「弘法筆を選ばず」ということわざを聞いたことがありますか?
「弘法筆を選ばず」とは、弘法大師のように達筆な人は、筆の良し悪しなど気にはしない。力のある人は道具など問題にしにないという意味のことわざです。
[chat face=”空海.png” name=”空海さん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]名人なら道具や材料がどんなものであってもとやかく言わず、使いこなすのであります。[/chat]
本記事では「弘法筆を選ばず」の意味、使い方、例文などをご紹介します。
そして、「弘法筆を選ばず」と検索キーワードに入力すると・・
・「弘法筆を選ばず 間違い」
・「弘法筆を選ばず 嘘」
なんてワードが出てきて、えっ??間違い?と気になってしまったのでこちらについても紹介します。
読み方 | 弘法筆を選ばず(こうぼうふでをえらばず) |
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意味 | 弘法大師のように達筆な人は、筆の良し悪しなど気にはしない。力のある人は道具など問題にしにないということ。 |
使い方 | 優れた道具でなくても見事に使いこなす人に対して尊敬の意をこめて使う。 |
英文訳 | The skilled mason works with any stone.(熟練した石工はどんな石でも仕事をする。) Powerful people don’t care about tools. (強力な人々は道具を気にしない。) |
類義語 | 善書は紙筆を択ばず/能書筆を選ばず/良工は材を択ばず |
「弘法筆を選ばず」とは
[box03 title=”由来”]平安時代、唐の留学から帰国した弘法大師(空海)は三筆のうちの1人として知られるほどの書の達人でありました。空海は、どんな粗末な筆であっても見事に使いこなしたという伝説がある素晴らしい名人です。このことが由来となり「弘法筆を選ばず」ということわざが誕生しました。[/box03]
[chat face=”最澄.jpg” name=”最澄さん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]唐に到着した際、海賊と怪しまれてしまい、船で何日間も待機させられておった。その時に空海が書いた嘆願書の字がとても優れていたことから入国を許可されたんじゃ。[/chat]
・弘法大師・・空海が醍醐天皇より死後贈られた名前
・三筆・・日本の書道史上の能書のうちで最も優れた3人の並称
[box06 title=”あわせて読みたい”]空海とは?
空海(弘法大師)(744~835)最初儒教を学びましたが、仏教に目覚め、804年に唐に渡り2年後帰国。高野山(和歌山県)に金剛峯寺を立てて真言宗を広めた。そして能書家でもあり三筆の一人に数えられている。[/box06]
「意味」力のある人は道具など問題にしにないということ
「弘法筆を選ばず」の意味とは
[jin-iconbox07]弘法大師のように達筆な人は、筆の良し悪しなど気にはしない。力のある人は道具など問題にしにないということ。[/jin-iconbox07]
「ことわざのイメージ」
・優れた道具でなくても見事に使いこなす人に対して尊敬の意をこめて使うことわざ
・下手な者や未熟な者が、上手くいかないことを道具などのせいにしたときに戒めとして使うことざわ
[chat face=”空海.png” name=”空海さん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]出来ないことを道具のせいにしてはなりません。自分自身の問題なのです。[/chat]
[jin-iconbox01]「弘法筆を選ばず」はどんな道具も見事に使いこなす名人に対して使う場合や、上手くできないことを道具などのせいにする場合にも使うことができます。[/jin-iconbox01]
「使い方」道具にこだわらずまずは努力しようと思ったとき
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]なるこさん、この筆だとうまく書けんのじゃ。やっぱりこの筆は書きにくくてだめじゃのぉ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]ちょっとその筆貸してください。私が書いてみましょう![/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]これはビックリ!上手じゃの~!なるこさん、こんな筆でもうまくかけるなんて、弘法筆を選ばずじゃ![/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]なるぞうさんも筆のせいにせず、練習してみると良いですよ。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]はい、筆にこだわらずまずは練習します。[/chat]
「例文」どんな状況でも実力を発揮するとき
彼のような名人があんな簡単なミスをするなんて弘法筆を選ばずだ。
これは「弘法にも筆の誤り」ということわざと間違えて使っています。
