あなたは「死んだ子の年を数える」をいうことわざを聞いたことはありますか?
死んだ子の年を数えるとは、「今さらどうにもならないことを、くよくよと思い煩うこと」のたとえです。
普段わたしたち人間は、どうにもならないことに対しくよくよと考えがちな時ってありますよね。
本記事では、「死んだ子の年を数える」ということわざの意味や使い方、例文や類義語など詳しく解説します。
それでは早速見ていきましょう。
読み方 | 死んだ子の年を数える(しんだこのとしをかぞえる) |
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意味 | 今さどうにもならないことを、くよくよと思い煩うこと |
使い方 | もう済んだことに対し、あれこれ悔やむとき |
英文訳 | Crying over spilt mili.(こぼれたミルクを泣いて惜しむ) |
類義語 | 死児の齢を数える/死んだ子の年数えで役に立たない/死んだ子の年勘定/割った茶碗を接いでみる |
「死んだ子の年を数える」とは
それでは、まずは意味から見ていきます!
「意味」今さどうにもならないことを、くよくよと思い煩う
「死んだ子の年を数える」とは、今さどうにもならないことを、くよくよと思い煩うことのたとえです。
死んでしまった子がもし生きていたらいくつになっているだろうかと死んだ子の年を数えることが、もう済んでしまって仕方のないことを思い出したり悔やんで愚痴を言ったりすることを表しています。
親にとっても、そのまわりの人にとっても、子供が死んでしまうというのは耐え難いことですよね。大切な存在が死んでしまうのですから、いつまでも思い悩んで当然のことです。しかし、いくら悲しんでも子どもは帰ってくることはありません。
このことから、どうしようもないことを思い、くよくよと悩むという意味として使われています。
「ことわざのイメージ」
- どう悩んでも取り返しのつかないことで思い煩う。
- もう済んだことに対して愚痴をいう。
「使い方」済んだことをくよくよ考える
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]なるこさんや…許してくれ…うっうっ…。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]どうしたんですか?なるぞうさん!そんなに泥まみれになって!風邪ひきますよ![/chat]
[chat face=”naruzou.png” name=”ためになるぞう” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]実は、さっき畑仕事の帰りにの…なるこさんと一緒に選んだ大事な大事な結婚指輪を、池の中に落としてしもうたんじゃ…。池に入って探したんじゃけども見つからんかったよ…許してくれい…。[/chat]
[chat face=”obaasan_face.png” name=”ためになるこ” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]なるぞうさん、そんなに私との結婚指輪を大事にしてくださってたのね…!!死んだ子の年を数えていてはいけません。今日新しい指輪を買いに行きましょう♪[/chat]
「例文」どうしようもならないのに、くよくよ考える
それでは例文を見ていきましょう!良い例、悪い例のあとは実際の文献で使われている例文を紹介するよ。
ダイエット中なのに、また今日もたくさん食べてしまった…。でも、死者の年を数えるのはやめよう。明日から頑張ればいいや!
[chat face=”koara.png” name=”こあらぽん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]ここでは、いつまでも思い悩む、という意味で使われているので使い方としてあっているね!ただし、「死者」ではなく「死んだ子の年」だよ!気を付けよう。[/chat]
A君「今日はお金を使いすぎてしまったよ…もうすっからかんだ。」
B君「おいおい死者の年を数えてどうするんだよ。また貯めればいいさ。」
それでは、実際の文献で使われている例文を見てみよう。
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あたしの子の忠太郎は、九ツの時、はやり病で死んでしまったと聞いている。死んだ子の年を数える親心で、生きていたらあの子も今年三十二、いや一だったと、ゆうべも夜中に眼がさめて思い出していたくらいだ。
参考文献:長谷川伸『瞼の母 二幕六場』
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死んだ子の年を数えるよりもっと無駄とは知りながらもお城の中での楽しかった暮しを思い出さなければならないんでございますわ。
参考文胎献:宮本百合子『胚胎』
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「類義語」死んだ子の年を数える4つ紹介
死児の齢を数える
死んでしまった子が生きていたらと、その年を数えて嘆く。悩んでもどうしようもないことを悔やむたとえ。
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死児の齢を数える、と言って笑うものがあるが、わが子を亡くしたことのない人の冷たい言葉であろう。
参考文献:永井隆『この子を残して』
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死んだ子の年数えで役に立たない
過ぎ去ってしまったことを悩んでも、何ら状況は変わらないという意味。
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浪人した兄さんは、もっと勉強すればよかったなどと嘆いているが、死んだ子の年数えで役に立たないで、今さら言っても何も変わらないよ。
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死んだ子の年勘定
終わったことをあれこれ悔やんでも無駄であるということ。
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あの人はいつも事が終わったあとで、ああすれば良かったこうすれば良かったと嘆いているが、死んだ子の年勘定だよ。
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割った茶碗を接いでみる
いまさら取り返しのつかないことに諦めがつかず、あれこれすること。
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競馬で負けてもうどうしようもないとき、残りのお金で負けを取り戻そうとすることは割った茶碗を接いでみるのと同じことだ。
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[chat face=”neko.png” name=”ねこぽん” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]4つの類義語は、「死んだ子の年を数える」とほとんど同じ意味だね![/chat]
「英文」Crying over spilt milk.
Crying over spilt milk.
(こぼれたミルクを泣いて惜しむ)
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・Crying[動詞cryの現在分詞](泣き叫ぶ)
・over(~を超えて)
・Spilt milk[spillの過去形・過去分詞(こぼれたミルク)[/jin-iconbox12]
まとめ
それでは最後に、重要ポイントをまとめます。
- 「死んだ子の年を数える」とは「今さどうにもならないことを、くよくよと思い煩うこと」
- 「死んだ子」を「死者」とは言わないので注意!
いかがでしたか?
普段、ああすればよかった、こうすればよかった、と後悔することもありますが、どうしようもないことですよね。
しかし、このようにどうしょうもないことを悩んでしまうのが人間でもあります。
このことわざは、たとえなので、実際に子を亡くした人に対して使う際はよく考えましょう。
本記事が、生活の中で役立ててもらえると嬉しいです。
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