皆さんは、「金の斧・銀の斧」の話を知っていますか?
[chat face=”job_kikori.png” name=”木こり” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]おっと、俺の大事な鉄の斧が湖に落ちてしまった!どうしよう。[/chat]
[chat face=”ginnoono_kinnoono.png” name=”” align=”right” border=”blue” bg=”none” style=””](湖の中から女神が現れ)あなたが落としたのは、金の斧・銀の斧どちらでしょうか?[/chat]
[chat face=”job_kikori.png” name=”” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]びっくりしたぞ!いや、俺が落としたのはそんな高価なもんじゃない、鉄の斧だよ。[/chat]
[chat face=”ginnoono_kinnoono.png” name=”” align=”right” border=”blue” bg=”none” style=””]なるほど。あなたは正直者ですから、鉄・銀・金すべての斧をお渡ししましょう![/chat]
正直でいることの大切さが教訓とされる話ですが、
男は故意ではありませんが一時的に損をしたものの、結局は3本の斧を得ていますよね。
今回のことわざである損して得取れでは、
目先の利益にとらわれず長い目で見たときに得を取るというメッセージが込められています。
本記事では、「損して得取れ」(そんしてとくとれ)という言葉の意味や類義語、使い方など徹底解説していきます!
読み方 | 損して得取れ(そんしてとくとれ) |
---|---|
意味 | 一時的には損を覚悟しておいて、将来的に長い目をみて得を取れということ |
使い方 | 何かに投資するとき、目先の利益に惑わされないようにするときなど |
英文訳 | ・Sometimes the best gain is to lose.(時には損をすることが最上の利益である) ・Lose a dime and win a dollar.(10セント負けて1ドル勝つ。) |
類義語 | 損せぬ人に儲けなし/損と傷は癒え合う/損は儲けのはじめ |
損して得取れとは
損して得取れの語源や由来は、調べたところ特に記載がありませんでした。
語源・由来:特になし
しかし、昔から商売のコツとして使われていた言葉であり、
目先の得だけを考えるとかえって大きな損をし、今の損を我慢することで将来的に大きな利益を得られる教訓が、損して得取れということわざに転じています。
また、かつては「損して徳取れ」と記載されており、信頼や人徳を意味する徳が使用されていました。
「意味」一時的には損を覚悟しておいて、将来的に長い目をみて得を取れということ
損して得取れは、商売のコツとしてよく使われてきた言葉でした。
目先の利益はとても魅力的ですが、今は損でも将来的には大きな利益を得ることを考えよ、という経営論的なメッセージが込められています。
また、「損して得取る」と記載されることもあるので、セットで覚えておきましょう。
「ことわざのイメージ」
・目先の利益にとらわれない
・損失は度外視し、将来の利益を得る
・長い目でみて利益を得る
金の斧、銀の斧
冒頭で紹介した「金の斧・銀の斧」は、昔話として現代まで伝えられており、明治時代以降に、教科書や読み物を通して広まりました。
以下、物語の概要を引用しておきます。この話を知らなかったという人は、ぜひチェックしてみてくださいね!
