”人口に膾炙する(じんこうにかいしゃする)”
なんだかびっくりするような 見慣れない漢字が出てきて、何を表しているのかイメージしにくいのが今回のことわざ。
[chat face=”びっくり.jpg” name=”あわてんぼちゃん” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]漢字が分からない!!というか、漢字が読めたところで、全っ然イメージ沸かないんですけど!!
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そんなあなた・・・ご安心下さい!
漢字検定準1級~1級レベルの漢字を使いこなし、あなたもまた一歩、出来る大人に近づきましょう!
読み方 | 人口に膾炙する(じんこうにかいしゃする) |
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意味 | 人々の話題に上って持て囃され、広く知れ渡ること |
使い方 | 広く世間に知られており、持て囃されているものに対して |
類義語 | 口の端に上る(くちのはにのぼる)
口の端にかける(くちのはにかける) |
英文訳 | be well known(よく知られている) |
人口に膾炙する(じんこうにかいしゃする)
[box02 title=”語源”]
中国・唐時代 林嵩の『周朴詩集序』という詩の一節が語源と言われています。
一篇一詠 膾炙人口
一篇・・・一まとまりの文章、詩歌、書物
一詠・・・一つの詩を詠うこと
⇒どの文章や詩も、世の中で広く話題になっている と解釈する事が出来ます
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[chat face=”angel.png” name=”てんしちゃん” align=”right” border=”gray” bg=”none” style=””]”多くの人が知っている”という事ですね[/chat]
「意味」人々の話題に上って持て囃され、広く知れ渡ること
人口に膾炙するの言葉をひとつずつ見ていきましょう。
”人口”・・・人の口のこと、人の人数で使われる”人口”とは異なります。
”膾”・・・・音読みで”かい”、訓読みで”なます”と読み、お正月のおせち料理として食べる”紅白なます”を思い浮かべる方も多いかと思いますが、実は昔は生肉・生魚を細かく切ったもののことを指しました。古代中国、春秋時代において、これらに葱などの薬味や酢をつけて食べていたそうです。
”炙”・・・・音読みで”しゃ”、訓読みで”あぶり”と読み、肉や魚を火に当てる事です。今でも馴染みのある炙り肉や魚の事を指します。
”なます”も”あぶり肉”も味がとても良く、人の口を喜ばせる、万人ウケする事から転じて、”膾炙”は”人の口にのぼり、皆が好きで良く食べ 評判になる”という意味で使われるようになりました。
現代では、”なます”や”あぶり肉”に限らず、広く皆が知っており もて囃されている時に使われています。
「使い方」広く世間に知られており、持て囃されているものに対して
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]ばあさん、ばあさん!ようやく手に入ったぞ!![/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]あら!もしかして先日 隣の奥様が話していた、今を時めく作家さんの作品でしょうか?[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]そうじゃ!あの 彼の大坂で有名な井原西鶴の”好色一代男”の5巻じゃぞ!?つい先程 貸本屋で見つけたのだ![/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]それはそれは!彼は長い間、人口に膾炙する作品を生み出し続けていらっしゃいますね。早く読みたいです!貸してくださいな!![/chat]
このように
広く世間に知られており、もて囃されているものに対しても
人口に膾炙する(じんこうにかいしゃする)
を使うことが出来ます。
[chat face=”angel.png” name=”てんしちゃん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]”人工に膾炙する“は誤った表記ですので、注意してくださいね
[/chat]
「例文」悪い例と良い例
読む人が誰もいないようなマニアックな内容を書くA氏の小説は、決して万人に受ける事が無いと有名である。独特な彼の世界観は、ある意味人口に膾炙した作品を創出していると言える。
[chat face=”nigaoe_tsuda_umeko.png” name=”ひらめきおばさま” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]あまり良くない、悪い評判で広まっている場合には使われないので注意してくださいね[/chat]
芸術家を名乗ったからには、人口に膾炙して後世に残っていくような作品を生み出していきたい。
[chat face=”nigaoe_edogawa_ranpo.png” name=”ふむふむおじさま” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]作品を見た人みんなを魅了する様な・・・そんな素晴らしい作品を作りたいと言う事だから、この場合は正しい使い方だの [/chat]
「類義語」人口に膾炙する 2つ紹介
口の端に上る(くちのはにのぼる)
人々の噂になったり、話題に上る。
※ただし、ポジティブな場面でもネガティブな場面でも使用されるので気を付ける必要があります。
((使用例))
不倫騒動で世間を騒がせた女優の名前は、2か月も経てば人の口の端に上る事もなくなりましたね。
口の端にかける(くちのはにかける)
噂をする、話題にする、話のタネにする。
※ただし、”言葉の端々に出して言う”という意味合いも持っているので、どちらの意味で使っているかは、その時の文脈で判断する必要があります。
((使用例))
人の口端にかける様な人物とは、今後距離を取っておきたい。
「英訳] be well known
be well known(よく知られている) Well-known – definition of well-known by The Free Dictionary
beは”be動詞“ですので、主語によって形が変わります。wellは”よく”、knownは”知られている”を意味します。
((使い方))
”広く知られている”、”定評がある”という使い方をする時、頻出します。
His success story is well known for all of the world .
彼のサクセスストーリーは、世界中に知れ渡っています。
That cafe is well known for its friendly atmosphere and excellent service.
そのカフェは、フレンドリーな雰囲気と優れたサービスでよく知られています。
[chat face=”nigaoe_edogawa_ranpo.png” name=”ふむふむおじさま” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]さて、ここで問題じゃ!
Bach is a well known a classical music composer that everyone knows his name.
どういう意味か、分かるかな??[/chat]
正解は・・・・
[chat face=”music_Bach.png” name=”バッハさん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]”バッハは誰もがその名を知っているほど有名(よく知られている)なクラシック音楽の作曲家です。” でした。いやぁ、、、照れますね!!
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ご参考までに!!
まとめ
この記事では、人口に膾炙する(じんこうにかいしゃする)をご紹介致しました。
膾炙は、人々の話題になり広く知れ渡るという意味で、良い意味で使われるところがポイントです。作品などの”物”に使われると先に述べましたが、世間の人々の話題に上がる”人物”にも使う事ができますよ。
パナソニックの創業者”松下幸之助”は、戦前戦後の怒涛の時代を生き抜いた人口に膾炙する経営者の1人だった。
一時的なブームで知れ渡るのではなく、長きに渡り広く人々に知れ渡るという物や人物にこそ使われるこのことわざ・・・
筆者も人口に膾炙する様な人物になりたいものですが・・・それにはまだまだ修練が必要で、夢のまた夢の様な話で・・・
いかがでしたか?あまり日常会話には登場しないことわざですが、これを機にぜひ正しい使い方に挑戦してみて下さいね!!
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