味であると指摘しています。

もう少し掘り下げてみましょう。

和田利政(監修)『日本語編 故事ことわざ知識辞典』(主婦と生活社、一九九六)によれば、

奈良時代に活躍した政治家である藤原広嗣作の歌には既にこのことわざの考えが表れています。出典は『万葉集』です。それでは確認してみましょう!

「この花の一代ひとよのうちに百種ももくさことこもれるおほろかにするな」

和田利政(監修)『日本語編 故事ことわざ知識辞典』(主婦と生活社、一九九六)

より引用

【訳】

「この花の一代のうちにいろいろなことばがこもっている。いいかげんにしなさるな。」

和田利政(監修)『日本語編 故事ことわざ知識辞典』(主婦と生活社、一九九六)

より引用

【解説】

誰かも知らない少女に桜の花をあげたときに花と共に添えた歌です。

花をさして、私のことはいいませんが、思いはこの花の中にありますという意味です。

和田利政(監修)『日本語編 故事ことわざ知識辞典』(主婦と生活社、一九九六)

を参考

という様に奈良時代にはすでに登場していました。日本人の喋らない方が美しいという価値観は奈良時代には既にあった様です。

 

「意味」言わないことも必要

言わぬが花の写真

「言わぬが花」は黙っていた方が通じる、または黙っている方が安心」という意味でしたね。

もう少しわかりやすいようにイメージを考えてみました。

それでは見ていきましょう。

「ことわざのイメージ」

寡黙で美しい人を思い浮かべましょう。その美しい人が、いきなり大声で手をたたいて笑いだして悪口を言い出したら台無しですよね。

つまり、黙っているからこそ「美しい」ということですね。その様に考えるとわかりやすいと思います。

この様にイメージするとわかりやすいと思います。

[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]「花」が付くことわざは他にもあります。例えば、「見ぬが花」や「物言う花」などです。

この様に見ると日本人と花には深い関係があるようですね。確かによく考えてみると日本人は花見をしますよね。

また「桜」という言葉を使って俳句などの歌を作りますし、花を見ると四季を感じることがあると思います。

その様に考えると日本人と花は深いつながりがありますね。[/chat]

「使い方」時には黙る、それも大切

 

[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]最近私の周りで人の悪口を言う人が多いと思うんだよね。[/chat]

[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]もしかして、人の悪口を一緒に言ってるんじゃないよね?[/chat]

[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]確かに一緒になって悪口を言っちゃうこともあるけど・・・[/chat]

[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]駄目だよ!人の悪口を言うのは。そういう時は言わぬが花だよ。黙っていた方がいいよ[/chat]

[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]そうだね。人の悪口を言っていると自分もいわれちゃうかもしれないからね。気を付けます・・[/chat]

この会話文の様に「言わない方がいい」という意味で使うときは、余計な事を言ってしまった人をたしなめる時に使うといいと思います。

「例文」言わない美学

この会話の様に「言わぬが花」の例文を作ってみました。それでは、みていきましょう!

今回は北原保雄(著、編集)・加藤博康(著)『明鏡 ことわざ成句使い方辞典』(大修館、二〇〇七)を参考に書きました見ていきましょう

 

この話は言わぬが花だよ

言ってはいけないことを「言わぬが花」とは言いませんよね。良い例を見てみましょう!

人のうわさ話は言わぬが花だよ

この様に「言わない方がいい」という意味で「言わぬが花を」使いましょう!

 

「類義語」日本と西洋それぞれ

言わぬが花の花の写真だよ

「言わぬが花」には類義語は数多く存在しますが、日本と西洋語源の類義語をそれぞれ載せました。

それでは、西洋を語源としたものを先に見ていきましょう。

沈黙は金、雄弁は銀

類義語には、「沈黙は金、雄弁は銀」という言葉があります。古谷三郎『古谷メソッド 諺で学ぶ英文法ーことわざのせかいで遊んでみませんか』(白帝社、二〇〇六)によれば、この言葉の出典は、イギリス人の歴史学者であり、思想家でもあるカーライルが記した『衣裳哲学』(岩波文庫では『衣服哲学』)であるとしています。
同書より一応英文を引用しました。

Speech is silver, silence is golden.

訳:「沈黙は金、雄弁は銀」

古谷三郎『古谷メソッド 諺で学ぶ英文法ーことわざのせかいで遊んでみませんか』(白帝社、二〇〇六)より引用

意味は、新村出(編)『広辞苑(第六版)』(岩波書店、二〇〇八)によれば、黙っている方が、よくしゃべる事よりも大切であるという事を意味します。

言わぬは言うにまさる

日本語語源だと「言わぬは言うにまさる」があります。この意味は和田利政(監修)『日本語編 故事ことわざ知識辞典』(主婦と生活社、一九九六)によれば、言葉で言ってしまうより言わない方が効果があるという意味であるとしています。

由来に関して不明ですが、平安時代の『源氏物語』横笛にその言葉が載っています。

確認してみましょう!

