一馬の奔る、一毛の動かざるは無し(いちばのはしる、いちもうのうごかざるはなし)ということわざをご存知でしょうか。
では一度想像してみてください。馬が美しい鬣をなびかせて走り抜けるときのことです。馬の動きに合わせて毛の一本一本が一緒になって動いているようすが想像できましたでしょうか?
このことわざの意味はある集団の中心になる人物が行動を起こすと、それと一緒に周りの人も動き出すことのたとえです。
本記事では、「一馬の奔る、一毛の動かざるは無し」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。聞きなじみのないことわざがすらすらと出てくると格好いいですよね!ぜひ最後まで読んでことわざをマスターしてみてください。
読み方 | 一馬の奔る、一毛の動かざるは無し(いちばのはしる、いちもうのうごかざるはなし) |
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意味 | 主な者が行動を起こすと、それに付属しているものも一斉に行動を起こすことのたとえ。 |
使い方 | ある集団の中心人物の行動と一緒に周りの人も行動を始めたようすの表現 など |
英文訳 | Look on both side of the shield.
(盾の両面を見よ。) |
類義語 | 蜘蛛の子を散らす(くものこをちらす) |
一馬の奔る、一毛の動かざるは無しとは
『擬連珠』に「一馬の奔る、一毛の動かざるは無し。一舟の覆る、一物として沈まざるは無し」とあるのに基づく。
・故事ことわざ辞典より引用
「意味」主な者が行動を起こすと、それに付属しているものも一斉に行動を起こすことのたとえ
馬の全身の毛をひとつの集団として表現しているたとえになっており、言葉から意味を想像しやすいことわざかと思います。
生活をしているとある集団の一部に知らず知らずのうちになっていたりしますよね。
例えば電車の一両の集団であったり、遊園地の入園待ちの集団であったりします。
ことわざのイメージ
馬が走り出すとその馬の毛がなびくようす
走り出した馬の鬣がなびくように、ある集団の主な人物が行動を起こすと同じように集団全員が一斉に動き出すようすをイメージできます。
「使い方」人々が一斉に動き出すようすを表現するとき
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]都会には人が多くて疲れたのう。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]ええ。とくに横断歩道の信号機が青になった瞬間の人の流れには驚かれたでしょう。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]そうじゃな。まるで一馬の奔る、一毛の動かざるは無しという感じだったのう。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]私まで一緒に流されそうになりましたよ。なるぞうさんと離れてしまいそうで年甲斐もなく少し焦ってしまいました。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]なら次からは手をつないでいようかの。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]ほほほ。なるぞうさんたらご冗談を。でも、たまにはいいですね。[/chat]
この例文のように人が一斉に動き出したという意味合いで使っています。
ここでいう集団とは信号待ちをしている人々のことで、主な人物とは信号機の青信号に一番早く反応した人のことを指します。
これを参考にいくつかの例文をみていきましょう。
「例文」様々な集団が一斉に行動するようすを表現するとき
・学校の壁にいたずらをしている生徒がいたので注意をしたら、まるで一馬の奔る、一毛の動かざるは無しというように逃げていった。
この場合は蜘蛛の子を散らすという別のことわざのほうがしっくりくる言い方かと思います。
・流行に後れまいと新製品が出るたびに一馬の奔る、一毛の動かざるは無しというように新製品の情報を収集し始める。
・新しく入った新入部員の練習意欲はいい刺激になっているようだ。まるで一馬の奔る、一毛の動かざるは無しのようにみんな真剣に練習を始めた。
どちらも集団が一斉に同じ行動を起こすようすを表現しています。
「類義語」蜘蛛の子を散らす(くものこをちらす)
似たようなことわざに「蜘蛛の子を散らす」というものがあります。
意味は大勢のものが四方八方に散って逃げるようすのことです。
このことわざも一斉に行動するようすを表現していますが、こちらはその場から立ち去ることに注目した表現方法に使われています。
「対義語」小田原評定(おだわらひょうじょう)
少々意味が異なってきますが、意見がまとまらず全く行動を起こせない表現に使えることわざに「小田原評定」というものがあります。
意味は誰も責任を持って決断しようとせず、いつまでも結論が出ない会議や話し合いのたとえです。
まとめ
一馬の奔る、一毛の動かざるは無しについて理解は深まりましたでしょうか?
ある集団の主な人物の行動と同じように集団全体が動くようすを表現するときに使用してみましょう。
今回のことわざのように言葉の意味を想像してからそのことわざの正しい使い方を確認してみるとより深く理解しやすくなります。
上手に応用して格好いいことわざマスターになりましょう!
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