「赤貧洗うが如し(せきひんあらうがごとし)」というのは聞いた事がありますか?あまり馴染みの内容なことわざだと感じませんか?実は「とても貧しくてものがない」という事を意味することわざなのです。
この記事では、「赤貧洗うが如し」を徹底解説していきます。この記事を最後まで読めば、馴染みの薄かったことわざも、自由自在に扱う事が出来るでしょう!
それでは、由来から説明を開始しようと思います!
読み方 | 赤貧洗うが如し(せきひんあらうがごとし) |
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意味 | 家にまったく物がない |
使い方 | とても貧乏な状況に置かれた時 |
英文訳 | extremely indigent など |
類義語 | 貧、骨に至る |
赤貧洗うが如し
由来『先哲叢談』
石田博 編『故事成語ことわざ事典』(雄山閣出版、昭和五十年)によれば、江戸時代の儒学者である荻生徂徠の『先哲叢談』が由来になっています。今回は訓読をもとに由来となった文章について詳しく見ていこうと思います。
【訓読】
(荻生徂徠)初め芝街に卜居す。時に赤貧洗うが如し。舌耕殆ど衣食を給せず。増上寺の前に豆腐を売る者有り。徂徠貧にして志有るを憐み、日〃腐渣を饋る。
引用:石田博 編『故事成語ことわざ事典』(雄山閣出版、昭和五十年)より
【解説】
- 舌耕・・・書物を講義すること
- 腐渣・・豆腐のおから
【私訳】
荻生徂徠は最初、芝(東京都の港区の一部)に卜居した。(占ってそこに住むことに決めた)その時、とても貧しく(「赤」が全くないの意味)洗い流したかの様に所有物がなかった。書物を講義では、ほとんど衣食を賄えない。(「給する」は足りるという意味)増上寺の前に豆腐を売る人がいた。(恐らく、豆腐売りは)徂徠が困窮して志があるのをかわいそうに思って、毎日おからを徂徠に送った。
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”left” border=”green” bg=”none” style=””]荻生徂徠は教科書にも載るくらいの人だけど、とても苦労した方なのね。[/chat]
「意味」極貧
「赤貧洗うが如し」は、家にものがなくて、とても貧乏でものがないとういう意味です。
漢字からイメージをわかりやすく書くとこの様になるのかなと思います。↓
「ことわざのイメージ」
赤は「赤字」の「赤」、「流れる」はお金が流れ出るとイメージするとお金がないという意味のことわざだと考えやすいと思います。
また「赤貧」を使った言葉としては造語と思われますが、「じゃりんこチエ」というアニメで、貧しい子どもたちのことを「赤貧チルドレン」と呼ぶシーンがあるようです。
参照:ヤフー知恵袋
[chat face=”sennin_kuchu_fuyuu-e1623152304696.png” name=”くわしいぞう” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]ちなみに、「赤字」という言葉の由来は簿記で赤い色で、不足金額を入れることから来てるんだよ。[/chat]
「使い方」物凄く貧しい事
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]都会に出て早一か月・・・。アルバイトは見つけたけど、テレビも、洗濯機も買えないよ・・。まさに赤貧洗うが如しだよ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]そんな状況のなるぞうさんに、これあげる![/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]なんと!ブラウン管テレビじゃないか。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]何故かわからないけど、急に映らなくなったんだよね。だからあげる。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]それは、地デジ非対応だからだよ・・・[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]地デジって何?[/chat]
「例文」半端じゃなく貧しい
このことわざの例文を作ってみました。まずは、悪い例文から見ていきましょう。
赤貧洗うが如く沢山の物が部屋にあるよ。
この例文では逆の意味ですよね。「沢山物がある」ということではなく、「物が全くない」という意味です。それを踏まえて良い例文を確認してみましょう!
「兄の死後間もなく、家財は残らず売り払うて諸道具もなければ金もなし、赤貧洗うが如くにして、他人の来て訪問てくる者もなし、」<福沢諭吉・福翁自伝>
北原保雄(著 編) 加藤博康『明鏡 ことわざ成句使い方辞典』(大修館書店、二〇〇七)より引用
これ以上の貧乏はないという感慨を込めて使用されます。
「類義語」貧、骨に至る
類義語には「貧、骨に至る」というものあります。意味としては以下の通りです。
非常にまずしい暮らしのたとえ。まずしさが骨にまでしみとおる意から〈杜甫(トホ)の詩〉
引用:漢字ペディアより
例文としてはこの様に書けます。
上京してからは貧、骨に至ると言うような生活が続いた。
「英文」「extremely indigent(極めて極貧な)」
おからを人からもらわなければ、生きていけない状態というのは極貧どころではありません。その上の極めての意味がある「extremely」が英文では付きます。
extremely indigent
- extremely・・・「極めて」という意味がある。後ろの「indigent」を説明
- indigent・・・「極貧な状態」という意味
⇒極めて極貧という意味になる。
【例文】
- I was extremely indigent.「私は、極めて極貧でした。」
【例文の説明】
- 「extremely indigent」は状態なので、「be動詞」を使用。 ⇒「~です」という意味を表す動詞と合わせている。
- また過去形だから、「was」を使用。
まとめ
いかがだったでしょうか?「赤貧洗うが如し」について、理解を深める事ができたでしょうか?最後に、要点をまとめてみましたので、一緒に見ていきましょう!
- 「赤貧洗うが如し」は貧しくてまったく物がないという意味
- 出典は荻生徂徠の著書
- 「赤」は何にもない事のたとえ
この様に「とても貧しくて物がない」という事を表す時に使うことわざですね。また上記のポイントの「赤」という感じの意味をおさえると、他の言葉にも応用がきくと思います。これをきっかけに憶えて頂ければと思います。
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