「勝てば官軍負ければ賊軍」という言葉を知っていますか?聞いたことがあるが意味まではわからないな、という人や、言葉の雰囲気的に戦の話しかな…。など色々な人がいると思います!そんな方の為に、本記事では、「勝てば官軍負ければ賊軍」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。読み終える頃には、マスターになっているでしょう!
読み方 | 勝てば官軍負ければ賊軍(かてばかんぐんまければぞくぐん) |
---|---|
意味 | どんな内容であっても、勝った方が正義になる。 |
使い方 | 勝負ごとや、ビジネスシーンなどでの使用。 |
類義語 | 適者生存(てきしゃせいぞん)
弱肉強食(じゃくにくきょうしょく) |
対義語 | 勝負は時の運(しょうぶはときのうん) |
英文訳 | The end justifies the means.(目的は手段を正当化する。)
Everything is in flux.(万物は流転する。) |
「勝てば官軍負ければ賊軍」とは
「勝てば官軍負ければ賊軍」は、「戊辰戦争」という戦が言葉の由来になっています。
「戊辰戦争(慶応4年/明治元年)」
戊辰戦争は明治維新の頃、西郷隆盛率いる明治新政府軍と旧徳川幕府軍との間で行われた、日本最大にして最後の内戦です。この内戦の結果、それまで「官軍」として仕えていた旧幕府軍は座を奪われ戦争に勝利した新政府軍が新たに「官軍」に任命されました。
「官軍」は、その時の「朝廷」や「幕府」に味方する軍勢の事です。
「賊軍」は「官軍」の反対で、「朝廷」や、「政府」「幕府」の意思にそぐわないとされた側の軍勢の事です。
戊辰戦争で敗れた旧徳川幕府軍は、「賊軍」の汚名に泣いたと言われています。
西郷隆盛さいごうたかもり(1828~1877)
薩摩藩の下級武士の長男に生まれました。3歳年下の幼なじみに大久保利通(おおくぼとしみち)がいます。
13歳のとき、仲間のけんかを止めに入り、そのときの傷が元で刀を自由に振れなくなってしまいました。武道を諦め、学問に励み、薩摩の「郷中 [注1] (ごうちゅう)」仲間のリーダーとして、信頼を得るようになりました。
薩摩藩の役人として働きながら提出した藩政に関わる意見書が認められ、1854年、27歳で藩主島津斉彬の江戸行きに従うことができました。その後も斉彬の側近として活躍します。斉彬が急死した際にはショックを受けました。(引用 中高生のための幕末・明治の本の歴史辞典)
「意味」何事も勝てば正義という事
「勝てば官軍負ければ賊軍」は前途した明治維新での内戦の様に、元々「官軍」であった旧徳川幕府軍が、「賊軍」になり新たに、西郷隆盛率いる明治新政府軍が「官軍」になったように強い物や、勝った方が「正義」になり、負けた方「不正」になるという意味を持っています。
「ことわざのイメージ」
「正義が勝つ」という言葉がありますが、このことわざの通りに考えると「正義が勝つ」のではなく「勝った方が正義」になりますね。
今のこのご時世で、このような思想だと世論からの批判や色々な問題が起きそうな発想ですが、とじは大丈夫だったようですね。
「使い方」「とにかく勝てばいい」という時
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]どうしてあんな反則しちゃったの?[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]監督に、何が何でも勝ってこい!!て言われちゃって…。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]いくら勝てば官軍って言っても、やっぱり正々堂々戦わないと相手に失礼だよ![/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]そうだよね…。つぎからは正々堂々で勝てるようにもっと練習頑張ります…。[/chat]
この例文の様に、「とにかく勝てばいい」といういみあいで使われます。
また、この会話の様に「勝てば官軍」という言い方でこのことわざを略して使うこともあります。
「例文」否定的な意味で使われる場合もある
「勝てば官軍負ければ賊軍」は本来の「とにかく勝てばいい」という意味での
「少し強引なやり方ではあったが、勝てば官軍というのかみんなからの支持が上がった。」
このような使い方のほかにも、
「いくら勝てば官軍負ければ賊軍と言えど、あのような勝ち方はフェアではない。」
このように、そのような勝ち方をした相手を揶揄するような言い方で使用されることもあります。
「類義語」勝てば官軍負ければ賊軍2つ紹介
適者生存(てきしゃせいぞん)
イギリスの社会学者が提唱した生物進化論。環境に最も適したものは生き残り、適していないものは滅びるという事。
例:「時代を読んで、ニーズに答え続けるのが、適者生存の道だ。」
弱肉強食(じゃくにくきょうしょく)
弱いものが強い物の餌食になること。弱者の犠牲の上に強者が栄えること。
野生動物や、現代社会を説明するときに使われる言葉。
例:「現代社会は、弱い企業は強い企業に食われる弱肉強食の世界だ。」
「対義語」勝てば官軍負ければ賊軍
勝負は時の運
勝つことが目的である「勝てば官軍」に対して、勝負事は運が付き物であって、必ず実力だけで勝つとは限らないという意味。
「賊軍」である敗者には慰めの言葉になり、「官軍」である勝者には驕りを戒める言葉になる。
「英文」勝てば官軍負ければ賊軍2つ紹介
The end justifies the means.
目的は手段を正当化する
Everything is in flux.
万物は流転する。
まとめ
いかがだったでしょうか?
・とにかく勝てば正義になるという意味。
・由来は明治維新での西郷隆盛と、徳川幕府の内戦。
・こういった勝ち方の相手を揶揄する言い方にも使われる。
このように、「明治維新」という時代背景があってできたことわざです。
今の時代は、あまりにも汚い勝ち方をしてしまうとSNSやネットニュースで炎上してしまうので注意が必要ですね。
なので、本記事を参考に正しい使い方を覚え、フェアな正々堂々な勝負をするようにしましょう。
コメント