昔話。正直者が幸福を得るということを主題にした隣の爺(じじ)型の葛藤譚(かっとうたん)の一つ。木こりが仕事中に鉄の斧を淵(ふち)に落とす。水の神に祈ると、淵の中から水の神が黄金の斧を持ってくる。自分のものではないと返す。銀の斧も返し、三度目の鉄の斧を受け取る。神は、正直者だからと、金と銀の斧もくれる。悪い爺がまねをして自分の斧まで失う。古代ギリシアの『イソップ寓話(ぐうわ)集』の「ヘルメスと木こり」の話とまったく同じ構想である。
〈引用:コトバンク「金の斧・銀の斧」より〉
「使い方」目先の利益に惑わされないようにするときなど
[chat face=”shinsyakaijin_man2.png” name=”新入社員” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]新商品のサンプルをたくさん無料配布してますけど、これ会社にとっては損じゃないですか?部長。[/chat]
[chat face=”sensu_salaryman.png” name=”部長” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]新入社員君よ、いいかい。損して得取れなんだよ。今は我々の会社にとっては不利益だが、新商品の良さが伝われば、きっと将来的にはずっとお客様は投資してくれるのさ。[/chat]
[chat face=”shinsyakaijin_man2.png” name=”新入社員” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]なるほど、そうですよね。僕は目の前のことしか見えてませんでした、、、。[/chat]
[chat face=”sensu_salaryman.png” name=”部長” align=”right” border=”green” bg=”none” style=””]誰だって最初はそうだよ、気づけた新入社員君は素晴らしいのさ。じゃあ、このサンプルも配ってきてくれ![/chat]
[chat face=”shinsyakaijin_man2.png” name=”新入社員” align=”left” border=”blue” bg=”none” style=””]わかりました、部長!!![/chat]
「例文」何かに投資するときなど
ギャンブル好きのおじさんは、今日も有り金を全部競馬につぎ込んだらしい。損して得取れとはこのことか。
この場合だと損はしていますが、ギャンブルで目先の利益を得るためにお金を出していることになるため、長い目で見て利益を得ようとしているとは言えません。よって、この場合だと損して得取れという言葉の使用は適しません。
10年前、無名の会社の株を買ったのだが、今となってはその名を知らない人はいない大企業になり、毎月沢山の配当をもらえている。損して得取れと言っていた友人の話に、耳を貸していてよかった。
10年前に無名の会社の株を買うというのは、当時は損だったかもしれませんが、
長い月日がたてば大きな利益になったという意味を、損して得取れということわざで
わかりやすく伝えることができます。
「類義語」損して得取れ・類義語3選
・損せぬ人に儲けなし
・損と傷は癒え合う
・損は儲けのはじめ
損せぬ人に儲けなし
【意味】ある程度の損をする覚悟がなければ、儲けは出ないということ。
損と傷は癒え合う
【意味】損や傷は、今は痛くても時間がたてば回復するということ。
損は儲けのはじめ
【意味】損をすることは、後々訪れる大きな利益のはじめにすぎないということ。
「対義語」損して得取れ・対義語3選
・一文惜しみの百知らず
・一文拾いの百落とし
・小利をむさぼって大利を失う
一文惜しみの百知らず
【意味】目先のことに目を奪われ、後で大損していることにも気づかないたとえ。
「一文吝みの百知らず」とも書く。
[box06 title=”あわせて読みたい”]一文惜しみの百知らず[/box06]
一文拾いの百落とし
【意味】小さな利益を得ることで、かえって大きな損をしてしまうという意味。
小利をむさぼって大利を失う
【意味】目の前にある小さな利益にとらわれて、結局大きな利益を失うということ。
一文
江戸時代の通貨である一文銭は、銅銭の真ん中に穴が開いており、現代のお金に換算すると一文=約12~20円の価値でした。現在でも、安いものや価値が低いものに対し、「一文の値うちもない」などと、一文という言葉を使用します。
② (「文」は貨幣の面に鋳出した文字からといわれる) 銅で鋳造した穴あき銭一枚のこと。通貨の最下位の単位で、千枚で一貫文。一文銭。一銭。明治時代、一銭の十分の一として通用したこともある。
〈引用:コトバンク「一文」より〉
「英文」損して得取れ・英文2選
Sometimes the best gain is to lose.
訳:時には損をすることが最上の利益である
sometimes/時々、ときには gain/利益、獲得 to lose/失うこと、負けること
Lose a dime and win a dollar.
訳:10セント負けて1ドル勝つ。
dime/10セント、びた一文 doller/1ドル紙幣
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます!
それでは、再度損して得取れの要点を振り返っておきましょう。
・意味は、一時的には損を覚悟しておいて、将来的に長い目をみて得を取れということ
・商売のコツとしてよく使われることわざ
目の前に落ちている小銭を拾うよりも、よく考えて株などに投資したりすることは、
未来の利益につながります。
人生100年時代と言われる今だからこそ、一時的な損は度外視することで、今後の人生により豊かな利益をもたらすことができるかもしれませんね!
コメント