【原文】

「言うに出で言わぬは言ふに勝るとは、人に恥じたる気色をぞ見る」

和田利政(監修)『日本語編 故事ことわざ知識辞典』(主婦と生活社、一九九六)より引用

【訳】

言葉に出しておっしゃらないのも、おっしゃる以上に
深いお気持ちなのだと、慎み深い態度からよく分かります

『源氏物語ー第三七帖』より

http://www.genji-monogatari.net/html/Genji/combined37.2.html#paragraph2.3

と書いてあり、同書には、「以降の文学作品に影響にもこのことわざが頻出する」としています。

 

「対義語」もっと言葉を!言葉に力を

対義語には、「言わぬ事は聞こえぬ」があります。意味は和田利政(監修)『日本語編 故事ことわざ知識辞典』(主婦と生活社、一九九六)によれば、初めに言っておかないと、相手に事情を理解されないということを意味しています。この言葉について、日本では物を言う事を嗜める言葉が多い中、このことわざは異質だとしてます。

由来に関してはよくわかっていませんが、同書によれば、江戸時代の浄瑠璃『伊賀越道中双六』に既に記述があると言います。

その部分を確認しましょう!本記事の都合上・・・以降も続きますが省略しました。

『よござりますか、まうし言わぬことは聞こえぬ、・・』

和田利政(監修)『日本語編 故事ことわざ知識辞典』(主婦と生活社、一九九六)より引用

とあります。意味は、私が訳したところ「あなたは良いのですか、あなたが申さないことは、私は聞こえない・・

[chat face=”tameninaruzo2.jpg” name=”ためになるZO” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]この訳なのですが、「申す」は「動詞+申す」で「~して差し上げる」という謙譲語になりますが、前についています。

そこで「申す」を謙譲語で訳して「申し上げて、言わない」とも考えましたが、そうなると「私が、あなたに申し上げて、あなたが言わないこと」となって、「言わない」に敬語がかかりません。

なので「申す」を丁寧語として訳そうと思いましたが、その後に「言ふ」がありますので二つ「言う」という言葉になってしまいます。そこで少し考えました。

前の文は「~ございます」で丁寧語です。聞き手を敬っています。その様に考えると話し手と聞き手との間に差があることがわかります。

そして、言う方はどっちかというと「聞き手」ですよね。実際「聞く」には敬語がついていません。なので、二つの動詞をまとめて丁寧語として訳しました。

 

[/chat]

「英文解釈」沈黙に意味を!言葉をつつしめ!

「言わぬが花」には何個か英文がありますが今回は以下の文章を見ていく事にします。

Silence is wisdom when speaking is folly.

(1)Silence

この「silence」は「沈黙」という意味の名詞です。

(2)is

主語が三人称単数形なので「is」です。これは「~です」という意味になります。

(3)wisdom

この「wisdom」は「賢い」という意味です。

(4)when

この「when」は「~するなら」と訳します。この場合「when」の後ろには、主語と動詞を持った文が来ます。

(5)speaking

これは先述した「is」の前に来るので、名詞でなければなりません。なのでこれは動名詞とみます。「~ing」が来たら、基本「動名詞」か「現在分詞」のどちらかなのですが、名詞の意味を表すのは、「動名詞」の方です。ここでは「話すこと」と訳します。

[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]現在分詞について大きく分けると二つあります。

①be動詞と合体して「~している」を表す

②形容詞になる

他にもいくつかありますが、英文解説サイトではないので割愛します[/chat]

(6)is

これも(3)と同じく「~です」と訳します。

(7)folly

これは「folly」は「愚か」という意味になります。

直訳すると「話すことが愚かなら、黙るのが賢い」という意味になります。

[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]

よく見るとこのことわざの英文訳はストレートだと思いませんか?

久野誠「日仏語の諺における対照分析」『岐阜聖徳学園大学紀要 : 外国語学部編. (43)』(岐阜聖徳学園大学,二〇〇四)には、「言わぬが花」に加え、「知らぬが花」などの「花」を使用したことわざを挙げて「……この日本語特有の言い方には簡潔で味わい深いもの。」と指摘しています。

日本語独特の詞的な表現も楽しみながら使うといいですね。

[/chat]

「まとめ」言わぬが花

それでは、意味を確認しましょう!

・言わない方が無難

・言わない方が伝わるという意味もある

この様な意味でしたよね。時には、黙ることも大切だと思います。

言わないとわからないことも多くあります。しかしながら、思ったことすべて言ってしまってはうまくいきませんよね。

だからこそ、「言わぬが花」。悪い事は言わず、相手を褒めることをよく言うように心がければ、人間関係はもっとうまくいくと思います。

この使い分けが肝要であると調べてみて思いました。

[chat face=”tameninaruzo2.jpg” name=”ためになるZO” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]トルステン・ハーフェナー(著)・福原美穂子『心を上手に操作する方法』(サンマーク出版、二〇一二)のよれば、聞いた事より、見たことの方が影響を受けると書かれています。

間違いを指摘したときに、言いすぎてしまうことは思いのほか多くあると思います。

時には、その姿で人をいさめる。その二つを自由に使う事が出来ることが大切だと思います。[/chat]

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