「恒産なくして恒心なし(こうさんなくしてこうしんなし)」ということわざを聞いたことがありますか?
あんまり馴染みがない方も多いと思いますが、恒産なくして恒心なし(こうさんなくしてこうしんなし)とは、一定の職業や財産を持たなければ、しっかりとした道義心や良識を持つことはできない!という意味です。
「恒産」とは、一定の職業や財産のこと。
「恒心」とは、正しさを失わない心。
つまり、安定した収入、財産があるからこそ人はしっかりした考え、判断ができる!という意味です。
どうですか?知っていましたか?ご存じの方は中々な博識の方ですね!(^^)!
本記事では、知らなかった方のために恒産なくして恒心なしの意味や使い方、類義語など詳しく見ていきます!
読み方 | 「恒産なくして恒心なし(こうさんなくしてこうしんなし)」 |
---|---|
意味 | 一定の職業や財産を持たなければ、しっかりとした道義心や良識を持つことはできない |
使い方 | 「恒産なくして恒心なしというが、このまま景気が悪化し続ければ治安が心配だ」 |
英文訳 | From hand to mouth will never make a worthy man.(手から口へという貧しい生活[その日暮らし]では、立派な人にはなれない) |
類義語 | 衣食足りて栄辱を知る/衣食足りて礼節を知る/倉廩実ちて礼節を知る/富貴にして善をなし易く、貧賤にして功をなし難し/礼儀は富足に生ず |
道義心(道義を大切にする心)、道義(人のふみ行うべき正しい道)
良識(物事を正しく判断する能力)
「恒産なくして恒心なし」とは
[jin-fusen1-even text=”意味”]
ざっくり言うと、「人は安定した収入や資産がなければ、安定した精神状態を保つことができない」という意味です。中国戦国時代の思想家、孟子という人物が作った言葉です。戦国時代、政治に、教養や地位、お金のことを説いた言葉です。
[jin-fusen1-even text=”語源、由来”]
孟子が人々の生活安定を政治の基本として、その必要を強調したことば。『孟子・梁恵王上』に「恒産無くして恒心有る者は、ただ士のみ能くするを為す。民の若きは即ち恒産無ければ、因りて恒心無し(一定の生業が無くても安定した道義心を持つことができるのは、学問修養のできた士だけである。一般の人は生活が安定しなければ、安定した道義心を持つことができない)」とあるのに基づく。
引用:故事ことわざ辞典
「ことわざのイメージ」
・教養を身につけないと生活も安定しないし、正しい心は養われない。
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”left” border=”green” bg=”none” style=””]将来を見据えて勉学に励んでいる子、子どもの為に頑張っている人には響く言葉ね~。[/chat]
「使い方」政治に対して
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]最近の政治はやり方が悪い![/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]どうしたんですか?急に?[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]恒産なくして恒心なし!景気を良くしていかにゃ国民の精神は安定せん![/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]そうですね、このまま景気が悪くなれば治安も心配です。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]ばあさんのことはワシが守る、安心せい![/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]おじいさん♡[/chat]
「例文」悪い例・良い例
恒産なくして恒心なしというが、景気が良くなると治安が心配だ。
景気が良くなれば人は生活も心も豊かになり精神的にも安定するのでこの言葉では意味が逆になってしまいます。
恒産なくして恒心なしというが、このまま景気が悪化し続ければ治安が心配だ
定まった財産や決まった職業のない人は、定まった正しい心がない。物質生活は人の心に大きな影響を持つもので、それが安定しないものには確固とした道徳心もない。と説いた言葉なので景気が悪くなってしまえば精神的に不安定になり犯罪も増えてしまいますよね?
*それではダメだよ!というニュアンスで使うのが正しい使い方です。
恒産なくして恒心なし類義語5選!
衣食足りて栄辱を知る
生活の苦しいあいだは礼儀どころではないが、ゆとりができればはじめて公徳心をもち、恥になることがないよう努力するものである、というたとえ。
栄辱:誉れと辱め。名誉と恥辱
公徳心:正しい生きかたを守る精神
衣食足りて礼節を知る
着るものや食べるものが十分にあって初めて、人は礼儀や節度をわきまえるようになる。生活にゆとりがないと精神にも余裕は生まれない。
節度:適当な程度。ほどあい。
倉廩実ちて礼節を知る
生活が安定してはじめて礼儀を重んじるゆとりが生じる。
倉廩:米などの穀物を蓄えておくくら。米ぐらや穀物ぐら。
富貴にして善をなし易く貧賤にして功をなし難し
生活に余裕のある者は善行を行うことも容易であるが、貧乏だと物事を成し遂げることもむずかしい。
富貴:財産が豊かで位の高いこと
貧賤:貧しくて身分が低いこと。また、そのさま
礼儀は富足に生ず
礼儀というものは、暮らしが安定することによって、おのずと出てくるものであることをいう。
富足:富んで豊かなこと
「英文」From hand to mouth will never make a worthy man.
From hand to mouth=手から口へ
worthy man=立派な人
From hand to mouth will never make a worthy man.
(手から口へという貧しい生活[その日暮らし]では、決して立派な人にはなれない)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
恒産なくして恒心なしとは一定の職業や財産を持たなければ、しっかりとした道義心や良識を持つことはできない!という意味でした。
お金や職があれば何でもできるわけではありませんし、この言葉が作られた時代とは違い今は誰でも教育を受けることができますが、自分が両親や先人達から学ばせてもらった道義心や良識を次世代にも繋いで行けたらより良い社会になるのではないかな?と思います(#^.^#)
「恒産」とは、一定の職業や財産のことをさす。
「恒心」とは、正しさを失わない心。
元々は中国の戦国時代に作られた言葉で、人々の生活安定を政治の基本として、その必要を強調したことばです。
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