あなたは「尻馬に乗る(しりうまにのる)」という言葉を知っていますか?
「人の後について、調子に乗ってそのまねをする。」という意味のことわざです。
[chat face=”onnnanoko2.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]何で、馬に乗ることが「調子に乗ってまねをする」という意味になるの?[/chat]
確かに、不思議ですよね!
本記事では、「尻馬に乗る(しりうまにのる)」という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます。
一緒に見ていきましょう!
読み方 | しりうまにのる |
---|---|
意味 | 考えもせず他人の言動に同調して軽はずみなことをしたり、人のあとについてまねをすることをいう。 |
使い方 | 本当かどうかもわからないのに、人の尻馬に乗って騒ぎ立てるのはどうかと思う。 |
英文訳 | jump on the bandwagon(周りに便乗する。) |
類義語 | 人の褌で相撲を取る、付和雷同、便乗する |
尻馬に乗るとは
「尻馬に乗る」をデジタル大辞泉で調べると、下記のように説明されていました。
尻馬に乗る
分別もなく他人の言動に同調して、軽はずみなことをする。
人のあとについて、調子に乗ってそのまねをする。
出典:デジタル大辞泉
ただ、辞書に書いてあることを読んでもピンと来ないかもしれませんね。
意味をイメージしやすくなるよう、次の章で詳しく解説します。
「意味」 人のあとについて、調子に乗ってそのまねをする。
[chat face=”onnnanoko2.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]そもそも、尻馬って何?[/chat]
確かに、改めて考えると「何だろう?」と思いますよね。
「尻馬」とは、他人が操縦している馬のお尻側、もしくは、自分の前を行く馬のお尻のことです。
[chat face=”onnnanoko2.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]ふむふむ。馬のお尻のことなのね。それで?[/chat]
馬に乗るのには技術がいります。
また、自転車や車の運転でもそうですが、事故を起こさないよう周囲への注意が必要です。
さらに、どのルートで行くか考えたりもして、結構気を遣いますよね。
[chat face=”onnnanoko2.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]言われてみれば、そうかも?[/chat]
他人が操縦している馬のお尻側ということは、
つまり操縦者の後ろで、何もせず座っているだけということです。
また、自分の前を行く馬について行くのであれば、
自分は「どのルートで行けば安全か?」等、考えることなくついて行くだけで済みますよね。
[chat face=”onnnanoko.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]わかった!つまり、「尻馬に乗る」っていうのは、馬での移動の面倒ごとを他の人任せにするというイメージなのね。[/chat]
その通りです!
そこから、考えもせず他人の言動に同調して軽はずみなことをしたり、人の後について真似をすることを指すようになりました。
「ことわざのイメージ」
「尻馬に乗る」とは、
・自分で馬を操縦せず人任せにして、ただ操縦者の後ろに座っているだけの人というイメージ。
・馬を自分で操縦していたとしても、他の人の馬の後をついて行って、行先のルート選び等を他の人任せにするというイメージ。
「使い方」他の人のやっていることに便乗するとき
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]最近、お隣の奥さんを見かけない気がするんじゃが、何かあったのかのぅ。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]あぁ…どうも、旦那さんに内緒で株をやって大損しちゃったらしくて、元気がないんですよ。[/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]なんと、そうじゃったのか![/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]株をやり始めたお友達の尻馬に乗る形で、よく調べずに買ったみたいなの。[/chat]
株の失敗とは、大変ですね。
何でもそうですが、よく考えず他の人に便乗するのではなく、分からないなりに自分で調べるのが大事ですね。
「例文」「勝ち馬に乗る」との混同に注意!
私は就活をして、内定を5社取れたの!
それで、その中で1番尻馬に乗れそうな会社を選んだのよ。
「尻馬に乗る」と似ている言葉に、「勝ち馬に乗る」というものがあります。
勝ち馬に乗る
有利な方につく。勝った方に味方して便乗する。勝負事に勝った人、事業などで成功した者、力のある人の側について恩恵を受ける。
出典:デジタル大辞泉
「他の人に便乗する」というニュアンスは同じなのですが、ちょっと比較してみましょう。
尻馬に乗る:(あまりよく考えずに)ただ他の人に便乗するイメージ
勝ち馬に乗る:(何か優劣があるもので)有利な方を選んで便乗するイメージ
こうして比べてみると、「尻馬に乗る」人より、「勝ち馬に乗る」人の方が打算的な感じがしますね。
ちょっと周りにいたら嫌がられてしまうタイプかもしれません。
では次に、正しい使い方の例文を見てみましょう。
小さい子供の生活を紹介するYoutubeチャンネルが増えているよね。
先駆けとなった人が意外に成功して、その尻馬に乗るような感じなのかな。
ブームに便乗するようなイメージなので、「尻馬に乗る」という言葉の意味としては正しい使い方だと言えるでしょう。
ただ、「尻馬に乗る」を「よく考えずに便乗する」と言い換えるとわかりやすいかもしれませんが、あまり良い意味ではないので、その点は注意が必要でしょう。
「類義語」「尻馬に乗る」の類義語3つ紹介!
