「老いては子に従え」ということわざを知っていますか?
聞いたことがある方も多いのではないかと思います。
まさに字のごとく、年をとったら子供の言うことを聞いた方が良いという意味です。
では、どのように使っていくのでしょうか?
本記事では、「老いては子に従え」という言葉の意味や類義語、使い方などわかりやすく解説していきます。
使い方を間違えないように、しっかりと頭にいれていきましょう!
読み方 | 老いては子に従え(おいてはこにしたがえ) |
---|---|
意味 | 年をとったら、子供に従っていく方がよい |
使い方 | ・自分が年をとって自戒の意味で使うとき ・親や第三者を説得するとき |
英文訳 | ・When old, obey your children.(老いては子に従え) ・Be guided by your children when you are old.(年老いたら、あなたの子供の言うことに従いなさい) |
類義語 | 騏驎も老いては駑馬に劣る |
対義語 | 老いたる馬は道を忘れず |
老いては子に従えとは
「老いては子に従え」の由来は、儒教の理論「三従」です。
「子供のころは親に、結婚したら夫に、老人になったら子供に」従うよう、女性に向けた儒教の理論なのです。
[box01 title=”三従”]凡婦人は、柔和にて人に従う道とす。父の家に在りては父に従ひ、夫の家にゆきては夫に従ひ、夫死しては子に従ふを三従と云ふ。幼より身を終わるまで、我のままに事を行ふべからず
『大智度論』[/box01]
現在では男女関係なく使うようになりました。
前半の文は、日本では性差別と感じる人が多いため、あまり使われていません。
「意味」年をとったら、子供に従っていく方がいい
年をとったら出しゃばったり、我を張ったりしないで、子供に任せて従っていく方がいい、というのが「老いては子に従え」の意味です。
何が何でも、子供の言うことを聞きなさい、という意味ではありません。
子供の意見にも耳を傾けるべきだ、ということです。
子供は、自立できていない頃は親の言うことにきちんと耳を傾けなさい、子供が一家を支える立場になったら親はそれに従いなさい、というお互いの立場を尊重することも大事だという意味が込められているのですね。
「使い方」自分が年をとって自戒の意味で使うとき
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]心配だから、免許を返納してほしいって子供たちに説得されたよ[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]もう80歳ですからね。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]老いては子に従えじゃな。自主返納することにするよ[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]それがいいですよ![/chat]
「例文」親や第三者を説得するとき
・お父さん、腰が悪いんだし農作業は俺に任せてよ。老いては子に従えって言うだろ!
・私より少し若いが、君もいい年だ。そろそろ息子に経営を任せたらどうだ?老いては子に従えだぞ。
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”left” border=”green” bg=”none” style=””]第三者に使う時は、自分より若い人に言わないとね。年上に使うと老人扱いしているようで失礼にあたるわ[/chat]
・バスでお爺さんに席を譲ろうとしたら断られたんだよ。老いては子に従えって言うのにな。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]「老いては子に従え」は親子に使うものじゃ。若い人に従うべきという意味ではないんじゃな[/chat]
「類義語」騏驎も老いては駑馬に劣る
優れた人でも、老いると凡人にも劣るようになる、というのが「騏驎も老いては駑馬に劣る」の意味です。
どんな名馬も、年をとると大したことのない馬に負けるようになることから、優秀な人でも、年老いたら働きや能力が人並み以下になることのたとえです。
※騏驎⇒一日に千里走ることができるといわれる駿馬
※駑馬⇒走るのが遅い駄馬
例文:昔は超一流の選手だった彼も、騏驎も老いては駑馬に劣るというように、今は見る影もないな…
[chat face=”tameninaruzo2.jpg” name=”ためになるZO” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]騏驎は首の長い麒麟のことではないぞ。漢字を間違えないように注意じゃな[/chat]
「対義語」老いたる馬は道を忘れず
「老いたる馬は道を忘れず」とは、経験豊かな人は、判断が適切であるということです。
高齢者の知恵や経験は生かすべきという教えです。
例文:老いたる馬は道を忘れずというし、今回は退職者の意見を聞いてみよう
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]高齢者の知恵を生かすのはいいが、老いたる馬とは響きが嫌じゃなあ。特定の人に対して使うのは気を付けるんじゃぞ[/chat]
「英文」「老いては子に従え」2つ紹介
・When old, obey your children.(老いては子に従え)
・Be guided by your children when you are old.(年老いたら、あなたの子供の言うことに従いなさい)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
意味は、年をとったら、子供に従っていく方がいい
使い方は、自分が年をとって自戒の意味で使うとき・親や第三者を説得するとき
私の両親も、年とともにとても頑固になってきています。
素直に私の意見を聞いてくれることは、ほとんどありません。
私自身は、老いては子に従えという言葉を忘れずに、年老いても素直に子供たちの意見を聞ける高齢者になるぞ!と心に誓いました。
我が家の子供たちもすでに社会人。案外、そんな遠い話じゃないのかもしれません……
コメント