「亀の甲より年の功」ということわざを知っていますか?「年の功」とあるのでなんとなく年長者をイメージできますね。おおよその意味は理解できていても、詳しく説明するのは意外と難しいですよね?
中学受験によく出ることわざなので、今から勉強される方も多いのではないでしょうか?しっかり勉強してことわざの意味を理解できたらテストもバッチリですね。
「亀の甲より年の功」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。読み終える頃には、マスターになっているでしょう!
それでは、見ていきましょう!
読み方 | 亀の甲より年の功(かめのこうよりとしのこう) |
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意味 | 年長者の豊富な経験は価値があるものだから尊重しよう |
使い方 | 年長者の経験や知識を敬うとき |
英文訳 | ・Age and experience teach wisdom.(老いと経験は懸命さを教える) |
類義語 | 烏賊の甲より年の功/医者と坊主は年寄りがよい/医者と味噌は古いほどよい/一日の長/馬に道をまかす/老いたる馬は道を忘れず/蟹の甲より年の功/経験は学問にまさる/習うより慣れろ/松笠よりも年嵩/無駄に鳥居の数をくぐらぬ/老馬の智 |
対義語 | 麒麟も老いては駑馬に劣る/負うた子に教えられて浅瀬を渡る |
亀の甲より年の功とは
わかりやすくいうと、年長者の長年の知識や経験は、価値があるものだからアドバイスは素直に聞こうという意味です。
由来「亀の甲より年の功」
「亀の甲より年の功」の由来は2つあるとされています。
①亀の寿命は万年、人間は約80年とされています。亀の一生よりも長い年月をかけて得た人間の知識や技術は価値があるという例えです。
②語呂合わせで「亀の甲」と「年の功」を掛け合わせて誕生したといわれています。(分かりやすくいうと現代のラップミュージックのようなイメージで、昔の人々は茶目っ気たっぷりですね。)
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]若い人に色々伝えたいことはあるのじゃが、素直に聞いてくれんこともあるのじゃ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]あらあら、若いときのおじいさんもそうだったじゃないですか。後から会社の上司に言われたことを聞かずに後悔したことがありましたでしょ。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]むむむ、そんなこともあったような気もするのう。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]うふふ、(素直じゃないんだから。)年齢によって獲得できる知能は違うのですよ。今から説明していきますね。[/chat]
・結晶性知能とは
個人が長年にわたる経験や教育学習などから獲得していく能力のことです。これは60歳ごろまで徐々に上昇し、70歳、80歳になればなだらかに低下します。しかし、そのレベルは20歳代に近い能力が維持されています。このことは高齢になっても何かを学び習得することができることが分かりますね。
・流動性知能とは
新しい情報を獲得しそれを処理し操作していく知能です。処理のスピード、直感力、法則を発見する能力を含んでいます。これは30歳代がピークで、その後60歳ごろまで維持されます。そして、それ以降は急速に低下していきます。このように流動性知能が老年期以降低下する事は、加齢に伴う脳機能変化と関連しています。老化現象と言われるものですね。
「意味」年長者の意見は聞いた方がよいということ
年長者は長年経験を積んでいるだけに、若い人にはない知識や経験があります。年長者の経験はありがたいものなので、年上の人の話は聞いた方がよいということです。日本人は年長者を立てる文化があるので、日本人の性質をよく表していることわざですね。
「ことわざのイメージ」
・「経験豊富!」
・「物知り!」
・「ベテラン!」
とても頼りになるイメージの言葉が並びましたね。自分にはないものだからこそリスペクトの気持ちが自然に湧いてきますね。
「使い方」年長者の知識や技術を敬うとき
敬う:対象を高位のものとして礼を尽くすこと。
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]今週は祝日でゴミの回収がないのう。ゴミが臭ってきたわい。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]あらあら、それは気がつきませんでしたね。おじいさん、コーヒーかすをゴミ箱に入れといてくれませんか?匂いを吸ってくれますから。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]おお!それは知らんかったのう。さすが亀の甲より年の功じゃな。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]うふふ、そんな大したものじゃないですよ。[/chat]
このような生活の豆知識は、おばあちゃんの知恵袋といわれていますがとても参考になりますよね?