人の褌で相撲を取る
他人の物を利用して自分の役に立てる。
出典:デジタル大辞泉
相撲といえばマワシ(褌の一種)が必要になりますよね。
人の褌で相撲を取るとは、他人の褌を出させて使い、うまく立ち回ること。
そこから、「(自分のものではなく)他人のものを利用したり、便乗して利益を得ること」を意味するようになりました。
「彼の企画を先にこちらのチームで実行することにした」っていうけどさ、それじゃあ人の褌で相撲を取るようなものじゃないの?
[chat face=”onnnanoko2.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]自分のものを使わず、他の人のものを使うのってずるいわよね…。[/chat]
付和雷同
一定の主義・主張がなく、安易に他の説に賛成すること。
出典:デジタル大辞泉
「付和」というのは、「自分の意見を持たず、他人の意見に賛同すること」で、
「雷同」は、「雷が鳴ると、全ての物がそれに呼応して響く」という様子のことです。
この2つを組み合わせたのが付和雷同で、
「自分の考えがなく、すぐに他人の意見に同調する」という意味になります。
例文を見てみましょう。
週に一回の定例ミーティングでは、参加メンバーは皆、最初に発言した人に付和雷同する。もっと色んな意見を聞きたいのだけど。
[chat face=”onnnanohito.jpg” name=”” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]小学生の頃、道徳の授業などで「どう思う?」と意見を求められたときに、クラスメイトのほぼ全員「〇〇さんと同じです。」と答えていたのを思い出しました。[/chat]
実は、私もそのタイプでした。笑
「付和雷同」は「尻馬に乗る」とほぼ同じような使い方ができることがわかりますね。
便乗する
便乗する
他人の乗り物に、ついでに乗せてもらうこと。
たくみに機会をとらえて、うまく利用すること。
出典:デジタル大辞泉
便乗とは、「他の人がどこかに行くとき、ついでに乗り物に乗せてもらうこと」から、「(ブームなどの)機会をうまく利用すること」の意味が派生しました。
乗るのが「馬」なのか、「(車などの)乗り物なのか」の違いで、由来と意味はほぼ同じですね。
例文を見てみましょう。
あの人は和食ブームに便乗して蕎麦屋をオープンさせたけど、売上はイマイチみたいね。
ブームに乗るときは、ちゃんと勝算があるかどうかも考えないといけませんね。
「対義語」尻馬に乗るの対義語は?
「尻馬に乗る」の対義語として、明確に定義されているものはないのですが、
「自分で進む道を歩まず、ただ誰かの後をついて行く」という意味の逆の言葉を考えると、
「牽引」という言葉が当てはまるのではないでしょうか。
牽引(けんいん)
先頭に立って物事を行ない、他の人や集団を率いていくこと。また、物事をある方向に引っぱっていくこと。
出典:精選版 日本国語大辞典
[chat face=”onnnanoko.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]指導力を発揮して、自分で道を切り開いていくイメージね![/chat]
その通りです!
自分が先頭に立ち、他の仲間たちを率いていく様子は、「尻馬に乗る」の対義語だと言えるでしょう。
「英文」jump on the bandwagon(周りに便乗する。)
jump on the bandwagon(周りに便乗する。)
[chat face=”onnnanoko2.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]どんなふうに使うの?[/chat]
例文を見てみましょう。
We just jumped on the bandwagon. Everybody around me liked it, so we did it.
(私たち、便乗しただけなの。周りの人が全員好きって言ってたから。)
“bandwagon”は、元々は「サーカス団を乗せて運ぶワゴン」のことで、
“jump on the bandwagon”は、そのまま訳すと「バンドワゴンに飛び乗る」となります。
[chat face=”onnnanoko.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]サーカス団って、宣伝のために派手なパフォーマンスをしながら町をパレードするイメージがあるわ。[/chat]
そうですよね。そして、パレードしていると、大衆もその後について行くわけです。
[chat face=”onnnanoko.jpg” name=”女の子” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]なるほど。中には、興奮してバンドワゴンに飛び乗っちゃう人もいたかもしれないわね![/chat]
そこから、“jump on the bandwagon”で「(熱狂につられて)大勢についていく」という意味の慣用句として使われるようになりました。
まとめ
本記事では、「尻馬に乗る」の意味・類義語・対義語をご紹介させていただきました!
もう一度、ポイントを整理してみましょう。
・「尻馬に乗る」とは、考えもせず他人の言動に同調して軽はずみなことをしたり、人のあとについてまねをすること。
・英文では”jump on the bandwagon”で「周りに便乗する」という意味になる。
・類義語は「人の褌で相撲を取る」「付和雷同」「便乗する」
・明確な対義語はないが、反対の意味として「牽引する」という表現を使うことができる。
「尻馬に乗る」の理解を深められたでしょうか?
この記事があなたのお役に立てれば幸いです。
次回の記事も楽しみにしていてくださいね!
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