あなたは、一生懸命取り組んでいるのに自分が思っている通りに物事が進まなくて悔しい思いをしたことはありませんか?
学生時代の部活動だったり、勉強だったり私も何度か経験があります。
今回ご紹介する「隔靴掻痒」はまさにそういったもどかしい気持ちを表すことわざです。
意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。
「隔靴掻痒」を理解してことわざマスターに一歩近づきましょう!
読み方 | かっかそうよう |
---|---|
ローマ字 | Kakka Soyo |
意味 | 思うように物事が進まず、はがゆくじれったいこと。 |
使い方 | 早く出かけたいのに妻に呼び止められて隔靴掻痒の感がある |
英文訳 | Having an itch that one cannot scratch.(搔けないところが痒い) |
類義語 | 二階から目薬/御簾を隔てて高座を覗く |
隔靴掻痒とは?
隔靴掻痒とは、故事成語のひとつで無関門という中国、宋の時代の仏教書の言葉です。
何ぞ況んや言句に滞って解会を覓むるをや。
棒を棹って月を打ち、靴を隔てて痒を掻く、甚んの交渉か有らん。
とあり、現代文に訳すなら、
言地上から棒で星を打とうとしたり、靴を隔てて痒いところを掻いたりしても、なんの真実も得られない。葉尻にこだわっていては、理解することはできない。
「意味」思い通りに物事が進まず、歯痒くじれったいこと
「隔靴掻痒」とは、行動を起こしたときに、成果が得られずもどかしい気持ちを感じること。また、物事が不徹底で核心にふれないことです。
「ことわざのイメージ」
例えば、足先がすごく痒くて搔きたいときがありますよね?
でも、靴を履いていると、「あーっ!!搔きたいのに搔けないーっ!!」とはがゆくじれったいですよね。
素足なら、痒い所を手で掻けるのに、靴があることで痒いところに手が届かない様子を表しています。
「使い方」何度も呼び止められてイライラするとき
さあ、出かけてくるぞ。
あ、なるぞうさん、今日のお掃除当番でしたが、もう終わったんですか?
あ、そうだっだの。まだじゃったわい。
なるぞうさん、それから、犬に餌やりと花壇に水やりもですよ。
もう、それまで言うな。
隔靴掻痒じゃの。
このように、なるぞうさんは出かけたくてしょうがないのに、なるこさんに呼び止められて思い通りに出かけることができないもどかしい気持ちを「隔靴掻痒」といいます。
これを参考に、例文を紹介します。
「例文」思うように作業が進まずじれったいとき
先月取り組み始めた事業が、スムーズに進んでいて「隔靴掻痒」の感がある。
この例文は、思った通りに事が進んでいるという意味で使っているので、間違いです。
パソコンが思うように動かず調べものが思った通りに進まず、「隔靴掻痒」の感がある。
この例文は、思うように進まないという意味で使っているので、正しいです。
「隔靴掻痒」の類義語を2つ紹介
二階から目薬
物事が思うようにいかず、もどかしいさま。また、まわりくどくて効果の得られないことのたとえ。
例:字がうまくなりたくて教室に通い始めたが、その教室は、習字教室じゃなくて料理教室だった。二階から目薬で料理は全く上手にならない。
御簾を隔てて高座を覗く
物事が意のままにならず、もどかしいことのたとえ。
例:家を建てると決意したが、いい土地が見つからず先へ進めない。御簾を隔てて高座を覗く感がある。
「隔靴掻痒」の対義語
麻姑搔痒
物事が思い通り進むこと。痒いところに手が届くこと。
例:君が教えてくれたことは僕にとって麻姑掻痒な情報だった。
麻姑とは、中国伝説上の仙女の名で、後漢の蔡経という人が、鳥のように長い爪を見て、「痒いところを掻いたならさぞかし気持ちよいだろう」と思ったという話が伝わっています。
「英文」
Having an itch that one cannot scratch.
搔けないところが痒い。
Things don’t go as expected and it looks like it’s frustrating.
物事が期待通り進まずイライラしているように見える。
まとめ
いかがでしたか?
隔靴掻痒とは遠回りで核心に触れずもどかしい様子のことです。
しかし、一見遠回りに思えるようなことでも自分次第で後々の成果につながることはあるのです。
イライラせず前向きに取り組んでいきたいものですね。
隔靴掻痒とは?
●靴の上から痒い所をうまく搔けず、もどかしい気持ちを表すことわざ。
●遠回りで核心に触れないこと。
コメント