兄たり難く弟たり難しということわざをご存じですか?
「けいたりがたくていたりがたし」と読むこのことわざは、どんな意味があるのでしょうか。
兄たり難く弟足り難しとは、両者ともすぐれていて、優劣が付けられないことです。
本記事では、「兄たり難く弟たり難し」という言葉の意味や類義語、使い方など解説していきます!
読み方 | 兄たり難く弟たり難し(けいたりがたくていたりがたし) |
---|---|
意味 | 両者ともすぐれていて、優劣がつけられないこと |
使い方 | AさんとBさん、どちらも上手で勝ち負けが付けられないというようなときに使おう |
英文訳 | Both are excellent and can not be superior inferior(どちらも優れており、優れていることも劣っていることもできません) |
類義語 | 何れ菖蒲か杜若 / 双璧 / 伯仲の間 |
兄たり難く弟たり難しとは
兄たり難く弟たり難しとは、両者とも優れていて、優劣がつけられないことです。
兄弟とか、同じ学年の子など、運動会や勉強で「あの子の方が足が速い」とか「こちらの子の方がテストの点がよかった」などと比べられることもあるかと思いますが、兄たり難く弟たり難しは「どちらもすごい!頑張った!」というときなどに使うと良いでしょう。
兄たり難く弟たり難しの由来は、
『世説新語・徳行』にある「元方は兄為り難く、李方は弟為り難し」に基づく。
後漢の陳寔が二人の孫から父親のどちらが優れているかを尋ねられ、年齢の多い少ないはあっても、徳行に関して優劣はつけられないと答えた故事から。
兄(優れている)とすることも、弟(劣っている)とすることも難しいという意味。
兄が「おにいさん」、弟が「おとうと」という、そのままの意味ではなく、兄という漢字で「優れている」、弟という漢字で「劣っている」と表現しているようです。
しかしながら、兄=優れている 弟=劣っている という偏見が、ちょっと嫌だなぁと感じました。
みなさんはいかがでしょうか?
個人的な感情はひとまず置いておいて、兄たり難く弟たり難しということわざの意味は、「両者とも優れていて、優劣がつけられないこと」ということを、しっかり覚えておきましょうね[jin_icon_bulb color=”#e9546b” size=”21px”]
「意味」 両者とも優れていて、優劣がつけられない
[chat face=”22102608-1.jpg” name=”べんきょう猫” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]見て見て!こんなにたくさん計算したニャ!エッヘン![/chat]
[chat face=”22081587-1.png” name=”本好き猫” align=”right” border=”blue” bg=”none” style=””]僕のも見てくれにゃ~。いっぱい漢字が書けたんだにゃ![/chat]
[chat face=”22102608-1.jpg” name=”べんきょう猫” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]おいらなんか、かけっこも一番だったニャ![/chat]
[chat face=”22081587-1.png” name=”本好き猫” align=”right” border=”blue” bg=”none” style=””]僕は、お歌で先生に褒めてもらったにゃ~![/chat]
[chat face=”324415.jpg” name=”うっきーくん” align=”left” border=”red” bg=”none” style=””]二人ともすごいよ!兄たり難く弟たり難しっていうのは、このことだうっきー![/chat]
「ことわざのイメージ」
どちらもいいところ、優れたところがあり、どちらが一番か決めかねている時に使うイメージです。
子供を褒める時って、誰かだけがすごい!と褒めると、あまり褒められなかった子がひねくれちゃったり、自信が無くなったりしてしまうと思うのですが、そういう時に子供に話して聞かせると納得してくれそうな言葉です。
「使い方」 どちらも優れている時に使う
みなさんは、焼肉定食ととんかつ定食というように、二つのどちらにしようか迷ったことはありませんか?
上記の例でいうと、焼肉定食は贅沢でがっつりといただきたい時、いいですよね!とんかつ定食もがっつりだし、豪華です。
う~ん…悩みます!
思わずお腹の音が鳴ってしまいそうになります!
これこそが、兄たり難く弟たり難しというということなのです。
なんとなくイメージが湧いたでしょうか?
