「臥薪嘗胆」という言葉を知っていますか?中には、字体からは意味が分からないので初めて聞くって方や、聞いたことがあっても意味までは…って方もいるかもしれませんね。
本記事では、「臥薪嘗胆」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。読み終える頃には、マスターになっているでしょう!
読み方 | 臥薪嘗胆(がしんしょうたん) |
---|---|
意味 | 将来の成功を夢見て、耐え忍び苦労をすること。 |
使い方 | 目的達成のための努力 |
類義語 | 捲土重来(けんどちょうらい)
汚名返上(おめいへんじょう) |
対義語 | 再起不能(さいきふのう)
一蹶不振(いっけつふしん) |
英語訳 | endure a long and hard struggle.(長い間の苦労にたえる。)
perseverance(我慢強さ、不屈) |
臥薪嘗胆とは
臥薪嘗胆は、故事成語と呼ばれる中国からの故事が由来になっている言葉の一つです。「十八史略」と呼ばれる、歴史書のダイジェスト版のようなものの一つの、「春秋戦略」の故事が由来になっています。
あらすじは、「春秋時代、呉王の闔呂(こうりょ)は越王の勾践(こうせん)に敗れて戦死。闔呂の息子である夫差(ふさ)は、父の仇を討つために固い薪の上に寝て、その痛みで復讐の志を忘れないようにして、三年後に会稽山で勾践を降伏させた。敗れた勾践は、自室に苦い熊の胆をかけて、この苦さで会稽山での夫差から味わった屈辱を忘れないようにした。のち十数年後、夫差を滅びぼし会稽山での屈辱をはらした。」
となっています。
「意味」恥を忘れず、努力にいそしむ
「臥薪嘗胆」という言葉は、「臥薪」は薪(たきぎ)の上で眠ること。また、「嘗胆」は苦い胆(きも)を」嘗めることを書いています。
このことから、勾践(こうせん)や夫差(ふさ)の様に薪の上に寝たり、苦い胆をなめてでも自分自身を苦しめ、一度味わった恥ずかしい思いや屈辱の念をはらすため、苦痛や苦労を顧みず、努力する様子を表しています。
「ことわざのイメージ」
やったとかやられたなどは、堂々巡りな気もします。それでも、それだけ苦しい思いをしてでも達成したい目標は誰にだってあったとして、なかなか達成できないのも事実だったりしますよね。
それでも、薪の上で寝たり、苦い胆をなめるくらいつらい思いをしても達成しようと思う執念はものすごいことだと思います。
「使い方」つらい日々を振り返り
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]次の試合、去年負けた相手なんだって?[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]そうなんだよ。去年の県大会、1回戦で負けてるんだよ…。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]大丈夫?今年は勝てる見込みあるの?[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]この一年、朝も晩も関係なくあの学校には負けない、臥薪嘗胆の気持ちで過ごしてきたから、絶対負けないよ!![/chat]
この例文の様に、スポーツなどで一度負けた相手を目標にして、練習してきた、きつくてつらい日々を思い返す時などに使える言葉ですね。
今回のような、スポーツや部活動のほかに、ビジネスシーンで競合他社とに負けた後の努力など、様々なシーンで使用できる言葉です。
「例文」誤用に注意
この言葉は、一度味わった屈辱を長い年月掛け噛みしめ努力を惜しまず、将来の成功を掴むための日々をあらわした言葉です。
なので、数時間ほどの苦痛や努力の場合は、誤用になるので注意が必要になります。
「臥薪嘗胆すること8時間、ようやく驚異の練習が終わった。」
こういった使い方の場合は、事の内容が軽く感じられることがありますね。
「去年落ちた資格取得のため、一年間臥薪嘗胆の気持ちで頑張ってきたから今年はうかるだろう…。」
このように、去年取得しようとした資格に落ちて一年間、努力を惜しみなくしていたことを思い出し使用するときなどに使えますね。
「類義語」臥薪嘗胆(がしんしょうたん)2つ
捲土重来(けんどちょうらい)
一度負けた後に、巻き返す様子。
例:「失敗は成功の基。捲土重来の気持ちで、気を取り直していこう。」
汚名返上(おめいへんじょう)
一度失敗ししまい、かぶった悪い評判を覆すという意味。
「汚名挽回」誤用。
例:「今回の汚名返上の為、次の試験では高得点を目指す。」
そのほか、坐薪懸胆(ざしんけんたん)や越王之胆(えつおうんおたん)などがあります。
これは、固い牧の上で寝た夫差のことを坐薪懸胆と表し、苦い胆をなめた勾践を越王之胆表しております。この二つが合わさり、臥薪嘗胆という言葉になります。
「対義語」臥薪嘗胆(がしんしょうたん)2つ
再起不能(さいきふのう)
もう一度以前のような状態に戻れないという意味。
例:「今回の試合に負けて、気持ち的に再起不能なんでもう引退したいです。」
一蹶不振(いっけつふしん)
一度失敗して挫折し、立ち直れない様子を表した言葉。
例:「元々器用で失敗のしたことがなかった彼だが、今回はさすがに一蹶不振みたいだ。」
「英文」臥薪嘗胆(がしんしょうたん)2つ
endure a long and hard struggle.(長い間の苦労にたえる。)
長い間の苦労の様子から、このように例えられます。
perseverance(我慢強さ、不屈)
まさしく不屈の精神の表れのような言葉なので、このような表現にもなります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
・屈辱を忘れず、ひたすらに苦労や努力している様子。
・ビジネスやスポーツなど、様々な場面で使用できる言葉。
・語源は故事成語。
このように、自分が味わった屈辱を忘れず、日々の努力を回想したり、その努力を人に話したりするときなどに使用できる言葉です。
また、この言葉を座右にの銘にして、自分の将来をさらに明るいものにしようと努力もできるでしょう。
本記事を参考に、これから先も臥薪嘗胆で頑張っていきましょう。
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