[jin-iconbox01]「弘法にも筆の誤り」とは弘法大師のような筆の達人でも、時には失敗や間違いがあるという意味です。[/jin-iconbox01]
・弘法筆を選ばずというように、彼は切れ味の悪いハサミでも上手にヘアカットしてくれた。
・あの卓球の名人は、フライパンで勝負しても勝利した。まさに弘法筆を選ばずだ。
・試合に負けたことをラケットのせいにしたので、弘法筆を選ばずと教えてあげた。
[chat face=”最澄.jpg” name=”最澄さん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]「弘法筆を選ばず」は尊敬、戒めの意味どちらにも使えますね。[/chat]
「類義語」弘法筆を選ばず(3つ紹介
善書は紙筆を択ばず(ぜんしょはしひつをえらばず)
書道の上手な人は、紙や筆の良し悪しを問わない
[jin-iconbox08]善書は紙筆を選ばずと言うが、職人にとって道具選びは重要な仕事だ。[/jin-iconbox08]
能書筆を選ばず(のうしょふでをえらばず)
字を上手に書ける人は筆の良し悪しを問わない
[jin-iconbox08]木の棒を使って砂浜に書いた字でもとてつもなく素晴らしく、能書は筆を択ばずというものだなと思った。[/jin-iconbox08]
良工は材を択ばず(りょうこうはざいをえらばず)
すぐれた技術を持つ人は材料の良し悪しを問わない
[jin-iconbox08]余り物の木材を使って本棚をつくってくれた。良工は材を選ばずだ。[/jin-iconbox08]
[chat face=”空海.png” name=”空海さん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]3つとも「弘法筆を選ばず」と同じ意味、使い方をします。[/chat]
「対義語」弘法筆を選ばず(2つ紹介
下手の道具調べ(へたのどうぐしらべ)
下手な者に限って道具にこだわりがある
[jin-iconbox08]料理が下手なので良い調理道具をあれこれ買いそろえた、これじゃあ下手の道具調べだ。[/jin-iconbox08]
藪医者の薬箪笥(やぶいしゃのくすりだんす)
腕の劣っている医者ほど、立派な薬箱を持っているように、道具にこだわる。
[jin-iconbox08]初心者なのに立派なゴルフクラブを持っているね、藪医者の薬箪笥って言われちゃうよ。[/jin-iconbox08]
「英文」弘法筆を選ばず(2つ紹介)
The skilled mason works with any stone.
熟練した石工はどんな石でも仕事をする。
[chat face=”空海.png” name=”空海さん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]・「skilled」熟練
・「mason」石工
・「work with」~と仕事する
・「stone」石[/chat]
Powerful people don’t care about tools.
強力な人々は道具を気にしない。
[chat face=”空海.png” name=”空海さん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]・「don’t care」気にしない
・「tool」道具[/chat]
「弘法筆を選ばず」は間違いの真相とは
「弘法筆を選ばず」とは弘法大師のように達筆な人は、筆の良し悪しなど気にはしない。力のある人は道具など問題にしにないという意味です。
所説ありますが、弘法大師は、粗末な筆であっても見事に書き上げたと後世に語り継がれるほどの名人です。
では、これの何が間違いなのでしょうか?
実は弘法大師の漢詩集『性霊集』のなかに、「良工は先ずその刀を利くし、能書は必ず好筆を用う」という言葉を残しています。意味は良い職人はその刀を鋭くするし、能筆家は良い筆を用いるです。この言葉から弘法大師は道具の重要さを説いてたことがわかっております。
そして弘法大師は三筆のうちの一人、嵯峨天皇に書体に合わせて書き分けるよう4種の筆を贈ったというエピソードがあります。
このことから弘法大師は筆選びはとても重要だと考えていたことがわかります。
どんな筆でも素晴らし書体を書けるほどの名人であったことに間違いはありませんが、道具にこだわらなかったということではありません。むしろ、道具選びに関しても名人であったと考えられます。
弘法大師は素晴らしい能力、そして道具選びを大事にしていた優れた書家だったことに間違いはありません。
まとめ
「弘法筆を選ばず」とは
[jin-iconbox03]弘法大師のように達筆な人は、筆の良し悪しなど気にはしない。力のある人は道具など問題にしにないという意味[/jin-iconbox03]
[jin-iconbox03]由来:弘法大師(空海)は、どんな粗末な筆であっても見事に使いこなしたという伝説がある素晴らしい名人であったことから[/jin-iconbox03]
「弘法筆を選ばず」とは
・「名人は道具に左右されない」という尊敬の意
・「自分の未熟さを道具や環境のせいにしない」という戒め
いかがでしたか?
失敗をつい何かのせいにしたくなったとき、「弘法筆を選ばず」を思い出してみてください。
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