進むべき道が分からなくなってしまった時、過ちを犯しそうになった時、あなたはどうしますか?
もちろん、自分自身で乗り越えて行く時もあるでしょうが、自力では乗り越えて行けない時・・・あなたにそっと手を差し伸べ 道を指し示してくれる人がいると思います。
では あなたにとって”師”と呼べる存在に対し”三尺下がって師の影を踏まず(さんじゃくさがってしのかげをふまず)”を心得ていますか?
本記事ではことわざの意味や類義語、使い方などを解説していきます。最後まで読んで、先人達の教えを心に刻みましょう!
Here we go!!
読み方 | 三尺下がって師の影を踏まず(さんじゃくさがってしのかげをふまず) |
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意味 | 師につき従って行く時は、弟子は後ろから歩き、師の影を踏んではいけないという事 |
使い方 | 師は尊いものであり、敬う心が大切である |
類義語 | 七尺去って師の影を踏まず(しちしゃくさってしのかげをふまず)
七足隔つ師弟の礼(しちそくへだつしていのれい) 師弟となって七足去る(していとなってしちそくさる) |
英文訳 | A student must never forget to honor their teacher.(生徒は、先生への敬意を決して忘れてはいけない) |
三尺下がって師の影を踏まず(さんじゃくさがってしのかげをふまず)
「由来」中国唐代の律宗 道宣の言葉
中国・初唐期の僧侶である道宣が『教誡新学比丘行護律儀』へ記した「七尺去って師の影を踏まず」という一説が由来しています。
『教誡新学比丘行護律儀』とは、僧侶としての心得が書かれている本のこと。
七尺が三尺になった理由
日本では、1599年頃 北条氏直という戦国大名によって書かれたとされている『北条氏直時代諺留』(戦国時代のことわざ集)に”三尺下がって師の影をふまず”とその時代の人たちに馴染みのあった三尺に言葉を変え、記されたと言われています。
一尺は30cmだから、三尺は90cm、七尺は・・・2m?!師との距離が離れすぎていて、ありがたいお言葉を聞き逃しちゃいそうだなぁ~
意味」師につき従って行く時は、弟子は後ろから歩き、師の影を踏んではいけないという事
弟子が師に従うときは、師を敬い礼を尽くせという教え。
ことわざのイメージ
”弟子が師匠につき従って歩く時、弟子は師の影をも踏んではいけない”との事から・・・
- 目上の先輩や先生、師と仰ぐ者を常に敬いなさい
- 礼節を欠いてはいけない
本来の師匠と弟子の関係とは、きっとこの様な関係だったのでしょうね!
「使い方」師は尊いものであり、敬う心が大切である
ばあさんや。最近隣に住んで居る長男坊が書道の師範を取ったようだぞ。
まぁっ!!あの子、僕も頑張っていつか先生の様に素晴らしい書道家になるなんて、言っておりましたものね~!
しかしな、あの子・・・自分の努力をおくびにも出さず「先生の教えが素晴らしかったから、自分の様な者も師範になる事が出来た」と、さっき言っておったわい!出来た子じゃの~
三尺下がって師の影を踏まずを心得ているなんて、素晴らしい子になりましたね~
このように
弟子が師を敬い、礼儀を尽くしている場面でも、三尺下がって師の影を踏まずを使うことができます。
使い方2
先生など尊敬する人に対して慣れ慣れしう近づかず、一定の距離を保ち、尊敬の気持ちをもって師には接しましょうということだと思うのです。
三尺ですから、およそ1m弱が相手をたてる距離という事になります。
これこそ日本の古来からのソーシャルディスタンスだと思うのです。
「例文」悪い例と良い例
三尺下がって師の影を踏まず、妻は常に夫の三尺後ろを歩き、ついていかなくてはならないよ!
現在では”男尊女卑”と言われかねないこのことわざは”女は三歩下がって歩く”だな。だがこのことわざ、実は抜刀しても女に当たらない間合いの距離だった=身を挺して女を守る為のことわざだって事、皆は知っているかな
どんなに仲の良い先生でも三尺下がって師の影を踏まず、親しくして頂いてもこの心を忘れてはいけないよ。
師と呼べるような人に対しては、いつまでもこの心を忘れてはいけませんね。私も常に気を付けなくっちゃ!
「類義語」三尺下がって師の影を踏まず 3つ紹介
七尺去って師の影を踏まず(しちしゃくさってしのかげをふまず)
七足隔つ師弟の礼(しちそくへだつしていのれい)
師弟となって七足去る(していとなってしちそくさる)
師と自分の間に距離を置くのは あくまで相手を敬ってのことであって、師であっても相手が嫌いだから距離を置きたい時に使う事はできないぞ
「英訳] A student must never forget to honor their teacher.
A student must never forget to honor their teacher.
(生徒は、先生への敬意を決して忘れてはいけない)
must never:決して~してはならない
forget to~:to以下をする事を忘れる
honor:敬意を表する(動詞)
「生徒は決して、先生への敬意を表する事を忘れる事をしてはならない」つまり、先生への敬意を忘れてはならない となります。
是非、使ってみて下さい!
まとめ
この記事では、三尺下がって師の影を踏まず(さんじゃくさがってしのかげをふまず)をご紹介致しました。
現代の日本は、先輩や先生、上司が、後輩や教え子、部下を叱咤激励する事も難しくなってきてしまい、いつしか上下関係から生まれる絆が何たるものか・・感じる事が出来る機会が非常に少ないと感じます。
優位性を逆手に取った一方的な暴力には断固反対ですが、時には厳しく、時には優しく諭し人を育てていくと言う事はとても素晴らしく、またそうやって育てられた人は自分に謙虚で、育ててくれた師に対して敬意を持って接する事でしょう。
人は決して一人では大きくなることは出来ません。育ててくれた人、正しい道へ導いてくれた人、頼れる人、そんな善き人達に囲まれて日々成長していくことが出来ます。
周りの師を敬いながら、これからも人間として大きく成長し続けていきたいものですね!
いかがでしたか?ことわざを使いこなして、あなたの毎日がまたちょっぴり豊かなものになりますように!!
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