この例文のように、年長者の知識は尊敬できるという意味合いで使います。
これを参考に下にいくつか例文を載せてあります。
「例文」年長者の知識や経験を褒めるとき
亀の甲より年の功というだろ!年上の言うことは聞きなさい!!
・年長者が若年者に意見を強要するという意味ではないので、使いません。
子育てのことはつい母を頼ってしまう。やっぱり、亀の甲より年の功ね。
・年長者の経験や知識を尊敬している使い方なので、正しい使い方です。
「類義語」亀の甲より年の功3つ紹介
・医者と味噌は古いほどよい
医者は経験を積んだ人ほど診断が早く的確であり、治療も安心して任せられることが多いですね。また、味噌も年月の経ったものほど熟成していて味がまろやかになるという意味です。
・老いたる馬は道を忘れず
歳をとった馬は、道をよく知っており迷うことがないといわれています。馬を人間に例えて、経験を積んだ人は物事の判断を間違えにくいという意味です。
・烏賊の甲より年の功
烏賊の甲は役に立たないけれど、人間は経験を積めば積むほど価値があるため、年長者の経験は尊重しないといけないという意味です。
「対義語」亀の甲より年の功2つ紹介
・麒麟も老いては駑馬に劣る
すごい才能を持った人でも、歳をとれば平凡な人にも及ばなくなると言う意味です。年齢を重ねた人は、知識や経験では積み重ねてきたものがありますが、 どうしても若い人と比べると、体力的に劣ってしまう部分があります。その点を含めたことわざになります。
・ここで登場する「麒麟」は才能の傑出(飛び抜けて優れていること)したものという意味があります。
・「駑馬」とは足が遅い馬のことで、才能が劣るものという意味があります。
・負うた子に教えられて浅瀬を渡る
年長者も未熟な人に教えられることがあるという意味です。小さな子を連れて川を渡るにはおんぶをしますよね。子どもの目線からは川の浅いところや深いところがよく見えるので、大人は深みにはまらずに川を渡ることができるという由来があります。このことわざは「上方いろはかるた」の「お」にあたります。
上方いろはかるたとは…上方とは京都とその周辺の地域のことで、他には江戸(東京)、尾張(愛知)があります。字札48枚、絵札48枚の計96枚で、内容はことわざや教訓になります。地域によって内容が違うので比べてみると面白いですね。
「英文」Age and experience teach wisdom.
・Age and experience teach wisdom.(老いと経験は懸命さを教える。)
・Age and experience→年齢と経験
・teach→教える、伝える。
・wisdom→知恵
「亀の甲より年の功」によく似た英語表現
・person experience is better than book learning.(自己の経験は書物上の人物よりもまさる。)
・Experience counts.(経験がものをいう。)
経験が大切であるという点では万国共通ですね。
まとめ「亀の甲より年の功」
長年積み重ねてきた知識や経験が、人生において大きな財産になることがわかりましたね。どちらが優れているのかといったような優劣をつけるのではなく、若い人にしかできないことや年長者が得意なことは違って当然だと思います。年齢による脳や体の機能の差を理解したうえで、互いの立場を尊重することが大切になってきます。
若い人は年長者の意見を聞き入れにくい時もあるかもしれません。 しかし、そのときに理解できなくても、後になって気づくことがあるはずです。年代関係なく、相手を尊重する気持ちを忘れず、経験を糧にして自己の成長につなげていくことが、今後の力になっていきます。
年長者は若い人に意見を押し付けるのではなく、自分の経験を次の世代の人たちに役立てて欲しいという思いを持つことが大切ですね。「年の功」という表現は人によっては失礼に感じる方もおられるので、使い方には注意していきましょうね。
年長者のアドバイスは素直に聞いてみよう。
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