「いずれ菖蒲か杜若(いずれあやめかかきつばた)」ということわざを知っていますか?
あまり聞き慣れないことわざでしょうか?聞いたことはあるけど意味はよく分からない…なんて方も多いのでは?
本記事では、「いずれ菖蒲か杜若」ということわざの意味や類義語、使い方などを徹底解説していきます。読み終える頃には、「いずれ菖蒲か杜若」マスターになっているでしょう!
それでは、見ていきましょう!
読み方 | いずれ菖蒲か杜若(いずれあやめかかきつばた) |
---|---|
意味 | どれも素晴らしくて、選択に迷うこと |
使い方 | 数々の優秀な人たちから一位を選ぶとき |
英文訳 | one being as excellent as the other; both so beautiful it is hard to choose between |
類義語 | 兄たり難く弟たり難し(けいたりがたくていたりがたし)
双璧(そうへき) |
いずれ菖蒲か杜若(いずれあやめかかきつばた)
初夏になると「菖蒲」と「杜若」はどちらも美しい花を咲かせます。
その姿がとてもよく似ていて区別がつきにくいことから生まれたことわざが、
「いずれ菖蒲か杜若」です。
「意味」どれも素晴らしくて、選択に迷うこと
冒頭でも述べたように「菖蒲」と「杜若」はその咲き姿がよく似ていて、どちらも美しい花を咲かせます。
つまり「いずれ菖蒲か杜若」とは、
こんなに美しい、菖蒲か杜若のうちどちらか一つを選ぶなんて難しい!迷ってしまう!
という意味になります。
語源
平安時代末期、源頼政が怪しい鳥を退治したご褒美として、頼政が思いを寄せていた菖蒲前を賜ることになり、十二人の美女の中から見つけ出すように言われました。しかし皆似たような美人でなかなか見つけられずに困った頼政が詠いました。
「五月雨に沢辺の真薦水越えていづれ菖蒲と引きぞ煩ふ」
(いずれが菖蒲であるのか!)
この歌がもとになり「いずれ菖蒲か杜若」ということわざが生まれました。
「類義語」使い方の微妙な違い2選
「いずれ菖蒲か杜若」どれも素晴らしくて、選択に迷うと似た意味のことばを2つ挙げます。使い方の違いも含めて、見ていきましょう。
兄たり難く弟たり難し(けいたりがたくていたりがたし)
このことわざの意味は
「両者とも優れていて、その優劣を決めづらいこと」
・二人の人物を比較するときのみ使う
・三人以上を比較するときは使わない
・人物以外のものを比較するときは使わない
双璧(そうへき)
双璧ということばは一対の宝玉を意味し
「共に優れていて優劣がつけられない二つもの」を指します。
・二人の人物または二つの物を比較するときに使う
・三人以上の人や三つ以上のものを比較するときは使わない
以上2つの類義語に対して、「いずれ菖蒲か杜若」は
三人以上の人物や人以外を比較するときにも使われます。
これを踏まえて、具体的な使い方や例文を見ていきましょう。
「使い方」一つに絞るのが難しい
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”left” border=”green” bg=”none” style=””]社内コンペですが、最終選考に4グループ残っていますね。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”right” border=”blue” bg=”none” style=””]そうなんだ。どのグループも優秀で、いずれ菖蒲か杜若といったところだ。私たち審査員も悩んでいるよ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”left” border=”green” bg=”none” style=””]どのグループが優勝しても素晴らしいプロジェクトになりそうですね。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”right” border=”blue” bg=”none” style=””]そうだな、楽しみだ。[/chat]
この例文では、複数のグループを比較していましたね。
他にもいずれ菖蒲か杜若の例文を見ていきましょう。
「例文」いずれ菖蒲か杜若
・隣の家の三姉妹はみんな美人で、いずれ菖蒲か杜若だ。
・就職活動がはじまった。我社も採用試験を行っているが、いずれ菖蒲か杜若でみなさんとても優秀な方ばかりだ。
・今シーズンのプロ野球はどのチームも順調そうで、いずれ菖蒲か杜若といった状態だ。どのチームが優勝するのか楽しみだ。
「いずれ菖蒲か杜若」まとめ
いかがでしたか?
[box05 title=”いずれ菖蒲か杜若”]・どれも魅力的で、一つ選ぶなんて難しい!という意味
・2つ以上(いくつでも)の、人・物・グループなどを比べるときに使われる
[/box05]
あまり聞き慣れないことわざでしたが、きれいなお花に例えた、風情のある素敵なことわざでしたね。
「どれも素晴らしくて一つだけ選ぶなんて迷っちゃう!」といった場面が、みなさんも日常であるのではないでしょうか。
そんなときにぜひ「いやぁ~いずれ菖蒲か杜若だね」と、かっこよく使いこなしてみては?
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