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]こないだ、隣のじいさんと喧嘩になってのぅ[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]あら、何かあったんですか?[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]隣の爺さんが、自分の白菜の方が大きくて旨そうだと言ってたので、わしも負けじと、わしの大根も立派じゃ!と張り合ってしまったんじゃ[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]どちらも一生懸命育ててるから、言いたくなる気持ちはわかります[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]そうなんじゃ。二人とも丹精込めて育てた野菜が一番だと思うのは当たり前なんじゃ![/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]私はお二人のお野菜をいただいたことがありますけど、兄たり難く弟たり難しという感じでしたよ![/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]そうじゃそうじゃ。どちらも優れておる、でよかったのじゃ!なのに喧嘩になってしまって…わし、今からちょっと謝ってくる[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]そうですね、仲直りできたらいいですね![/chat]
なるぞうさん、一生懸命育てた野菜が隣のおじいさんより劣っていると言われた気持ちになっていたのですね。はたから見たらどちらもすごいというのに喧嘩してしまって、後悔したのでしょう。
「例文」兄たり難く弟たり難し(悪い例・良い例)
では、実際に使う時にはどのように使うとよいのでしょう?
悪い例と良い例を挙げてみましたのでご覧ください。
「このお芋おいしいわ~。一口目と二口目、どちらも負けてないわ~!これが兄たり難く弟たり難しなのね~」
これは、一見したら使い方が合っているようにも思いますが、同じ一つの芋に対して言っているので、惜しいけど間違いです。
両者とも優れていて優劣がつけられないということが、このことわざの意味です。一つのお芋の味の一口目と二口目のことを言っているから、間違った使い方というわけです。
「タロウとミケは、どちらも目の中に入れても痛くないほど可愛い。兄たり難く弟たり難しだ。」
タロウがワンちゃんで、ミケがニャンちゃんでしょう。確かに、どちらも可愛くて癒されますね。どっちの方が可愛いとかなんて、決められっこありません!!
このように、どちらも優れていて優劣がつけられない時に兄たり難く弟たり難しを使いましょう!
「類義語」兄たり難く弟たり難し(3つ紹介)
どちらも優れていて、優劣がつけられないという意味の言葉は、一体どんな言葉なのでしょう?
一緒に見ていきましょう!
①何れ菖蒲か杜若(いずれあやめかかきつばた)
[jin-iconbox03]意味:どちらも優れていて、選択に迷うことのたとえ[/jin-iconbox03]
②双璧(そうへき)
[jin-iconbox03]意味:どちらも優れていて、優劣のつけがたい二つのものや人[/jin-iconbox03]
③伯仲の間(はくちゅうのかん)
[jin-iconbox03]意味:互いに優劣の差のない間柄[/jin-iconbox03]
3つの類義語を紹介しましたが、どれも「どちらも優れていて、優劣がつけられない」と同じような意味の言葉ですね。
何れ菖蒲か杜若という言葉は、私も聞いたことがあります。なので、この言葉が類義語で出てきたときには嬉しかったですね。
「対義語」兄たり難く弟たり難し
対義語は、とくにありません。
「英文」Both are excellent and can not be superior or inferior
兄たり難く弟たり難しの意味は、どちらも優れていて、優劣がつけられないでしたね。
言葉をそのまま英文にすると、ちょっと意味合いの違う英文が出てきてしまうので、意味の方を英語にします。
[jin-iconbox06]Both are excellent and can not be superior or inferior
(どちらも優れており、優れていることも劣っていることもできません)[/jin-iconbox06]
となります。
[jin-iconbox03]Both…両方
excellent…優れた
superior or inferior…上または下
and can not be…することはできません[/jin-iconbox03]
それぞれの単語や短文の意味です。参考になさってください。
まとめ
兄たり難く弟たり難しとは…
[jin-iconbox08]読み方:けいたりがたくていたりがたし[/jin-iconbox08]
[jin-iconbox08]意味:両者とも優れていて、優劣がつけられないこと[/jin-iconbox08]
[jin-iconbox08]由来:『世説新語・徳行』にある「元方は兄為り難く、李方は弟為り難し」に基づく[/jin-iconbox08]
兄たり難く弟たり難しの「たり」を「足り」と書くのは間違いですので、気を付けてくださいね!
いかがでしたか?
どちらも優れていて優劣がつけられないことって、この世界には溢れていると思いますので、もしかしたらこのことわざを使う事もあるのかもしれませんね。
あっ、ちなみに、私の今の気分は「とんかつ定食」です!(笑)
この記事が少しでも読んでくださった方のお役に立てたら、とても嬉しい事です。
「あ~、どっちもいいなぁ!選べない!」って思った時、この記事の事を思い出してくださいね!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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