あなたは「屋上屋を架す」ということわざを聞いたことはありますか?あまり聞きなれないですよね。
「無駄なこと・必要のないこと」という意味のことわざです。
本記事では「屋上屋を架す」について意味や使い方など、分かりやすく解説していきます。
最後まで読めば、あなたも詳しくなること間違いなしですよ。
読み方 | 屋上屋を架す |
---|---|
意味 | 無駄なこと、必要のないことをするたとえ |
使い方 | 無駄なこと、必要のないことをしたとき |
類義語 | 泥裡に土塊を洗う 雪上霜を加う / 雪の上に霜 高みに土盛る 川に水運ぶ / 床上に床を施す / 土上に泥を加う |
対義語 | そつがない |
英文 | Attach the fifth wheel to the carriage. Bring a wheat bag to the mill. |
屋上屋を架すとは
~由来~『世説新語』『顔氏家訓』
原典では「屋下に屋を架す」だが、現在では「屋上屋を架す」が一般的。
この言葉が伝わってきたときに「下」が「上」になってしまったという説がある。
「屋根屋を重ねる」ともいう。
「意味」無駄なこと、必要のないこと
「屋上屋を架す」は無駄なこと、必要のないことのたとえ。
「屋根の上に屋根を作ること」で、同じものを重ねるので「無駄なものを作る」「無駄なことをする」という意味になる。また、このことから「重ねてする」というニュアンスも持っている。
屋上=「屋根の上」の意。
屋=「屋根」の意。
「屋上屋を架すのイメージ」
屋根は雨風をしのぐもので、既に屋根があるのに更に屋根を作っても意味はないですよね。そんなやっても無駄なこと、必要のないことをあらわすことわざです。
「使い方」無駄なこと・必要のないことをしたとき
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]ばあさん、何をしてるんじゃ?[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]お風呂のカビ取りをしてるんですよ[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]昨日やったばかりじゃないか[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]そうなんですけど気になってしまって…[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]1週間に1回で十分なんだから毎日やるのは「屋上屋を架す」じゃよ[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]そうなんですけどねぇ…[/chat]
この例文のように、「無駄なこと・必要のないこと」という意味合いで使います。
これを参考に下にいくつか例文を載せてあります。
「例文」無駄なこと・必要のないことを表すとき
「屋上屋を架す」の良い例文と、悪い例文を紹介します。
・せっかく広いスペースがあるのだから「屋上屋を架す」べきだ。
・「屋上屋を架す」というし、ここはもう一度はじめから確認しておこう。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]「屋上に建築物を建てる」という意味や、「念には念を入れる」という意味で使うのは間違いじゃよ[/chat]
・念には念をいれてということかも知れないが、それは「屋上屋を架す」というものだ。
・洗濯洗剤を規定量以上に入れても洗浄力は変わらないから、そんなに入れても「屋上屋を架す」のようなものだよ。
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]もう十分なことを更に重ねてするというのは『無駄なこと・必要のないこと』だから、この2つの文章は正しいんじゃ[/chat]
「類義語」屋上屋を架す7つ紹介
泥裡に土塊を洗う
泥水の中で土の塊を洗うように、意味のない大変なことのたとえ。
裡=裏側・内側の意。
(例文)そのままにしても仕事には支障がないのに、課長からすべての資料の並べ替えを命じられた。「泥裡に土塊を洗う」で時間の無駄だよ…。
雪上霜を加う/雪の上に霜(同義語)
物が多すぎる上に、さらに同種のものを加えることのたとえ。よい意味にも悪い意味にも使う。
(例文)トイレットペーパーのストックがたくさんあるのに、また買ってきたの?いくら安かったからって「雪上霜を加う(雪の上に霜)」だよ。
高みに土盛る
十分高いところに、さらに土を盛り上げるということから、無駄な骨折りのたとえ。
(例文)会場設営が大変だと言うから手伝おうと思って行ったのに、もう他の人がやってくれていた。「高みに土盛る」で疲れただけだったよ。
川に水運ぶ/床上に床を施す/土上に泥を加う(同義語)
無駄なことのたとえ。
(例文)そんなことをしても問題解決にはならないから「川に水運ぶ(床上に床を施す)(土上に泥を加う)」なだけだよ。
「対義語」屋上屋を架す
そつがない
無駄や無益ではないことのたとえ。
そつ=無駄・無益・手抜かりの意。
(例文)彼女はいつも、完璧に仕事をこなしてそつがない。
「英文」屋上屋を架す2つ紹介
Attach the fifth wheel to the carriage.
馬車に5つ目の車輪をつける。
馬車に5つ目の車輪…想像しただけで無駄だということが分かりますね。
・fifth wheel=5つ目の車輪
・carriage=馬車
Bring a wheat bag to the mill.
製粉所へ小麦袋を持ってくる。
すでに十分あるものを持ってこられても困ってしまいますね。
・wheat bag=小麦袋
・mill=製粉所
まとめ
「屋上屋を架す」について解説してきましたが、いかがでしたか?
意味は無駄なこと、必要のないことをすることのたとえです。
使い方は無駄なこと・必要のないことを表すときに使います。
屋根の上に、さらに建築物を作るという意味で使わないように注意しましょう。
日常生活の中で、つい無駄なこと、必要のないことをしてしまうこともありますよね。時間は限られているので、効率よく使いたいものです。
でもたとえば、誰かのために何かをしようとして行動したことが無駄になってしまっても、その思いは無駄ではないですよね。
そんな風に周りの人を思いやれる人間でありたいですね。
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